[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GUARDIANS OF THE GALAXY(2020)#5

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーvsウェスト・スパイラル・アーム・ガーディアンズ

火花を散らす両チームだが、決着は思わぬ形でつくことになった!

 

 

前回はこちらから↓

 

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[あらすじ]

ロケットに恨みがあるカスター・グノーバーグ3世を利用し、遂にロケットの居場所を突き止めたガモーラたち。しかし、当のロケットはマーベルボーイたちと共にガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとしてグノーバーグ3世の野望を阻止しようと動き出していた。

2つのガーディアンズの実力は拮抗し、中々決着が付かない。だが、そんなバランスを崩すかのように動けないノヴァを守るために船に残っていたムーンドラゴンを襲撃する影が現れる。赤きオーラを纏う黒い龍、ドラゴン・オブ・ムーン。かの邪龍はヘザーと同じ「ムーンドラゴン」と共に、そしてガモーラたちの味方としてヘザーに襲いかかったのだ。

ガモーラたちと行動を共にしていたムーンドラゴンの正体は、アース616のヘザー・ダグラス。何もかも失った自分とは違って全てを持つ「平行世界」の自分に嫉妬の感情を持つ彼女は、ムーンドラゴンに復讐を企む邪龍と組んででも「力」を欲した。そうして戻るものが何もないことを分かっていながらも、止めることができなかったのだ。

[I'm in your head]

ロケットを連れ戻すために自分たちのガーディアンズを結成したガモーラたち。彼女たちはロケットたちの行動を先読みし、「Dタイプ・コンバーター」に網を張っていた。ガモーラは事前にグノーバーグ3世からロケットの暗殺と施設の護衛を依頼されていた。目論見通り、かの施設に現れたマーベルボーイをドラックスとプリンス・オブ・パワーの怪力コンビで迎え撃ち、マーベルボーイが“大英雄”ハーキュリーズと入れ替われば機動力で勝るガモーラが抑える。肝心のロケットはオヘアに任せ、そして現状のガーディアンズ・オブ・ギャラクシーで最も強いムーンドラゴンには同じ能力も持つムーンドラゴンをぶつける。暗殺だけでなく知略にも長けたガモーラらしい、見事な戦略といえる。

だが、ちょっと待って欲しい。どうしてムーンドラゴンが2人もいるのかと疑問に思う読者も多いだろう。管理人も初読時は混乱したが答えは至極簡単。ガモーラたちの味方となっているムーンドラゴンはアース616のヘザー・ダグラス、そしてロケットたちの味方をしているムーンドラゴンは平行世界であるアース18897出身のヘザー・ダグラスなのだ。

アース18897は「インフィニティ・ウォーズ」にてレクイエムの手で滅ぼされた世界。その世界で宇宙を護っていたムーンドラゴンとフィラ・ベルの2人は、レクイエムの暴挙を食い止めるためにアース616へと転移してきたが、レクイエムへの復讐を果たすことは叶わなかった。そうして居場所を求めた彼女たちは、流浪の旅の果てにガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに加入。サノスの復活を阻止し、ユニバーサル・チャーチ・オブ・トゥルースの野望を挫くために奔走してきた。ケイツ期の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」誌で登場したムーンドラゴンたちは平行世界の同一人物だったのだ。

2つの宇宙の危機に姿を現さなかったアース616のムーンドラゴンは、平行世界の自分に激しい怒りと憎悪の念をぶつける。その最たる理由がフィラ・ベルの存在だ。アース616のフィラ・ベルはもうこの世にはいないのに、平行世界のフィラ・ベルは元気に生きている。愛する女と全く同じ名前と姿をした女は自分を見てはくれない。その事実がアース616のムーンドラゴンの感情を逆なで、嫉妬の感情を爆発させたのだ。自分には「力」がなかったがためにフィラ・ベルを死なせてしまった。だから敵対関係にある邪龍と手を組んででも「力」を手に入れ、平行世界の自分を消そうとしたのだ。

今度こそ恋人を守るために、その想い自体は間違っていないと管理人も思うがそのやり方が正しいものだとは思えない。

邪龍の力を借りて憎き恋敵を始末したムーンドラゴン。しかし、相手もまたムーンドラゴン。彼女ができることは同じ自分にもできる。ただし、平行世界のムーンドラゴンは相手を殺そうとはしない。苦しむ自分を救えるのは、自分しかいないのだ。

ロケットたちそっちのけで始まったムーンドラゴン同士、女同士のガチンコバトルだが、この戦いは本シリーズにおいて必要なものだと思う。片や愛する者を奪われ、そしてもう一方は護るべき世界を失った2人のヘザー・ダグラス。アル・ユーイングが描くガーディアンズ誌では「道半ばで挫けても、己を見つめ直して立ち上がろうと奮闘する」者たちが多く登場する。その中にはヘザー・ダグラスたちも含まれている。

「闇」に囚われてしまったもう1人の自分を救うために、ムーンドラゴンは…。

 

ムーンドラゴンたちの戦いに決着がついたその頃、2つガーディアンズの戦いにも終わりが見え始めていた。ガモーラはハーキュリーズと事を構えるつもりはなく、ハーキュリーズもまた同様。2つのガーディアンズの共通する目的はグノーバーグ3世の事業の要たる「Dタイプ・コンバーター」の無力化なのだから。ガモーラたち「ウェスト・スパイラル・アーム・ガーディアンズ」は最初からグノーバーグ3世を裏切る算段だったのだ。途中、空気を読まないプリンス・オブ・パワーがハーキュリーズに喧嘩を吹っかけて施設の動力炉が爆発してしまうアクシデントはあったものの、マーベルボーイの機転のお陰で事なきを得るのだった。

最初から施設を破壊する気だったマーベルボーイは、単身グノーバーグ3世が指示を出していた衛星に潜入。小太りなビーバーが癇癪を起している隙をついて「ネガ・ガントレット」を付けてあげる。それと同時にハーキュリーズもガモーラたちと共にガントレットを起動。互いの場所を入れ替える装置はハーキュリーズたちを安全な場所へ移動させ、グノーバーグ3世は爆発間近の施設へ飛ばされる。自分が守りたかった施設と共に吹き飛びな。

こうして無事にロケットを確保し、序に悪党も倒すことに成功したガモーラたち。ロケットの首を狙っていたオヘアも背後に迫っていたグルートに気付かず拘束された。半ばギャグじみた作戦で解決してしまったが、これもガーディアンズらしいと思う(飲んでばっかなロケットはもう帰れよ)。

合流した2つのガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。彼らが往く場所は常に混乱と騒動で満ちているのだ。

 

事態が収束したことをムーンドラゴンにテレパスで伝えるフィラ・ベル。飲んだくれの護衛で身動きが取れなかった彼女にとって、恋人の声が聴けるのは至福の瞬間だっただろう。それは2人の精神が合わさったムーンドラゴンも同じだったようだ。