[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GUARDIANS OF THE GALAXY(2019)#12

燃やせ、命の炎!

宇宙を、未来を、家族を守るために戦えガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

 

前回はこちらから↓

 

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【あらすじ】

宇宙の命運は決まった。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに勝利したユニバーサル・チャーチ・オブ・トゥルースの母船は遂に地球を眼前に捉え、生命エネルギーを吸収するべく動き出したのだ。これで未来は救われる。死を恐れない素晴らしい未来が訪れる。全ては信仰があるがため。

そう高らかにに宣言するパトリアークだったが、船の動きは突然止まってしまう。混乱するパトリアークたちだが、直ぐに原因を突き止めた。勝利を目前にしながらも立ち塞がった“アライグマ”を排除すべく行動を起こしたパトリアークたちだったが、ロケットは引き下がらない。家族を救うために持ちうる力を全てつぎ込むのだ。

「俺はアライグマ、そしてエンジニアだ。てめえらの船を乗っ取ること位は訳ねぇんだよ」
超人たちをカプセルから解放し、反撃の狼煙を上げろ!
【この運命賭けて、バーニング・ハート】

勝利を確信したユニバーサル・チャーチ・オブ・トゥルースが犯した最大のミス。それはロケットの生存を確認しなかったこと。ロケットが搭乗していたパワードスーツをは確かに破壊されたが、彼はまだ生きていた。瀕死の状態でありながらも一命を取りとめていたロケットは、小柄な体を活かして監視の目を逃れ、船内の奥にある動力炉まで辿り着いていた。船の設計と機能、そして船と超人たちが捕らわれているカプセルの動力は同じであることを突き止めたロケットはパトリアークが勝利に酔っていた隙に、反撃のための準備を進めていたのだ。直接対決で敗北してから僅かな時間しかなかったであろうにもかかわらず、完璧な算段でパトリアークの野望を阻止する最大手を打てるのは偏にロケットの家族を救いたいという思いから来る火事場の馬鹿力ゆえか。最早戦えない身でありながら、ロケットの足元には多数の信者たちが転がっているのも、それだけ彼も必死なのだと思わせる。

ロケットの手で船内に捕らわれていた超人たちは全員解放され、パトリアークの信者たちの多くはコントロールを奪われた触手に捕らわれて無力化させてしまった。立つのもやっとな有様な下等生物にしてやられてしまったことでパトリアークの余裕は完全に消える。しかし、この状況でもデストロイヤー・ホールドの最後の生き残りはロケットの抹殺を敢行せんと襲い掛かる。最早唾を吐きつけることでしか反撃の手段を持たないロケットだが、彼の目から光が消えることはない。

満足に抵抗することができないにも関わらず、戦意を失わないロケットに困惑するデストロイヤー。
仲間が、家族が駆け付けてくれたから。だから戦える。

誰よりも迫る「死」に直面しながらも、最後の最後まで家族を救おうと足搔き続けたロケット。その思いの強さは、デストロイヤーを父とは違うと断じたムーンドラゴンの意思を変える。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、そしてダークホークやマンティスたち仲間たちの記憶にあるドラックスのイメージをテレパスで伝えることで、救おうとしたのだ。ロケットが家族を救おうとしたように、今度は娘が父を救う。「家族」をテーマにしたガーディアンズ・オブ・ギャラクシーならではのベタながらも熱い展開に涙腺が刺激される...。

ドラックスを救い、そしてロケットを守る。
相棒を守る鎧と成ったグルートにご満悦なロケット、そんな彼に皮肉をぶつけるドラックス。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが、帰ってきた。

一方、誰よりも「死」を恐れたパトリアークたちはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを逃がすまいと追撃をかける。死が蔓延する未来を変えるために動いた筈が、その未来を変えることを否定されてしまった。こんなことがあっていい筈がない、とスター・ロードに呼びかけるパトリアーク。しかしスター・ロードの“父”を見る目は冷ややかだ。あんたには信仰があるだろ、と吐き捨てる姿は家族を救おうとしたロケットやムーンドラゴンとは対象的と言える。

ロックジョーの能力で敵船から脱出し、パトリアークたちはロケットが起動させたタイムワープ装置で未来に送り返された。これで本当に全てが終わったのだ。「死」を恐れず強い意志の元に立ち向かうことができなかったのが、勝敗を分けたのだろう。

 

戦いが終わり、場所は変わってロケットの故郷のハーフワールド。この星の病院に集うガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々。彼らは入院したロケットの様子を見に、お見舞いに来ていたのだ。彼らの中にはメイガスにロックジョー、更に死亡してから色々あって蘇って宇宙に戻ったコズミック・ゴーストライダーに、果てしない時間の中を駆け巡り黒いボディとなったシルバーサーファーの姿もあった。

ロケットの容態は安定したものの、暫くは入院と安静が必要。そう医者から告げられたガーディアンズは病室から去ろうとするが、スター・ロードたちだけはロケットに呼び止められる。宇宙の平和を守るために、何よりもスター・ロードを助けるために自分は戦ったことを告げ、そして支えることができず姿を消したことを詫びるロケットを止めるスター・ロード。今回の事件を解決した立役者は間違いなくロケットだ。そんな彼の思いを受けて責める者などここにはいない。元気になるまで傍にいる、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは家族なのだから。

「インフィニティ・ウォーズ」、「サノス・ウィンズ」、そして「コズミック・ゴーストライダー」宇宙を揺るがした数々の事件の終着点として描かれたこのガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。離散したメンバーたちに変わってベータ・レイ・ビルをはじめとした超人たちが参加したが、最後に勝利を掴んだのは家族であるオリジナルメンバーの絆だった。そして敗れたユニバーサル・チャーチ・オブ・トゥルースが未来で見た光景を考えると、「家族との絆」とは何であるかと考えさせてくれるだろう。