[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:AMAZING SPIDER-MAN(2015)#8

迫りくるスパイダーモービル。復讐に燃えるミスター・ネガティブ。

悲しみの連鎖を止めるべく、スパイダーマンが往く!

 

前回はこちらから↓

 

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[あらすじ]

ミスター・ネガティブの洗脳を間一髪で逃れたピーターは、彼の野望を阻止するべく直ちに行動を開始。操られた振りをしてネガティブの目を欺き、彼の計画の要たるシェイドの密造を阻止するだけでなく、この危険なドラッグの弱点を掴むことにも成功する。

だが、ピーターには時間が残されていない。ミスター・ネガティブの狙いは、シェン・クィンガオの社会的死なのだから。パーカー・インダストリーズの主力商品である「スパイダーモービル」の記者会見にゲストとして参加するクィンガオをシェイドで操り、彼自身の裏社会での経歴を世界に知らしめる。それは何としてでも阻止しなければならない。軽口を飛ばしながらも、作戦が成功するか緊張が走るピーターだが…。

自らの勝利を確信するミスター・ネガティブだが事態は彼の予想を裏切り、クィンガオは彼自身の秘密を口にしない。パーカーへの洗脳が不完全だった筈もない。であるならば、このオレを謀ったのか?怒りに燃えるミスター・ネガティブは部下たちと共に会見場へ殴り込みをかける。

[Black&White]

ミスター・ネガティブとマーテイン・リー、生み出される以前の「元の人格も名前」も知らない2つの人格が求めた復讐。それは裏社会でしか生きる道を見出すことができないネガティブを差し置いて、のうのうと表舞台で私腹を肥やす老人への怒り。そしてそんな裏人格を憐れむマーテインの同情から来るものだった。マーテインとしてもクィンガオは許せる存在ではなかったが、積極的に彼を消そうとは考えなかった。結局はネガティブに説得される形で折れてしまったのは、自分たちが生み出されたことへの「ケジメ」を望んだことが理由だろう。

そんな復讐は虚しいだけだ。己の存在意義を裏社会でしか見出すことができなかった男が、自分が最も満足できる手段として採用したのだろうが、こんなやり方は間違っている。少なくとも管理人はそう思う(パニッシャーゴーストライダーが同じ立場なら正面から堂々と殺るだろうしね)。

そして、こんな復讐劇を止めるためにスパイダーマンもまた、会見場に罠を張ってネガティブたちの襲来を待ち構える。ピーターもかつては叔父や恋人を殺された怒りのままに、復讐を果たそうとした経験がある。あの時抱いたどす黒い負の感情は、未だにしこりとしてピーターの心に残っている。あんな思いをするのは誰だろうと許さない。例え相手がヴィランだったとしても。故にシェイドの特効薬と警官隊の包囲網を準備して、一切の躊躇もなくインナーデーモンズの無力化を図る。“親愛なる隣人”としての力と責任がピーターの背中を押す。

スパイダーマンたちの待ち伏せに逢いながらも、復讐を果たそうと足掻くネガティブ。しかし、事態は既にスパイダーマンの手の中。クロークのワープをも追尾する「特効薬」を打ち込んでネガティブの支配から解放させる。これで残るはダガーの救出とネガティブを撃退するだけ。しかし、そこにスコーピオの口車に乗ったリーアン・タンの襲撃が。

いい所なのに邪魔をするなと憤慨しそうになる管理人だが、ピーター当人は努めて冷静に対応しようとする。ピーターはリーアンの正体に薄々とは感付いていたからだ。ピーターはモッキンバードにリーアンの経歴を洗うよう、依頼を出していた。彼女がゾディアックと通じていることに気付いていたピーターは、決定的な証拠を得るまで様子を見ていたが、ピーターの希望を無視するようにリーアンはスパイダーモービルで攻撃を仕掛けたのだ。会見場からビル屋外に戦いの場を変えたピーターはモッキンバードから報告をもとに、リーアンに思い留まるよう訴える。君を人殺しにはさせない、君のお母さんのために「そんなこと」はさせないと。

様々な者たちの思惑が交錯する場を動かしたのは、クィンガオを捕らえたミスター・ネガティブだ。ダガーを含む手駒を全て失ったネガティブは、憎き男に己の経歴を自白させた上でビルから飛び降りるよう命令する。やはり最初からこうすれば良かったのだ。だが、彼が飛び降りた先にはスパイダーマンとリーアンが…。

 

ピーターの必死の説得からか、迷いを見せていたリーアンは飛び降りたクィンガオを見て咄嗟にスパイダーモービルを操り、クィンガオを掴まえる。しかし、バランスを崩したマシンは重力に負けてクィンガオ諸共にビルから落下してしまう。スパイダーマンも蜘蛛糸で落下を止めようとするものの、マシンの重量を支えられる筈もなくスパイダーマンもまた転落してしまう。このままでは地上への激突は避けられない。

それでもピーターは余裕な態度を崩さない。危険を告げる「スパイダーセンス」は発動しない、それは助けが来たことを意味するからだ。

上海の摩天楼から落ちていくスパイダーマンたちを助けたのは、ネガティブの洗脳から解放されたクローク&ダガーだった。クィンガオもリーアンも命に係わるような大怪我を負うこともなかったようで、よかったよかった。

 

こうして、ミスター・ネガティブの脱獄から始まった騒動は終わりを迎えた。ネガティブが当初の目的としてクィンガオの黒い経歴を暴露することは叶わなかったが、彼の秘密はパーカー・インダストリーズの知るところとなった。慈善事業家が裏ではギャンググループのリーダーだったとあっては信用はがた落ち、提携を即刻打ち切られてしまったのだった。そして、リーアン・タンもまた騒動を起こした犯人として警察に連行されてしまうことに。自虐する彼女にスパイダーマンがかけた言葉は、「友人」としての優しい言葉だった。君のお母さんの治療法を一緒に見つけよう、病床の母を救う手段を模索する彼女が抱える苦しみはピーターにとっても他人事ではない。

しかし、事件の首謀者であるミスター・ネガティブはどさくさに紛れて姿を消してしまった。クロークの能力でアジトへ向かうも、そこは既にもぬけの殻。また巨悪には逃げられてしまった。だが、アジトに残されていたマーテイン・リーからのメッセージを受けたヒーローたちは、各々の使命を果たすべく行動を起こすのだった…。

マーテイン・リーはミスター・ネガティブと共に再びインナーデーモンズをここ上海で結成することを宣言。善性な彼が何故そんなことを?疑問は尽きないが、今は次の戦いへ向けて士気を高める時だ。

来るなら来い!お前たちヴィランの野望は何度でも挫いてみせる!