パトリアークの語る“信仰”の正体。
これに抗うスター・ロードだったが...。
前回はこちらから↓
【あらすじ】
現代より遠い未来、10億年もの月日を経た宇宙。そこに住むありとあらゆる生命は皆等しく死に絶えた。突如として訪れた終末にヒーローもヴィランも抗う術は持っていなかった。そんな死に絶えた世界に立つのは、ジェイソン・スパルタクスを操るパトリアークの手で未来を観るスター・ロード。
父はこの結末を変えるために、現代に生きる超人たちの生命力を欲していた。そして、彼の次の標的は銀河の中でも最も生命に溢れた星、地球だった。父の凶行を止めるべく行動を起こすスター・ロードだったが…。
【信仰】
冒頭からショッキングな光景から始まった今号。カルト集団“ユニバーサル・チャーチ・オブ・トゥルース”のリーダー“パトリアーク”は、息子であるスター・ロードに自分たちが直面した死をテレパシーで見せた。そこではキャプテンアメリカやスパイダーマン、マグニートー、モードックといった超人たちが死に絶え、廃墟となったエグゼビア学園やバクスター・ビルディングが、そしてそこに佇むフードを羽織った謎の存在が映っていた。パトリアークたちはこの謎のフード男が齎した“死”から辛くも脱出。遠い過去へと逃げてきたのだ。未来を変えるために。
凄惨極まる未来を変えるために過去を変える。それは途轍もないリスクを背負う、危険な行動だ。それでもやらなければいけない、これは大儀であり延いては“信仰”なのだと、パトリアークは語る。しかし、そのやり方は横暴で独善的だ。“自分たちの”未来を変えるためだけに、現代に生きる生命を犠牲にしようとするやり方はスター・ロードには許せなかった。
父を洗脳し、仲間たちを襲い、そして今度は故郷である地球にもその魔手を広げようというのだ。息子に協力を求めるパトリアークだが、スター・ロードは反旗を翻す。
カルト集団の巨大船の中を単身、逃げ回るスター・ロード。しかし、彼の前にパトリアークのコントロール下にあるコスモが立ちはだかる。かつての仲間にも果敢に向かっていくスター・ロードだったが、コスモの放つテレキネシスにはなす術もなく一撃でダウンしてしまう。再び捕らわれの身となってしまったスター・ロードだが、そんな彼にパトリアークは辛抱強く“信仰”をするよう勧めていく。それは父親からの慈悲なのだろうが...。
このフェイスレス編ではロケットとパトリアーク、二人の“死”に対する価値観が描かれてきた。2人共に“抗う”ことは似通っているが、その方法は大きく異なる。信仰に抗う術を求め、他は切り捨てるパトリアーク。仲間のために戦い、生き抜くことで抗おうとするロケット。両者は決して相容れない存在だ。ましてやロケットからすれば“家族”であるクイルを人質に取られている状態なのだから尚更だろう。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとユニバーサル・チャーチ・オブ・トゥルース。力をつける2つの勢力の、宇宙の未来を賭けた激突は避けられない。