家族を失い、悲しみに沈むガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。
だが、ここで塞ぎ込んでいてはアウトローは名乗れない。リーダーの帰還を信じて、仕事の再開だ!
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【あらすじ】
惑星ハーフワールド。緑豊かな自然に溢れた星で家族の帰りを待つガモーラたち。ガモーラとドラックス、そしてグルートの3人にはスター・ロードたちの帰りを待つことしかできなかった。
そうして帰ってきたのはムーンドラゴンとハーキュリーズとロケットの3人だけ。スター・ロードの姿はどこにもなかった。激昂に駆られるガモーラ、項垂れるロケット。取り戻した家族の絆は、再び崩壊してしまうのか…。
グルートの視点から描かれる家族の一面。何を言っているのかは、彼らの表情を見れば一目瞭然だろう。
[Foever.If we Wanted]
前号ラストにて悪神と成り果てたオリンポスの神々と共に、宇宙の藻屑と消えたスター・ロード。彼は愛する女と友に必ず帰ると宣言した。だが、現実は決して甘くはないことをスター・ロード自身がよく分かっていただろう。ブラックホールの向こうに消えた者が生還できる可能性は極めて低く、これが今生の別れとなる可能性の方が高い。それでも笑顔で伝えることができたのは、家族が自分の帰りを待ってくれると信じていたからか。「神」や「幻」、全てのしがらみにケリを付けて帰るとスター・ロードは誓ったのだろう。
そして、残された家族は今後どうするべきか、各々で答えを模索することとなった。いや、もう答えは出ているのに一歩踏み出す勇気が持てずにいたのだ。家族に黙って出撃した末に親友を失った責に対して、ただ頭を垂れ罰を受けることしかできないロケット。怒りと悲しみの感情に駆られるガモーラに、事実は事実と受け入れるドラックス。そんな危うい状況にあるガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの中で、グルートだけは自分たちのリーダーの帰還を信じていた。こんなことでくたばるタマではない、と。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは世間に居場所のないアウトローたちで構成されたチーム。故に彼らはアベンジャーズやX-MEN以上にチームの結束を大事にしてきた。少数精鋭ながらも「宇宙の守護者」であってこれたのも、各々のメンバーをリスペクトし、支える意思があってこそだった。ぶつかり合ったことは数知れず、心を通わせたのもまた無限にある。その心の在り方をまとめてきたスター・ロードはいない。自分たちがどうすべきかは、自分たちで決めるしかない。家族の元から再び姿を消したロケットを思えば尚更だろう。
家族の未来を見据えるためには、自分たちの確固たる姿勢が大事。そのためにはバラバラなままではダメなのを彼らはよく知っている。己のあるべき姿を見定め、家族において自分とは何者なのかを考え、何ができるのかを模索する。リーダーを欠いたチームは、導いた答えを実践すべく行動を起こす。
自分は何者なのか、ただの「デストロイヤー」なのかと悩むドラックスに父への「愛」で支えるムーンドラゴン。愛する男がかけてくれた言葉と血塗られた己の半生を思い起こし、彼の意志を継ぐガモーラ。彼らが「家族」であり続けるのは、ただの傷の舐めあいなどではない。
ガーディアンズのリーダーたるスター・ロードとその相棒たるロケットは、家族から姿を消した。ならば残されたガモーラたちにできることはただ一つ。自分たちに黙っていなくなった家族を見つけ出して、首根っこひっつかんでも連れ帰ること。最初の標的はロケットからだ。
ガモーラはロケットの居所を探るために、自分たちのチームを結成したことを全宇宙に発信する。そうすれば「ロケットを忌み嫌う者たち」の存在が、ロケットを探すための手助けになるから。どうやら早速、餌に釣られたカモいやさウサギとビーバーが見つかったようだ。
ロケットのライバル格であるブラックジャック・オヘアとその相棒たるプリンス・オブ・パワーは、彼のアライグマためにビジネスを台無しにされたカスター・グノーバークから依頼を受ける。依頼内容はロケットの暗殺。オヘア自身はガーディアンズと争うことに乗り気ではないようだが…。