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アメコミ:GHOST RIDER:FINAL VENGEANCE(2024)#1

新たなる“復讐の精霊”の宿主の誕生。それは「最後の復讐劇」の幕開けを意味していた!

 

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[あらすじ]

サウスダコタ州、ブラックヒルズ。街頭もない薄暗い山の中を、愛車のバイクで駆ける男の姿があった。ジョニー・ブレイズ。地獄王メフィストの策略により、古代の悪魔である“復讐の精霊”をその身に宿した男はとある噂を聞きつけて遥々ここまでやってきた。精霊への信仰が篤いこの山々を通るトンネルの1つで何人もの人間たちが行方不明になっているというのだ。

ジョニーと“復讐の精霊”はこの地からかの地獄王の気配を感じ取っていた。暗黒に包まれたトンネルの中を臆することなく進むジョニー。しかし、相棒の“復讐の精霊”はジョニーに対して不満を抱いていたことにジョニー当人は気付いていなかった。

“復讐の精霊”ザラソス、彼が真に己の使命を果たすことができる場所はここではないのかもしれない。一度抱いた疑念は「闇」の奥底に潜んでいる罠を絡め取り、地獄の炎は宿主を離れてしってしまう。

トンネルの奥では巨大な蜘蛛が幾重にも糸を張って待ち構えていた。この蜘蛛はメフィストが遣わした使者なのか。地獄王の力で体から“復讐の精霊”を強制排除されたジョニーは、たった独りでこの化け物と対峙することを強いられてしまうが…。

[ZARATHOS]

遂に幕を上げた「ゴーストライダー:ファイナル・ヴェンジェンス」。管理人最推しヒーローの1人であるゴーストライダー、本シリーズはそんな彼がマーベルユニバースに登場してから50周年を記念したアニバーサリーシリーズの続編だ。ライターは引き続きベンジャミン・パーシーが担当することもあり、氏が得意とするおどろおどろしくも、バイオレンスで燃える展開が描かれることを期待されていたことだろう。勿論本シリーズもそんな期待に応えるかの如く、前作にも負けないパワフルな作風となっている。

そんな記念すべき第1号の主役はジョニー・ブレイズではなく、なんと彼に憑依する“復讐の精霊”ザラソス。思えばここまで連綿と続いてきたゴーストライダー誌の中でザラソスの視点から物語を描くストーリーは殆どなかったと思う。少なくとも、かの悪魔が主役として描かれたことは非常に珍しいことだ。「ファイナル」の名に相応しい王道かつ意外性のある出だしだと言えるだろう。そんなザラソスだが長年の相棒だったジョニーの元を離れて「戦うに値する場所」を求め、火の玉となって世界中を飛び回る。正直いきなりの展開で管理人に衝撃が走ったものだが、元々ザラソスはジョニーを意のままに操ってでも己の使命を果たそうとする困った一面を持つ悪魔である。そう考えれば、メフィストの助けがあればジョニー・ブレイズという「器」に拘る必要もないのかもしれない。

タリア・ウォーロードとの別れを機にジョニーは“復讐の精霊”の力を積極的に利用するようになっていたようだが、その行動はザラソスには解釈違いだったようだ(本当面倒くさいなコイツ)。ジョニーも結局、メフィストと変わらない。ただ己の力を利用しているだけにしかザラソスの魔眼には映らなかったのだ。

何者の指図も受けず確固たる己の意志の元に、自由に「力」を振るえる場所を求めて世界中を駆けるザラソス。手当たり次第に様々な生物に憑依するものの、満足がいくものではなかったようだ。「我が関取やポールダンサー、ないな。耕運機やジェット機はヘルマシンとして使うには面白そうだが」

 

善も悪もなく、ただひたすらに生きとし生ける者の怒りと恐怖と不安、そして復讐心を求めるザラソス。その負の感情が強ければ強い程ザラソスにとって最高の狩りの場所となる。古代の悪魔はメフィストのように魂を選別することも、ザドキエルように魂を弄ぶこともしない。それらはザラソスからすれば無意味で無価値なものだから。復讐心は誰もが持つ原初の感情。その感情の起源はヒトによって様々だ。義憤や殺意、はたまた守護のため。ザラソスはそんな者たちの感情を大事にしていた。彼らの魂が抑えきれない程のどす黒い感情に染まった時こそが、ザラソスが「戦うに値する場所」なのだ。

養母に夫を奪われ、今度は娘たちを渡すよう迫られて悲痛な叫びを上げる女。己の意志を奪われ、ただの道具として扱われることを拒んだことで居場所を奪われたアンドロイド。はたまた同族と敵対してでも、心を通わせた者を守ろうとする宇宙生物。ザラソスはあらゆる者たちの復讐心を肯定する。その復讐心が正しいものかどうかは、“復讐の精霊”たるザラソスが決めること。ヒトの思惑など邪魔なだけだ。

 

地球だけでなくアスガルドや電子ネットワーク、果ては宇宙にまで飛び出して使命を果たそうと次の宿主を探して回るザラソス。彼のために多くの者が犠牲となったが、同時に守られた命もある。フロストジャイアントやデンジャー、ブルートといったヴィランにも手を貸すのが如何にも悪魔らしい。しかし、たった1人、孤独に飛び回るザラソスはどこか儚い印象を受ける。喉から手が出る程欲した自由を手に入れた筈なのに、次から次へと「戦うに値する場所」を求めて転々とするのは、心のどこかで虚無感を感じていたからに思える。かつてザラソスはロクサーヌから「貴方にはジョニーが必要」と言われたことがある。ザラソスも当初はそれを否定したものの、やはりザラソスがいるべき「場所」は最初から決まっているのかもしれない。

とはいえ、そうは問屋が卸さない。ザラソスを求める者はまだ世界中にいるからだ。そのうちの1人の感情にザラソスは宿主に値すると結論付けるが…。

“復讐の精霊”の新たな宿主として選ばれたのは、ジョニーとエルサたちに敗れて以降姿を消していたザ・フッドことパーカー・ロビンス。彼が求める復讐のターゲットはいったい誰なのか?そしてジョニーはどうなってしまったのか?

激動の幕開けとなった「ゴーストライダー:ファイナル・ヴェンジェンス」!次号を待て!