[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GHOST RIDER(2006)#13

ゴーストライダーvsハルク!

空前絶後のモンスターバトルを制するのはどっちだ!?

 

 

前回はこちらから↓

 

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【あらすじ】

普段は多くの人々が行き交うニューヨーク。今、その地は2人のモンスターを除き、閑散としていた。イルミナティへの憎悪の炎を滾らせ、復讐を果たさんとするブルース・バナー。復讐の意義を見失いながらも、罪なき人々を護ろうとするジョニー・ブレイズ。ハルクとゴーストライダー、それぞれが抱える制御不可能の怪物に苦しめられた2人の人間たち。ジョニーは“復讐の精霊”に抗おうとする自分自身をブルースにも当てはめていた。自分が“復讐の精霊”に抗うように、ブルースもハルクに抗おうとしているのではないかと考え、説得しようとするジョニー。

しかし、ブルースの答えはジョニーの望むものではなかった。戦いは避けられない。全ては“復讐の精霊”ザラソスの望むシナリオだった…。

ハルクと対峙しながらも、ハルクの内にいるブルースに向けて叫ぶジョニー。お前にも怪物を制御することができる筈だ、と。
しかし、ブルースにとってジョニーの訴えなど聞くに値しないものだ。
お前の方こそ、いい加減“怪物”に素直になったらどうだ?
【復讐の意義】

ゴーストライダーとハルクの戦い。マーベルが誇る2大モンスターの激突の先手を撃ったのはハルクだった。“復讐の精霊”をその身に憑依したジョニーは、過去にも“緑の怪物”ハルクの人格を宿すブルースと対決し、勝利を収めた。ジョニーは過去の戦いにおいてブルースにも、自分と同じ人智を超えた異形を抱えていることを知り、同時にブルースがハルクに苦しめられていることを感じ取っていた。ジョニーからすれば、ブルースの苦悩は他人の様には感じられなかっただろう。

故に説得しようとした。ブルースの身に何が起こったのかは知らないが、きっとこの戦いはブルースが望むものではない筈だとジョニーは信じたのだ。ブルースに宿る怪物が起こした“災害”なのだと信じたかったのだ。それはジョニー自身が内に抱える“復讐の精霊”を制御する術をブルースに見いだそうとしているかのよう。普段より饒舌に喋る姿からも、ジョニーに余裕がないことが見て取れる。だが、ジョニーの苦悩などはブルースにとっては関係のないことだ。俺の邪魔をするな。衝撃波で吹き飛ばし、あしらう様からブルースとハルク“たち”にはジョニーの存在は眼中にないことは明白だった。

ブルースの放った衝撃波から回復したジョニーは、尚もブルースを止めようとする。
ジョニーとは対照的に、ザラソスはブルース“たち”の復讐の正当性を認めているようだが…。

“復讐の精霊”ザラソスは先日までの地獄王ルシファーとの戦いで、宿主であるジョニーが戦いに迷いを抱えていることを感じ取っていた。即ち、ゴーストライダーが戦えば戦う程に罪なき者たちが犠牲になってしまうことに、ジョニーは否定的になってしまったのだ。空港での一件をはじめ、ガソリンスタンドで、森の奥地で、そして人里で。あらゆる地でジョニーと“復讐の精霊”はルシファーの野望を阻止するために戦ってきたが、その度に数え切れない人々が犠牲になってきた。この犠牲となった人々の命の重さを考えれば、ジョニーが復讐のロードを進むことを躊躇うのは無理もない。そのロードを進むのは、見方によっては人の道を外れるに等しい行為だから。

だが、そんな宿主が抱える迷いは“復讐の精霊”にとっては超えて欲しい通過点に過ぎない。“復讐の精霊”が戦うのは、いつだって罪なき人々の血が流れた時だ。流された血の重さは、犠牲となる者たちの命より重い。“復讐の精霊”ザラソスにとって、それこそが復讐の意義。ルシファーを放置すれば、奴の手で流される血は増す一方なのだから、どんなに非情な手段に打って出てでも止めなければならない。ジョニーにそれを分かって欲しいがために、“復讐の精霊”はジョニーにブルースとハルク“たち”と戦わせたのだ。“復讐の精霊”はブルース“たち”が抱える怒りと悲しみを見抜いていた。異星に追いやられながらも掴み取った勝利と幸福、愛する者たちとの穏やかな暮らしを奪われた憎悪。怒りと悲しみの感情が混ざり合い、大きな復讐の意思を生む。

奪われたのなら、奪い返すしかない。それができないのなら、血で贖うまで。そうしなければ妻や国民の悲しみは癒されず、また新たな犠牲が生まれてしまう。ブルース“たち”の復讐心は“復讐の精霊”にとって理想といえるものの1つだったのかもしれない。

だが、内に潜む悪魔の言葉にジョニーは頑なに首を縦に振ろうとはしない。そんな一方的な言い分が通じるものか、俺は間違っちゃいない、と。“復讐の精霊”への反抗をするかのようにハルクへの攻撃の勢いを強めるジョニーだが、その目はブルース“たち”の抱える思いを見ようとはしていなかった。だから、ジョニーはブルースには勝てない。

ビルを薙ぎ倒し、無人の地下鉄を巻き込んでハルクに猛攻を仕掛けるジョニー。
だが、そんなものはハルクには通じない。
「潰してやる、虫けらのようにな!」

 

ゴーストライダーとハルクの激闘が演じられているその頃、イルミナティのメンバーであるミスター・ファンタスティックはハルクを迎え撃つ準備を進めていた。イルミナティの4人の内、既にブラックボルトとアイアンマンは恐ろしい“緑の怪物”に倒された。すぐにでもハルクを無力化する準備を整えなければ、イルミナティの延いては地球の未来は無いとリードは考えていた。しかし、リードとは対照的にドクターストレンジは落ち着いたと様子を崩さない。ストレンジたちはゴーストライダーがハルクを止めるために戦っていたことを知っていた。リードは、ライダーが時間を稼いでいる内に準備を整えるつもりだったようだが、ストレンジは動く様子を見せない。

ストレンジはゴーストライダーが勝利する、と考えていた。ライダーがパワーを全開にして戦えば、ハルクなど敵ではないだろう。ライダーは過去にストレンジを何度も倒したことがあるのだから、ストレンジ自身が“復讐の精霊”の実力を信じるのは当然の帰結だ。“復讐の精霊”はイルミナティの大儀を分かってくれる筈だ、と信じたくもなるだろう。しかし、ゴーストライダーはハルクの一撃で叩き潰されてしまった。コンクリートで敷き詰められた道路を抉り、クレーターの中心には骸骨頭を追おう炎は消え、生気を感じさせない骸と化したライダーの姿が。その様子に驚愕するストレンジとリチャード。だが、驚くのはまだ早い。ジョニーは倒れただろうが、“復讐の精霊”はまだ倒れてはいないからだ。

ライダーを中心に、ニューヨークを包みこむように地獄の炎の巨大な爆発が起きる。
傷を癒し、全回復したジョニーとブルース“たち”が暫し睨み合うが…。

ヘルサイクルのエキゾースト音が鳴り響く一瞬の間。そこらの超人であれば致命傷となる程の一撃を受けたにも関わらず、立ち上がったゴーストライダーとハルクの睨み合いは永遠に続くかに思われたが、その間は一瞬に崩れる。ライダーは踵を返すように、ハルクの元を去って行ったのだ。ハルクもライダーを追うことはなく、見送ってしまうではないか。

この事態にリードは困惑するが、ストレンジは直ぐに気付いた。“復讐の精霊”はイルミナティの大儀は認めていないこと。罪なき人々の血を流すことを躊躇わない者たちを、決して許さないことを、そしてイルミナティを裁くのは他でもないブルースとハルク“たち”でなければならないことを突きつけたのだ。お前たちに逃げる場所は何処にもない、と告げたのだ。

同時に“復讐の精霊”はジョニーにも改めて復讐の意義を伝える。戦うことで護られる命とは、罪なき者たちが流した血と引き換えに得られるものなのだ。どっちにしてもルシファーはどんな手を使ってでも止めなければならない。この戦いを通して、ジョニーは迷いを振り払い、復讐のロードを突き進む決意を固める。もう寄り道はなしだ。ジョニーにも逃げ場所は用意されていないのだから。

ジョニーとザラソスは、ブルースとハルクの復讐の正当性を認めた。
この後、ストレンジたちがどうなるかは「ワールドウォー・ハルク」をチェックだ!