平凡な日常を侵食する戦いの日々。
そんな生活にのめり込むダニーの前にあの男が現れる。
前回はこちらから↓
【あらすじ】
ナイトメアやドクターストレンジとの戦いから数日が過ぎた。彼らの口からゴーストライダーの秘密の一端を聞かされたダニーは、これまで以上にゴーストライダーとしての活動に入れ込むようになっていた。誰もが恐れる“復讐の精霊”の力、ダニー自身もこの力を恐れていたが、同時にこの力が犯罪に塗れたブルックリンには必要であることを誰よりも理解しているから。
家族や恋人とも疎遠になり、孤立するダニー。そんなダニーだが、戦うことを止めることはできない。
ゴーストライダーの力が傷つけるのは罪人のみ。
調子に乗ったガキどもにはお灸(ペナンス・ステア)をすえねば。
【HELL‘S ANGEL】
愛する家族が殺されてから、一体どれだけ戦い続けてきただろうか。”復讐の精霊”ゴーストライダーをその身に宿してからのダニーは毎晩のようにブルックリンを駆け抜け、悪党たちを血祭りに上げてきた。
復讐。犯罪が横行し、弱い人々は虐げられるこの街にはゴーストライダーが必要だ。これまでにも善良な超人や怪物と出会ってきたダニーは、彼らの意志を受け、遠ざけようとしてきたライダーの力を受け入れて街の平和の為に尽くそうとしてきた。弱者の守護者、地獄のような街に現れた天使、住人たちもライダーを恐れながらも彼の存在を受け入れようとしていた。
しかし、ダニーがゴーストライダーとしての活動に入れ込むに連れて、母親や恋人とのすれ違いが以前にも増して深刻なものになってしまっていた。自分こそが恐ろしい悪魔であるゴーストライダーだということは、絶対に人には言えない。言ってしまえば、間違いなく拒絶される。バーバラの死から立ち直れずふさぎ込む母や、ゴーストライダーを危険視するステイシーには特に、だ。当然2人にはダニーが夜な夜なバイクで出かけていることには気付かれていたが、理由を聞いてもダニーははぐらかすばかり。言い訳も下手なためにダニーは次第に孤立していく。
ライダーの力があっても傷心の母を元気づけることはできず、すれ違うばかり。
その事実に薄々気付き初めていたダニーは、より復讐を求めるように。
そしてダニーと共に戦うゴーストライダーだが、彼もまた依然と続く己の存在への疑問を抱えていた。この街には自分が必要だということはライダー自身も理解しているが、自分の正体をナイトメアたちから聞かされたことで、より悩むようになっていたのだ。ザラソス、古代に生きた恐ろしい魔人、“復讐の精霊”の起源。自分はザラソスではない、そう頑なに語る彼だが、ライダー自身も悪魔であることには変わりはない。
街の住人には怯えられ、警察組織からは銃を向けられ、倒しても倒しても次から次へと湧いてくる悪党たちとの終わらない戦いの日々。冷徹、冷酷に振る舞うライダーも少しずつ疲弊していた。
ブルックリンには未だにデスウォッチの影が潜み、彼に与する悪党は多い。今回から登場したスノウブラインドも、そのうちの1人。スノウブラインドは殺しを好む冷血漢だが、表の顔は警察とも繋がりのある一企業の重役。違法ドラッグの取引を妨害したライダーを始末するべく警察を動かしたのだ。
スノウブラインドの差し金で、警察から一斉に撃たれるゴーストライダー。
ブローカーも一緒に蜂の巣にされているが、悪党からすればこんなのはコラテラルダメージだ。
警察の包囲を破り、スノウブラインドの元まで辿り着いたライダーだが、力及ばす撤退を余儀なくされる。デスウォッチたちを始末しないことには、罪なき人々に安寧は訪れない。ボロボロの体を押してでも人々のために戦う、それが復讐の精霊というもの。
翌日の夜、人気のない墓地で再びゴーストライダーに変身しようとするダニー。だが、彼の変身に待ったをかける者がいた…。
ショットガンを構え、バイクから離れるよう警告する男。
彼の名はジョニー・ブレイズ。かつての初代ゴーストライダーだ。