ブラックオーダーとアベンジャーズの戦いが続くニューヨーク。
この地で、また新たな戦いの火種が生まれようとしていた。
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【あらすじ】
プロキシマが放った軍団の被害にあうニューヨーク。この地では侵略者であるエイリアンと、これを迎え撃つアベンジャーズと、そして彼らの戦いから身を守ろうと右往左往に逃げ出す市民たちとで混沌を極めていた。その中で我関せずに歴史書に目を通す学生の姿があったが、彼女は突然現れた霧に包まれて消えてしまい、同時に異常な電磁パルスがニューヨークに発生する。この事態の原因を突き止めるべくスーペリア・スパイダーマンが向かうが…。
【FULMINA】
スーペリア・スパイダーマンことオットー・オクタビアスが様々なヒーローたちとチーム・アップし、事件を解決していく本シリーズ。今回はマイティ・アベンジャーズ誌とクロスオーバーした内容となっており、謎の電波を探知したオットーがエイリアンとの戦闘を放棄、奇妙な事象を調査しようと乗り出す、というもの。
マイティ・アベンジャーズ誌はこちらから↓
…気になった事は有耶無耶にせずに研究しようとするのは実にオットーらしいが、そのためにルークたちとの連携を無視し、独自の行動を取るのは彼の悪い癖だと言える。当然ルークからは苦言を呈されてしまうが、オットーにとっては些細なことだ。
オットーが見つけ出した謎の電波、それは人間が電気そのものとなった姿だった。自らの力をコントロールできずに暴走し、街中を稲妻の如く飛び回るそれをオットーは体を張って止めに入る。研究対象をむざむざ逃すことはない。それにこの物体は自分に助けを求めている、救ってやろうではないか。
自らの体を覆う電気の渦を、装置を使って封じ込めるオットー。この装置はかつてのシニスター・シックスのメンバーだったエレクトロの能力を封じ込めるために開発したもの。同じ電気を操る者ならば、対処法も同じだろうとオットーは踏み、その考えは的中していたというわけだ。
かくして意識を取り戻した件の電気人間、シルビアの能力を見極めたいオットーは彼女の能力を利用し、エイリアンたちとの戦いに協力するよう迫る。だが、シルビアは当然、首を縦には振らない。自分は歴史学が好きなただの学生であり、戦って死ぬのは御免だと言う。彼女は逃げ惑う人々を尻目に歴史書を読みふけっていた人物、そんな彼女が運命の悪戯か、テリジェン・ミストを浴びてインヒューマンとなってしまったのだ。しかし、そんなことはオットーは知るよしもないし、関係のないこと。
オットーにとって大事なのは得た力に責任を果たすこと、そしてその力を世界に還元すし、よりよい世界を目指すこと。そしてオットーが語った彼自身の信条は、強情なシルビアを動かす。
自らを再び電気の波に変化させ、市街地へと向かう。そしてブロードウェイに光を灯す。街を激しく照らすその光は混沌と化したニューヨークを見つめ、戦いに明け暮れる世界に絶望する。シルビアは歴史書、特に中世時代のものを好んでいた。自分が得た力があれば電気とそれに依存する科学は全て無に帰すだろう。
オットーの訴えが、新たな問題をニューヨークに持ち込んでしまった…。