[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GHOST RIDER(1990)#8

愛する者の死と憎き犯人への憎悪。

悪夢に囚われるダニーは自身の復讐の意義を見出せるか…。

 

 

 

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【あらすじ】

姉の死、この悲痛な現実にダニーは打ちのめされながらもゴーストライダーの使命に向き合うとしていた。しかし、深層心理が現れる夢の中ではそうではなかった。何故自分がゴーストライダーに変身できるのか、何故姉が死ななければならなかったのか。尽きない疑問とブラックアウトたちへの憎悪を滾らせるダニーは答えが見出せない“復讐”という名の悪夢に憑り付かれていく…。

どうして自分なのか。
ライダーに問い掛けるダニーだが…。
【悪夢】

初登場からずっと望むと望まざるとに拘わらず、ダニー・ケッチは復讐の為に戦い続けてきた。虐げられる弱者の怒りを代行する為に、暴虐の限りを尽くす悪に裁きを下す為に、ゴーストライダーに変身したダニーは毎晩のようにヘルサイクルを駆って街を駆け抜けてきた。そんなダニーだったが、前回のラストは自分の怒りの為に戦った。それは今シリーズでの大きな転換だったと思う。

他者への怒りと殺意の元に敵を倒す。それはダニーが憎むブラックアウトやデスウォッチヴィランたちが行う殺人と同じものだとダニーは感じていた。ゴーストライダーはヒーローではあるが、敵対する者には一切容赦しない。場合によっては殺人も辞さない復讐の精霊を宿すダニーは自身とライダーに激しい嫌悪感を抱いてしまったのだ。何故自分に宿ったのか、と問い詰め、突き放す姿は元来の弱気な彼らしい。しかし、どんなにゴーストライダーを拒絶しても彼の力を求める自分がいることをダニーは理解していた。犯罪が謳歌する街には復讐が必要、ダニーは復讐の精霊から逃げられない。寝ても悪夢、覚めても悪夢とは辛すぎる…。

姉はブラックアウトに殺された。
悪夢の中で真実を悟ったダニーは、益々ライダーの力にのめり込んでいく。

だが、自身に対して疑問を抱いているのはダニーだけではない。ゴーストライダーも尽きない疑問を抱えている。目覚める以前の記憶を持たない彼は内なる衝動、復讐心のままに力を奮ってきた。復讐とはかくあるべき、私からは逃れられないとダニーに語るライダーだが彼もまた、がむしゃらに戦う現状に恐れと不安を抱いていた。悪夢を見ていたのはダニーだけではなかったのだ。

しかし、彼が不安や恐れを感じていることはこの街では許されない。彼がダニーに詰め寄る間にも善良な者が血を流している。ブラックアウトの手でダニーに近しい者たちが次々と殺されていたのだ。

母や恋人にも未だに打ち明けられない秘密を抱えるダニーとゴーストライダー。先が見えなくても、彼らは戦うしかない。

暗闇に潜む怪人が放つ言葉に一瞬だけたじろぐライダー。
その気の緩みは命取りになる。

深夜の街に響く悲鳴、弱者を引き裂くことに愉悦を感じる悪党、暗闇に潜む謎に包まれた異形の怪人、そしてゴーストライダーを付け狙う女たち。ダニーとゴーストライダーの新たな戦いが始まる…。