[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GHOST RIDER:DANNY KETCH(2008)#2

「神」からの贈り物を扱う資格、“復讐の精霊”の力を御するに足る資格。

果たしてダニーにそれはあるのだろうか…。

 

 

前回はこちらから↓

 

lagia.hatenablog.com

[あらすじ]

かつて超常の力を身に着けた男がいた。男は喧騒の中倒れた姉を救うべく“復讐の精霊”をその身に宿し、頭を垂れる母を救うために闇に包まれた街を駆け抜けた。

しかし、酒に溺れ、涙を流す今現在のかの男には以前の面影は微塵もない。男は一度は捨てた「力」を求め、半ば自暴自棄と化していた。そんな男に近づき、男が求めた「力」を授けた一羽のカラス。レイヴンを名乗るこのカラスは、ダニーにとって敵か味方か。今一度復讐のロードを駆け抜けんとするダニーは、己が様々な思惑に取り囲まれていることに気付いていなかった…。

求めていたライダーの力を再び手にしたダニーは歓喜のままに悪党たちを襲った。しかし、その変身は一時のものに過ぎなかった。レイヴンに助けを求めるダニーだが、彼はダニーに興味を無くしたのか飛び立っていく。絶望に沈むダニーが残されるが、そこに駆け付けるのは…。

[I want an Explanation]

2代目ゴーストライダー、ダニー・ケッチ。犯罪が謳歌するブルックリンにて優しい母と勝気な姉や恋人に囲まれて育った弱気な青年。そんな彼がゴーストライダーへと変身し、大切な者たちを悪党の手から守るために戦ってきた。復讐のための戦いこそが、彼女らを救うことに繋がるのだと信じてきたダニー。だが、現実は非情なもの。姉はブラックアウトの手で殺され、母はヴィランとの戦いに巻き込まれ病死。そして恋人ともライダーの正体が自身であることを黙っていたことを機に疎遠となってしまった。彼女たちを守るための戦いが、結果的に傷つけるだけとなっていた。この事実は性根は臆病なダニーに暗い影を落としてしまったことは想像に難くない。だから彼は「力」を捨てた。二度と同じ過ちを繰り返さないために。

しかし、その果てにいくら強気に振る舞おうとも、酒を呷ろうとも、悪漢相手に拳を無双しようとも全ては虚勢に過ぎない。それはダニー自身がよく分かっていた筈だ。分かっていながらも自分を止めることが出来ない。忌むべき「力」を捨てても、それを求めてしまう自分がいることをダニーは嫌悪する。相反する感情を処理しきれないダニーは、マリーに涙を流しながら「力」を返してくれと懇願するし、助けてくれた彼女に向かって余計な真似をするなと怒りを露わにしてしまう。そんな彼にマリーができることはない…。

ダニーにお礼参りをしようとするチンピラたちを「科学的」な呪術で一蹴するマリー。ダニーに好意を持つ彼女だが、その想いを知ってか知らずか彼を追い詰めてしまっていた。

取り戻した筈の地獄の炎は、闇に潜んでいたダニーの歪んだ感情を妖しく照らす。もうこうなってはダニーはひたすらに「力」を求めてしまう。あの歓喜をもう一度味わいたい、再びゴーストライダーへと姿を変えて悪党どもに裁きを与えたい。そんな邪念があるためにダニーのヘルファイアは「赤」から「黒」へと変わってしまったのだろう。復讐の意義を見失った者に待つのは破滅のみ。その掟はライダーにも例外ではない。

だからこそショバ・ミルザは再びダニーの前に姿を現して警告する。そんな覚悟で復讐のロードを走れば取り返しのつかないことになる、と。

バーで出会った女はダニーに何かを求め、同時に遠ざけようとしていた。自らの過ちに気付いて欲しいと願うミルザの眼光は鋭く、地獄の炎で照らされていた。だが、「力」を持つ彼女の存在はダニーの「渇き」を強くしてしまう。

 

そんなダニーに再びレイヴンが接触する。一度はダニーを見放した彼だったが、ダニーの望みを確認したことでもう一度見極めることにしたのだ。自らの真の名である「ミスター・イレブン」を明かしたカラスは、迷える子羊を導くためにダニーを連れ出す。ミスター・イレブンはかつてのルシファーの盟友、そしてジョニー・ブレイズとの出会いをきっかけに“復讐の精霊”の真価を見定めようとする堕天使。かの天使はダニーに真実を見せるべく、ある場所へと案内するという。

そんな事情を知らされず、雨が降りしきる夜のブルックリンを愛車と共に駆けるダニー。やがてダニーたちは裏路地に1人で足を踏み入れるショバ・ミルザを発見。後を追うと彼女は無数の化け物たちを相手に、たった1人で戦いを挑むではないか。多勢に無勢、すぐさまに助けるためにライダーの「力」を求めるダニーをレイブンは諫める。ダニーに見せたかった真実。それは“復讐の精霊”の力を御する資格を持つのは、ダニーだけではないという事実だった。

化け物たちに取り囲まれるミルザだが、眩い閃光に包まれた一瞬のうちに巨大な象に跨る異形の戦士へと姿を変えて猛攻を浴びせる。彼女もまた“復讐の精霊”の呪いを受けた者の1人だったのだ…。