[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GHOST RIDER(2006)#31

刻一刻と迫る天使たちとの全面戦争の時。

巨大な力の襲来の前にサラ、そしてジョニーはどうする?

 

 

前回はこちらから↓

 

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【あらすじ】

“復讐の精霊”ゴーストライダー、罪なき人々を虐げる者たちに罰を与える悪魔。彼が纏う地獄の炎は罪人の体を焼き、そして彼の魔眼は悪しき魂を焼き尽くし、無限の苦痛を与える。それが“復讐の精霊”の呪いを受けた者の定めなのだ。

だが、人間すぐに更生ができるような物分かりのいい者ばかりではない。ライダーの恐ろしさをその身で味わいながらも、逆襲を企てる者もいる。己の矮小な野心のために片手と地位を失い、酒を呷る毎日を送るコワルスキー元警部もまたその1人だ。そんな男に天使は復讐のためのチャンスを与える。

そして、対する“復讐の精霊”たちもまた、自分たちに課せられた使命を果たすために共同作戦を展開する。世界中から集まったゴーストライダーの生き残りたち、その中にジョニー・ブレイズの姿もあった…。

アフリカ大陸はコンゴ、緑豊かなジャングルの奥にある“復讐の精霊”が治める都市。ようこそ同胞たちよ。ザドキエルの野望を挫く我々の「最後の砦」がこのスカル・シティだ!

Sign of Vengeance】

“復讐の精霊”の呪いをその身で受けた者たち。ジョニーとダニー、マイケル以外にもゴーストライダーは世界中のあちこちで存在していた。今号にて登場した王族のライダーたち、バロン・スカルファイアとマリネッティ・ブーワチェチもまたモレックたちと同様にジョニーのような同胞を探し求めていた。天使の邪な野望を阻止するべく、一丸となって立ち向かうために。ザドキエルとダニー・ケッチのために地上にいる“復讐の精霊”たちは残り僅かとなっていたが、各々の復讐を果たすために辛抱強く捜索を続けてきた。そして遂にケアテイカーの名前と記録を受け継いだサラと、ジョニー・ブレイズを見つけることに成功した。来る天使たちとの決戦を勝利するには2人の協力が必要不可欠。

しかし、本当にこの戦力で勝てるのか。ケアテイカーたるサラは不安を隠せなかった。相手は“復讐の精霊”の中でも強力な力を持つダニーを擁しているだけでなく、ブラックホストの力も未知数なのだ。それに加えて肝心のジョニーの心は戦いから遠ざかりたい一心のまま。広大なアフリカ大陸を照らす夕日を前に黄昏るサラにモレックが眠るよう促すが、ここで彼女の不安が爆発してしまう。祖父からゴーストライダーたちの戦いの記録を受け継ぎ、戦うためのスキルを持っているとはいえ、つい数日前までは普通の修道女見習いだったのだ。ケアテイカーとしてジョニーに何をしてやれるのかが分からないと嘆くサラだが、モレックは「ただ傍でいるだけでいい」と優しく諭すように言う。

“復讐の精霊”の力は人間の範疇を越えた悪魔の力。この力を得た者は自ずと外界から距離を置き、孤独な人生を歩む者が多かった。大切な者を奪われた怒りと悲しみの感情から来る復讐心、または彼らを救うために抱いた復讐心、悪政を働く為政者や侵略者に裁きを下すために抱いた復讐心。みんな形は違えど、それぞれの復讐を果たすために悪魔に魂を売り渡し、そうして胸に抱えた悪意と共に暗闇の世界を生きる末路を辿った。それはとても不幸なことだ。

だが、そんな彼らの思いを決して無かったことにはしない。故に“復讐の精霊”の戦い様を記録した。彼らの慟哭と怒りと共に。それができるのはケアテイカーだけなのだ。

サラにできることは、モレックをはじめとしたゴーストライダーたちの意志を繋ぎ止めること。あるがままに記憶することが、ライダーたちへの「手向け」となるのだから。

モレックの出来た人格者ぷりに当時の管理人は驚いたものだが(ジョニーやダニーたちはこんなナイスシルバーにはなれないだろうし)、同時にライダーたちの抱える「闇」の深さを儚く思わずにはいられない。モレックやバイ・グ・ジン、バロン・スカルファイアたちにもジョニーと同じく、やむにやまれぬ事情から悪魔憑きとなった者たち。彼らの生きるロードは常に暗闇に満ちているが、進む先を孤独な地獄の炎で照らすのか、それとも人の想いで照らすのか。モレックたちがサラに託した願いは、サラの不安を払拭させる。そして、ジョニーもまた戦地へと向かう「同胞」たちを前に戦う覚悟を固める。

年端もいかぬ子供たちも、天使たちとの戦いに身を投じる。これを見て自分1人だけくさっているようでは、あの世の息子と娘に顔向けできる筈もない。

 

管理人は物語で描かれる決戦において重要なのは、そこに至るまでに描かれる過程だと思う。ジョニーとサラが出会った“復讐の精霊”たちが抱える「闇」と思いの強さは素晴らしいものだ。そしてジョニーたちと対峙する天使もまた、彼らだけの復讐心を果たすために手段を選ばずに犯行分子を消そうと躍起になる様もまた素敵だ。“復讐の精霊”への復讐心から正気を失っていくコワルスキーに接触したのも、計画を成就するために必要な鍵となる。そして、彼が抱いた「闇」は己の往くロードもまた暗闇で染めていくことになるが、それはまた別のお話。

マイケル・バディリーノの所在を掴んでいたザドキエルはコワルスキーに情報をリークし、ヘルファイアを放つショットガンを奪わせた。そして、「約束の地」で時を待つように啓示を与える。何もない広大な地で1人獲物が来るのを待つコワルスキーだが…。

 

さあ、舞台は整った!告死天使を従えてスカル・シティに向けて進軍するダニー・ケッチ。そんな天使たちを迎え討つために集うジョニー・ブレイズたち。悪魔と天使に運命を弄ばれた兄弟たちの死闘の第2ラウンドの幕が上がる!

次号「ラストスタンド」編、完結。勝つのはどっちだ!