[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

アメコミ:BLADE(2023)#2

原初の化け物を討つべく行動を起こすブレイド

最強のヴァンパイアハンターの前に立ちはだかるのは日本のヤクザだった!?

 

 

前回はこちらから↓

 

lagia.hatenablog.com

【あらすじ】

日本、都心部の外れの港で1人の女が銃を向けられていた。草木も眠る丑三つ時、星々が彩る夜空に照らされる彼女のこめかみに突き付けられた銃口。引き金を一度でも引けば、女は次の瞬間には物言わぬ屍となるのみ。だが女は気丈な姿勢を崩さずに、殺れるものなら殺ってみろ、と言い放つ。

死を覚悟した女、チュリップだが耳に劈く銃声はいっこうに自身の頭を吹き飛ばさおうとはしない。怪訝に思い、固く閉じた目を開けた彼女の目に飛び込んだのはブレイドの名で呼ばれる男の姿だった。

命の危機に瀕していた女を救ったブレイド。冷酷なハンターが見ず知らずの女を助けた、と言えばウソになる。ブレイドがチュリップを救ったのは、この女が「アダナ」の秘密を知る女だと考えてのことだった。「知っていることを洗いざらい話してもらう」

【MY DREAM】

アベンジャーズの任務から離れ、再び孤高の一匹狼として行動を始めたブレイド。そんな彼が出くわしたのは古代から生きる怪物、アダナ。ヒトの血を喰らい、虫けらの如くヒトの命を奪う女と対峙したブレイドは、これを見過ごせる筈もなく刀を向けるものの力及ばず倒されてしまった。そうして、件の怪物を崇拝する一団に囚われて拷問を受けたブレイドだったが、彼に協力を申し出たローサの手で救出され、今ではアダナに対する復讐戦に燃えていた。あの女を生かしておけば、多くの犠牲者が出ることは確実だ。それだけは何としてでも阻止しなければならない。握る刀と、名乗る「名」にかけてアダナの息の根を止める。

己の信念をかけ、目的を果たすためにカンボジアから遠く離れた日本に再び訪れたブレイド。狩りの獲物を逃がしてはハンターの名折れ。巧みに影に染みついた「血」の痕跡を消そうが、必ず見つけ出す。その足掛かりとなるのが、先述のチュリップだ。

チュリップは過去にブレイドが日本で世話になった一族の末代。ブレイドの人となりを知っている彼女は故郷を離れ、一族の習わしに反して危ない稼業に手を染めていた。チュリップはローサとは浅からぬ縁があるようだが、ブレイドにとってはそれはどうでもいいことだろう。チュリップが男を惑わす「稼業」に手を染めているならば、相手の土俵に上がり、その上で必要な情報を聞き出すまでだ。彼女の隠れ家に招かれたブレイドは彼女と「一戦」交える覚悟を見せる。ブレイドには最愛の娘がいることまで知っていながら誘うチュリップも肝が据わっているが、それに乗るブレイドも流石と言える。

だが、ブレイドの決断は些か早計だったのかもしれない。ブレイドが助けに入らなければチュリップは何者かに殺されていたのだ。ブレイドがチュリップに殺される理由を聞いても適当にはぐらかされるだけ。ならばベッドの上で聞き出すまで、と時代錯誤なプレイボーイ気質を見せたのがよくなかった。チュリップを狙う「組織」は彼女の隠れ家に武装したヘリを差し向けてきたのだから。

「一戦」を終えたチュリップは、ブレイドにアダナに対抗するための秘策を持っているのはローサだと教える。ブレイドは彼女の言葉に半信半疑の様子だが、チュリップの持つ秘策も捨てたものではないようだ。彼女の命を狙う「奴ら」は手段を選ばずに、その策を消そうとしているようだから。

襲撃者が乗った武装ヘリはブレイドの手によって乗組員を殺害され、その機能を失った(この一連のシーンはスタイリッシュなんだけど変な笑いが出そうになるシュールな絵面だったと思う)。だが、彼らの攻勢はヘリだけでは止まらない。武装化した部隊を隠れ家に送り込み、ブレイドをマシンガンでハチの巣にし、チュリップを攫ってしまうではないか。夜の繁華街というある意味では日中よりも人の目がつく舞台で行われた大胆は犯行。これが日本で実行できるのはそう多くない。チュリップを狙う「奴ら」はニンジャ、あるいはヤクザのそれだとブレイドは直感する。

銃で穴だらけにされようが、ヴァンパイアの血が流れるブレイドはそう簡単には死なない。チュリップが連れ込まれたスポーツカーの前に躍り出るブレイドだが、流石に丸腰で行動に出たのは無謀だった。?「ザッケンナコラー!スッゾコラー!」

 

アメコミ、延いてはアメリカで作られる作品で登場する日本と言えば妙なリアリティと頓智気な解釈で彩られた「アメリカンな日本」が管理人の脳裏に真っ先に思い浮かぶ。当然マーベルユニバースで登場する日本もその例に漏れず、新幹線の線路のすぐ横には豪勢な城が聳え立っていたり、見るからに悪そうな役人のボディガードとしてセキトリ(関取に非ず)が護衛している素敵な世界感で成り立っている。アジアを中心に裏社会で幅を利かせる悪のニンジャ軍団「ザ・ハンド」が政界を操っていたり、キングピンことウィルソン・フィスクが相撲の修行をするために訪れる位にはぶっ飛んだ国、それがジャパンなのだ。NRS待った無しの世界観である。スシを食わねば。

だが、当のブレイドに呑気にスシを食っている猶予などありはしない。アダナを打倒する手段を掴めるかと思えば、その情報源が何処の馬の骨とも知れない連中に奪われてしまったのだから。放っておけばチュリップは確実に殺される。ならば取るべき手段はただ1つ。信用するに値しないと判断し、拘束したローサを開放して共にチュリップを救うだけだ。

当のローサはブレイドの色んな意味で物怖じしない態度と、チュリップを救出することに不服なようだったが。とは言え2人が言い争っていても事態はが好転することは決してない。ブレイドが淹れる茶で気を落ち着けるといい、自分を拘束した男が淹れる茶で心を許す筈もないか。

ブレイドの説得に根負けしたのかチュリップの救出に協力するローサは、彼女を捕らえた組織のアジトを突き止める。組織は呪術師を主魁とした一団。ブレイドの直感は正しかったようだ(ジツを行使するニンジャが従うヤクザ、てこれまんまニンジャスレイヤーじゃ…)。ローサが起こした混乱に乗じて、主魁の首を狙うブレイドだったが…。