[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:PUNISHER(2022)#9

パニッシャーvsアレス、第2ラウンドの開幕!

弾丸は神をも穿つ!?

 

 

前回はこちらから↓

 

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【あらすじ】

ザ・ハンドの本拠地にまで迫ったアポストル・オブ・ウォー。戦争の使者である彼らのリーダーであるアレスは、自らの信徒のあるべき姿を取り戻すべく実力行使に打って出たのだ。ザ・ハンドの呪術で蘇ったマリアを抹殺すればフランクを惑わす存在はいなくなる。そうアレスは考えていた。

しかし、そんな神の横暴を当の信徒が許さない。家族を守るのは夫の役目。もう二度と負けはしない。ニンジャたちを率い、パニッシャーが往く。

アポストル・オブ・ウォーの猛攻に押されるフランク。だが、こんなもの決して屈しない。
“ビースト”の力を完全に引き出したパニッシャーを止められるものか。
Beast

新たなザ・ハンドの王としての在り方を示し、ニンジャたちの士気を高めたフランク。彼はニンジャたちに自らを“パニッシャー”と呼ばせた。とうに捨てた筈の名を名乗り、置いてきた筈の銃を手に取るフランク。今シリーズではフランク・キャッスルの変容をこれでもかと描いてきたが、ここにきて漸く本来の姿に戻ってきたと言える。

そもそもジェイソン・アーロンが描いてきたパニッシャー誌は(物語上は)、“パニッシャー”というフランク以外の誰かが思い描く「殺人嗜好者」のイメージを覆すために始まった。敵対していたザ・ハンドの王として祭り上げられ、己のアイデンティティを守るために一度は手をかけた妻を愛する。胸に掲げていたシンボルマークも変え、振るう武器も変えたフランクの姿はアレスをはじめとした「これまでのパニッシャー」を知る者たちには許容できるものではなかった。パニッシャーは誰かの操り人形として振る舞うものではない、急に追加された過去話なんて認められない。戦いの神であるアレスもまた、己の理想の“パニッシャー”を取り返そうとした。

だが、当のフランクはアレスと「ビースト」、異なる神に見初められ苦心しながらも己の在り方を見出すことができた。誰かが押し付けるパニッシャー像は、もういらない。

パニッシャーはフランク自身の人間性を指した言葉なのだから。そんなフランクにニンジャたちも「ビースト」も付き従う。彼こそが自分たちの王。義憤と殺意を併せ持つ最強の私刑執行人なのだ。

今のフランクには怪力キャラクターお馴染みの戦車アタックも通用しない。
目覚めた力が体を駆け巡る。揺るぎない力が意思を貫き通すのだ。

覚醒したパニッシャーの逆襲を受け、前回とは逆に押されていくアレス。オリンポスの神である彼を以てしても「ビースト」の力を引き出したフランクには敵わない。「かつて」のパニッシャーのシンボルマークを掲げた男が、「今」のパニッシャーのシンボルマークを掲げる男に打ち倒されていく。放たれた銃弾で胸に風穴が空き、両の拳を握り潰されてしまうアレスの姿に目を覆いたくなる。しかし、アレスは戦いの中でフランクが自分の元を完全に離れてしまったことを自覚しつつも、戦うことを止めなかった。戦いの神たる自分が退くことなど有り得ない、最期の時まで戦場で戦うことこそ戦士の生き様。それに自分にとって最高の芸術品と称した男が、自分を超えようとしているのだ。全力でぶつかることが神の、そして男の礼儀だ。

自分の息子と同じ位に誇らしい最強の戦士。そんな彼が己の在り方を見つめて答えを出した。ならばもう何も言うことはない。そのまま迷わず戦い続けろ。

「見事だ」笑って逝くアレス。
フランクとの戦いは冥界の王ハデスへの最高の土産話となるだろう。

アレスはパニッシャーの放った銃弾により遂に倒れた。フランクは神に勝ったのだ。

リーダー格であるアレスを失ったアポストル・オブ・ウォーも敗北を受け入れ、全員「ビースト」の炎に焼かれていった。こうしてザ・ハンドとアポストル・オブ・ウォーの戦いも終戦を迎えたのだった。

ニンジャたちを引き連れて帰還するパニッシャー。そんな王を出迎えるのはザ・ハンドの司祭。彼女は戦闘には参加せず「ビースト」と王の勝利を祈り続けていた。後方で支援し、王が「これまで通り」ザ・ハンドの王として振る舞うよう操る。それが司祭の役目なのだ。しかし、そんな彼女の言うことに従う者は誰もいない。フランクも、ニンジャたちも、そしてマリアもだ。司祭に刀を向けて制止するニンジャたちに驚愕する司祭だが、そこにはザ・ハンドの衣装を身に纏うマリアの姿があった。

ザ・ハンドは変わる、新たな王と妻に率いられることで。これが「ビースト」が真に描いたシナリオなのか…。

司祭もこの展開には驚きを隠せないが管理人もビックリ。
軽く見ていた存在に足元を掬われる気分はどうだい?

 

己の在り方を見つめなおし、真にあるべき姿を見出したフランク。だが、彼の往く道を阻むのは神だけではない。もっと厄介な存在が再びパニッシャーの前に現れる。今までと同じように。そして変貌した妻の真意と隠された意思も顔を出すことになる。

デアデビルからの報告を受けて招集されたヒーローたち。
パニッシャーの次の相手は、アベンジャーズだ。