[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GHOST RIDER(2006)#25

ゴーストライダーvsディーコン!

神に背を向けた者と神を盲信する者とで繰り広げるデスマッチの開幕だ!

 

 

前回はこちらから↓

 

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【あらすじ】

強盗に殺人と、ありとあらゆる犯行を重ねた凶悪犯が収容されたとある刑務所。そんな地に「神の神託」が下りた。静寂に包まれていた刑務所はザドキエルを主と崇める看守の手で一斉に解放された悪党たちによって、一晩のうちに地獄絵図と化した。

神を名乗る傲慢な天使により、人間が元来から持つ悪辣さと狂暴性が露わになったその地に“復讐の精霊”を身に宿すジョニー・ブレイズの姿もあった。ジョニーがこの地に足を運んだのはザドキエルへの復讐のため。この薄汚い地なら奴への手掛かりになる筈だと信じて。そんなジョニーの前に立ちはだかるのは“神”の僕だった…。

狂信者ディーコンは看守からライダーとも渡り合える力を授ける薬と宝剣を授かる。
これで主に逆らう哀れな子羊を狩ることができる。大男には満面の笑みが浮かんでいた。
【Holy order】

静寂に包まれていた刑務所は一夜の内に悪党が闊歩する地獄絵図と化した。収容されていた犯罪者たちはあらゆる悪事に手を染めてきた凶悪な殺人犯ばかり。そんな連中を解放させるとは、ザドキエルの正気を疑うばかりだ。いや、どんなに崇高な使命を抱いていようがなかろうが“復讐の精霊”を利用しようとする時点で既にイカレていると言えるだろう。悪魔ならいざ知らず神に仕える天使がそれをやったのだから、世も末である。

そんな地に件の“復讐の精霊”を憑依させたジョニーはやってきた。目的はただ1つ。自分の人生を台無しにしただけでは飽き足らず、何人もの「罪なき人々」の命を奪った憎き天使への復讐だ。罪人たちから漂う強烈な「罪」の匂いを感じ取ったからか、彼らの魂を焼こうと悪魔は逸るがジョニーは彼を何とか諫めてターゲットを探していく。そうしてジョニーは遂にザドキエルの「神託」を受けた“元”神父に遭遇する。

神父は初めて会う筈のジョニーが何者であるかも彼の復讐心も全て分かっていた。彼は彼が膝を突く天使から全ての情報を聞いていたから。その上で、神父は復讐の虚しさと神に仕える素晴らしさを説く。人智の及ばぬ超常の存在であり至高の存在である神の言うことは全て真理を突いている、彼の齎す知恵と命令は絶対なものだと力説する神父。だが、彼の言うことはジョニーからすれば全て噓っぱちもいい所でしかない。神は決して人間に「神託」なんて与えやしない。自分が正しいと「思いこんでいる」奴のエゴのために死んでいった者たちの無念を無駄なものだと切り捨てる奴も、それを崇拝させる信仰もいらない。ジョニーの目には神父の欺瞞が“視”えていた。お前もそこらの悪党と変わらない、ただの人殺しだ。

自信の罪を指摘したジョニーに狼狽したのか、神父は矢継ぎ早にジョニーの無謀さを罵る。
心を乱した神父サマなど神の下僕にもなり得ないと、聖書には書かれていなかったようだ。

神父の背後に忍び寄り、神父の首を刎ねるディーコン。真の「神託」を受けていた彼には自分がこの地でなすべきことがハッキリと見えていた。ヒトの本性が露わになった地獄でザドキエルの計画の障害となり得る存在を全て排除すること。それこそがディーコンと呼ばれる狂信者が己に課した使命であり、彼が敵と見なすものは僅かでもザドキエルへの不信を抱いた者なのだ。ディーコンからすれば元神父も彼の取り巻きも、そしてゴーストライダーも敬愛する主の敵でしかないのだ。悪党たちを聖剣でバッサバッサと切り裂くディーコンの姿を見て、ジョニーも彼こそが自分が求めた手掛かりなのだと察する。抑えていた“復讐の精霊”を開放し、ディーコンに相対するが…。

神の加護を受けたディーコンの力はライダーのそれを遥かに上回っていた。
一瞬の隙を突いて“贖罪の眼”を浴びせるが無効化されてしまう…。

前々回にてジョニーが倒してきた殺人ナースもまたディーコンと同じく彼の神の加護を受けていたが、この殺人鬼の戦闘力はナースたちよりも遥かに上回っていた。ライダーが放つ地獄の鎖による拘束も力尽くで破り、ヘルファイア・ブレスも聖剣で凌ぎ、極め付きにペナンス・ステアをも無効化してライダーにダメージを与えてしまう程だ。

人間の範疇を超えた規格外の戦闘力を見せつけるディーコンにさしものライダーも打つ手がなくなってしまう。この狂信者には自身の肉体と精神へのダメージなどまるで眼中にないのだ。神への誓いが強まれば強まる程に、神から与えられる加護も強化される。最早ジョニーと“復讐の精霊”には苦し紛れの防御の手段しか残されていない、と思われたが?

刑務所内の礼拝堂まで蹴り飛ばされたジョニーは追撃を防ぐために“聖書”を盾にする。
神の使徒には聖書を傷付けることはできず、ディーコンは剣を収めてしまう。
バカが、こちとら悪魔憑きよ。大好きな聖書で滅多打ちにしてやるよォ!

ジョニーが苦し紛れに取った手段は結果的に功を奏した。狂信者であり神の使徒であるディーコンには、彼が敬愛する主の教えが書かれた聖典を傷付けることなど決して出来ない(暴れ狂うオタクの前にそのオタクがバイブルと称する薄い本を盾にするもんだ)。それは武器ではない、と叫ぶディーコンだがザドキエルへの復讐心を滾らせるジョニーには関係のないことだ。怒りに突き動かされるままに武器ではないと言われた聖書でぶん殴る。何度も何度も。ケツを拭く紙にもならないゴミの山が原型を保てなくなるまで狂信者の顔面を殴りつける。

ザドキエルは何処だ!奴の居所を吐きやがれ!!」怒り狂う悪魔憑きの猛攻の前に狂信者は沈黙を以て答える。主が下々の者に聖地を明かすことなどない、と。

 

結局、この戦いでもジョニーがザドキエルの居所を突き止めることは叶わなかった。失神したディーコンを見下ろすライダーの眼窩には尽きることのない怒りと焦燥の炎が渦巻く。この苛立ちを抑えるには、この刑務所でのさばる罪人共の魂を貪るしかない。天使への復讐心を紛らわすには足りないくらいだが、やらないよりはマシだ。

かくしてジョニーと“復讐の精霊”は生者が誰もいなくなった刑務所を後にする。次に向かう地こそ彼の天使の居所を掴むヒントになると信じて。

刑務所に隣接した墓地から飛び出し、荒野に向けて駆けるゴーストライダー
彼が求めるヒントはすぐに掴める。だが、それにはジョニーも思いもしなかった代償を支払う必要がある…。