[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

アメコミ:PUNISHER:RED X-MAS(2004)#1

ニューヨークよ、メリークリスマス!

今度のクリスマスは私刑執行人とイタリアンマフィアのデスマッチだ!

 

【あらすじ】

人々の往来の影で犯罪が横行する街、ニューヨーク。そんなニューヨークに今年も変わらずクリスマスのシーズンが到来。雪がしんしんと降り、夜の闇に包まれる街並みをネオンが優しく照らす。

しかし、“パニッシャー”と呼ばれるこの男にはそんなイベントは関係のないもの、いやさ寧ろこういうイベントだからこそ犯罪を起こす者たちが現れるのだから絶好の「狩り時」か。サンタクロースに扮したフランクが悪党にプレゼントするのは鉛玉だけだが。取り敢えず、募金にも応じないわサンタも信じない連中はぶっ殺しておく。

ニューヨークに出没するようになっていた不審な輩を纏めて撃ち殺すサンタパニッシャー
度が過ぎるいたずらっ子にはお仕置きしなきゃいけないんだ。お前は真似するなよ坊主。
【RED X-Mas】

さて、今年もやってきたクリスマス。これを読んでる方はいかがお過ごしだろうか。管理人は今日も今日とて日中は爆睡し、夜は飯食って寝る自堕落な日を過ごしていたよ(日曜日はそういう日だろう?)。まあ管理人のつまらない話は横に置いて、今回紹介するのはパニッシャーが活躍するホリデースペシャル「マーベルナイツ:パニッシャー:レッド・クリスマス」だ。以前このブログでもパニッシャーのクリスマス回を紹介したが、今回のエピソードはそれよりも前に刊行されたもの。話の繋がりは一切ないワンショットなので気軽に読めるのが売りだ。

前回紹介したクリスマスエピソードはこちらから↓

 

lagia.hatenablog.com

 

パニッシャーが今回のターゲットに見定めたのは、アメリカで活動しているイタリアンマフィアの一派である「コーザ・ノストラ」。麻薬販売を主な商売としているこの組織は以前からパニッシャーとは敵対関係にあり、これまでに何度か死闘を演じてきた。そんな組織がクリスマスの活気で賑わうニューヨークで動きを見せることをパニッシャーは突き止めた。先述の不審な輩たちもマフィアの構成員。クリスマスも楽しめないとは悪党の生き方は窮屈に感じないか?

コーザ・ノストラの中心人物であるナポリタリーノ・ファミリー(冗談みてーな名前だ)は組織に邪魔な人物を抹殺するために暗殺者を招集する。
この古臭いストーリー展開、嫌いじゃないわ。

卑劣なマフィア組織の相手はうんざりだ。ケリをつけるには丁度いい日だと言わんばかりに件の組織がアジトにしていると目星を付けた建物に突撃をかけるパニッシャー。果たしてそこにはマフィアの構成員がパニッシャーの襲撃を待ち構えていた。しかし、全員残らず私刑執行人の手で息の音を止められてしまうのだった。アジト内で暴れ回るパニッシャーの所業は恐怖を覚える前に鮮やかだと感嘆してしまう程だ(やっぱりパニッシャーには刀より銃が似合う)。だが、組織の中心人物であるファミリーの姿は影も形もなかった。既に彼女らはここにはいなかったようだ。

パニッシャーがアジトを襲撃したその日の夜。コーザ・ノストラはタイム・スクエアで開催されるクリスマス・パーティーで恐ろしい計画を実行に移した。

新年の到来を前に活気づく民間人の1人が銃撃を受ける事件が発生する。大事件が起きたにも関わらずパーティーを続行するニューヨーク・ヤンキーたちにはドン引きもんだが、この事件は大きく報道された。報道では最初はパニッシャーによる犯行ではないかと疑われていたが、すぐにフランクの容疑は晴れる。犯人自らが警察に向けて犯行声明を出していたことが速報で明らかになったからだ。犯人はコーザ・ノストラが抱える腕利きの暗殺者である、先述の女暗殺者だ。「サスペリア」のコードネームで知られる彼女は最強の私刑執行人であるフランクに挑戦状を突き付けたのだ、…暗殺者の本分を忘れてはいないかこの女。変な所でノリがいいのはイタリア人ぽいが。

かくしてパニッシャーサスペリアの聖夜を舞台にした銃撃戦が繰り広げられることに。パニッシャーと互角に渡り合う彼女の強さは大したものだが…。

サスペリアの挑戦を受けたパニッシャーは彼女の隠れ家に乗り込む。
女相手でもフランクは容赦しない。いつだってフランクは真剣に殺人をやってるのだ。

激闘を演じた2人だが、一瞬の隙を突かれる形でサスペリアパニッシャーに拘束される。椅子に縛り付けられた彼女が目を覚ました時に見るのは、髑髏のシンボルマークを胸に掲げる男の姿。ナイフを片手に「誰がお前を雇った」と迫るフランクだが、サスペリアはそんなフランクをつまらないと唾を吐く。彼女にとっては誰に雇われているかなどは関係なく、パニッシャーと戦いたかったのが全てだったのだ。タイム・スクエアで狙撃した人々も急所は外しており誰も殺してはいないし、キスの1つでもしてくれれば雇い主も教えると笑顔で答えるサスペリアの姿にフランクもちょっと引き気味。

とはいえ彼女の申し出を断る理由もフランクにはない。銃弾が飛び交う物騒極まるパーティーだったが、フランクはサスペリアを差し向けたファミリーの居所を掴むことに成功するのだった。

翌日の早朝、パニッシャーはファミリーが表向きに経営している会社に乗り込む。
事件の首謀者を倒し、残った連中にも釘を刺した。これで暫くは大人しくなるだろう。

パニッシャーがサンタクロースに扮して悪党を抹殺する。やはりミスマッチだと思ってしまうが、読んでいくとなかなかどうして様に見えてしまう。冗談の類を嫌うフランクだが、こういった“コスプレ”じみたことには積極的になる。この相反する様は後々に語られていくフランクの人間性を示唆していたのかもしれない。

お前らが隠し持っている金を全て差し出せば、命だけは助けてやる。
資金を差し出したマフィアが来年度を迎えられるかはフランクには関係ない。寧ろ恵まれない人々のための助けになったんだから良かったじゃないか。