ルシファーに囚われた子供たちを救え!
駆けろ、ゴーストライダー!神の啓示を受けた天使たちと共に!
前回はこちらから↓
【あらすじ】
救い。それは罪なき者を苦しめるあらゆる脅威と苦痛を取り除くこと。そのための方法を“復讐の精霊”はよく知っている。“復讐の精霊”ザラソスは、そのために生み出された存在だから。
そして眼前の地獄王も同様に、この地上に救いを齎さんとしていた。禍福を与えることこそが地獄に堕ちた“天使”の使命なのだと宣うルシファー。だが、そんなものはジョニーと“復讐の精霊”には関係のないことだ。御託はいいから、さっさとガキどもの居場所を吐け。
【Angel】
地獄王ルシファー。自らの愉悦のためならば残虐な手段を取ることも厭わない卑劣漢の正体は神の御使いである天使だった。彼は神から指名を授かり、下天した。その使命こそが救いだ。ルシファーは地上に暮らす人々を救うために行動を起こした。
だが、その後にどんな経緯があったのか彼の神聖は穢れ、やがて悪魔と変わり果ててしまった。地獄に堕ちてから永劫の時の中で、無数の罪人の魂を喰らい、化け物たちを従えるようになったルシファー。もはや天使としての矜持も捨ててしまった彼だが、与えられた使命は忘れてはいなかった。ルシファーは己の野望のためにジョニーを利用して、666人もの死体に憑依して地上で殺戮を繰り広げてきたが、その殺戮の中でも本来の使命を果たさんとする個体もいたようだ。
ルシファーはもう1人の自分に囚われた子供たちを救うために、子供たちの居場所を教えてやると言う。しかし、そのためにはルシファーと契約を結ぶ条件があった。自分を見逃せば教えてやる。条件を突きつけてくる辺り、本当にあくどいがその辺は天使も悪魔と大差ない。
ルシファーの提案に首を縦に振るか否か。ゴーストライダーの精神の中でジョニーと“復讐の精霊”は揺れ動く。本来ならば悪魔の言うことなど信じるに値しない、と一蹴すればいい。だが、今回は事情が異なる。ジョニーたちが守るべき罪なき者たちの身柄を仇敵が抑えている以上、従う他ない。屈辱を感じる“復讐の精霊”だがジョニーには考えがあった。
かくして子供たちが囚われている場所を知ったライダーは一目散にそこに向かう。コルヴィルにある牧場の納屋に監禁され、不安と恐怖に駆られる子供たち。その様子をもう1人のルシファーは嘲笑う。救いなんてない、あるのは破滅だけだと。いい加減にその臭い口を閉じな。今、お前がいないと宣っていた“救い”がやってきたぞ。
このルシファーは少年野球団のコーチに憑依していたからか、ガタイもよく格闘戦でライダーを圧倒する程のパワーがある。しかし、多少力が強いくらいでは知恵と戦略の前では膝をつくしかない。ライダーの復讐を無駄なことだと嘲笑いトドメを刺そうとするルシファーだが、無人で動くヘルサイクルと括り付けられていた鎖によって引き回され、拘束されてしまう。一転攻勢。身動き出来なければ、何もできないだろう。
しかし、ルシファーは邪悪に笑う。戦闘の余波で納屋に火が燃え移っていたことをジョニーは気付いていなかったのだ。しかも、納屋には大量のダイナマイトが仕掛けられていて…。
ヴラニエルの放った炎を纏う剣に貫かれたルシファーは断末魔の叫びを上げながら、灰となっていった。若き天使たちは静観の末に、神に与えられた使命を果たすことを決心した。しかし、彼らもディクシーと同様にジョニー・ブレイズに関わったためにその運命を決定づけることになる…。