[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:REVENGE OF THE COSMIC GHOST RIDER(2019)#3

コズミック・ゴーストライダーvsコズミック・キング!

邪知暴虐の王を打ち倒すべく拳を振るライダー。しかし、彼らの戦いの裏で底知れぬ悪意が蠢いていた!

 

前回はこちらから↓

 

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[あらすじ]

キャミと共に宇宙を駆け抜けるコズミック・ゴーストライダーことフランク・キャッスル。生意気で好戦的、それでいて血で染めながらも魂は純粋なままの少女。彼女の在り方はフランクにとって余りにも眩しく、懐かしい未来を現していた。幼くして殺された実の娘とキャミを重ねていたフランクは、キャミの同行を許しながらも決して彼女に銃を撃たせなかった。今度こそ「彼女」を守ってみせると決めたのだから。

だが、悪魔に魅入られた男の希望など簡単についばまれてしまうものだ。フランクが守ると決めた少女はコズミック・キングの手でブラックホールの向こうへと消えていった。激昂するフランクはどす黒い殺意を燃料とし、地獄の炎を熱く燃え上がらせる。お前をぶち殺してキャミを追う、そう宣言するフランクだが相手の力はフランクが思っていた以上に強大だった…。

「放浪者」の力など「王」の足元にも及ばない。猛威を振るうキングをフランクには止めることができず、彼らの戦いでまた犠牲となる者たちが。コズミック・パワーを操る者たちの戦いは「災害」と変わらない。

[Guilty]

遂に幕を上げたコズミック・ゴーストライダーとコズミック・キングの戦い。2人は宇宙の中でも有数の「脅威」。そんな2人が本気で本気で殺し合えば周囲に及ぼす被害は計り知れない。コズミック・ゴーストライダーは“復讐の精霊”の力とギャラクタス由来のコズミック・パワーを持つが、これに対するキングもまた数多の生命を喰らい糧とした化け物。ライダーよりも巨大な姿へと姿を変えたキングの一撃は必殺の威力を誇る。

しかし、コズミック・キングの真の恐ろしさはライダーを上回る戦闘力ではない。勝つためならば相手の情報を把握して弱点を握るしたたかさこそが、キングの真骨頂なのだ。彼はライダーの正体が地球出身のフランク・キャッスルであること、彼がライダーへと姿を変える前に何をしていたのかを知っていた。その上でフランクを嘲笑する。

血塗られたその手で誰を守ろうとも、その全ては無駄に過ぎない。お前の罪は永遠に消えることはない、と。

ライダーは初登場した「サノス・ウィンズ」の頃から、己の運命と生き方を変えようともがき続けてきた。海兵隊として戦果を上げ、妻子を殺された復讐心から最強の私刑執行人パニッシャーとなり、その後も地獄王に魂を売ったり宇宙魔人と取り引きしたりとフランクの人生は激動どころの話ではい過酷なものだった。その道の果てに命を落としたフランクは、今度は「良いこと」をしようとした。巨悪の誕生や妻子の死を無かったことにしようと歴史に介入したのも、フランクが考える良いことだから。フランクにとっての良いことは己の罪を消すことなのだ。

阿鼻叫喚の地獄絵図のような戦争の中で、闘争心の赴くままに戦い続けてきたフランク。その歪んだ感情は妻子が目の前で殺された時も、悪党を処刑する時も常に抱いていた。そんな己のあり方をフランク自身は心底嫌っていた。常に薄ら笑いを浮かべて斜に構える姿勢もそんな感情を表しているよう。これで無かったことにできる訳ではない、と分かっていながらも止めることはできなかった。

重なる過去と未来。圧倒的な力で蹂躙され助けを求める声を聞き、フランクの胸に湧き上がる感情は怒りと殺意。やはりこの男は狂っている。

 

そんなフランクに興味を持ち、“復讐の精霊”の力を授けたのがメフィストだ。コズミック・キングに苦戦するフランクに幻影として現れた彼は、フランクに何故自分がフランクを選んだのかを語る。フランクこそが「この世界で最もその手を血で染めた男」だから。純粋なまでの殺意と狂気を持つ魂は地獄王のコレクションの1つに相応しい。メフィストも現在のフランクの行動には難色を示していたようだ。

パニッシャー時代に抱いていた殺意を以てすればコズミック・キング如き敵ではない、そう激励するメフィストにフランクは啖呵を切る。そんなご高説は聞き飽きた。テメーらなんぞに俺が歩んできた道の何が分かる。

メフィストやコズミック・キングに否定される前から、フランクは己の行動が間違っていることは理解していた。いくら罪を消そうとも決して消えやしないことは重々分かっている。それでも戦い続けなければならない。フランク・キャッスルの戦いは妻子に対する罪滅ぼしなのだから。「良いこと」が叶わないのなら、せめて己の手を血で染め続けよう。それで守れる者がいるのなら儲けものだ。

地獄王の発破で怒りを爆発させたフランクは満身創痍の身ながらも、コズミック・キングへの反撃に出る。対するキングは尚もフランクの行動を無意味と罵倒するが、もうフランクの耳には届かない。いくら嵐のような攻撃を受けようがフランクは止まらない。少なくとも驕る愚王の息の根を止めるその時までは。

ヘルファイアの大爆発を間近で受け、吹き飛ばされるコズミック・キング。この一撃で決着がついたようなものだったが、フランクの怒りは収まらない。どいつもこいつも知ったような口をききやがって。まずはお前から血祭りにあげてやる。

 

一転攻勢。王はライダーに敗れて膝を付いたのだ。最早キングに勝算はない、直接対決に於いては。彼はここで切り札を切る。フランクを倒す最善の方法、それはフランクを人間に戻すこと。自分を倒した男に仕えると嘯き、報酬としてメフィストから強奪したフランクの魂を渡すことでライダーの力の無力化を図ったのだ。

己の魂に手を伸ばすフランクもコズミック・キングが裏で考えていることはお見通しだ。フランク・キャッスルの戦いはなにもゴーストライダーの姿でないとできない訳ではない。彼の最強の武器は、地獄王が認めた純粋な殺意なのだから。

フランクを蝕む「呪い」から解放させたキングの口元には勝利を確信した笑みが。しかし、キングはフランクの本当の強さを真に理解していなかった。