[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:REVENGE OF THE COSMIC GHOST RIDER(2019)#2

新たな相棒と共に宇宙を駆けるコズミック・ゴーストライダー

だが、ライダーはキャミに戦わせるつもりはないようで…?

 

前回はこちらから↓

 

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[あらすじ]

再び宇宙に上がり、悪党との終わりなき戦いに身を投じたコズミック・ゴーストライダー。ライダーの目下の標的はサノスに取って代わって宇宙の厄災たらんとするコズミック・キングとその一派だ。身の程知らずの若造など取るに足らない、そう挑発するかのように1人、また1人と確実に構成員を皆殺しにしていったフランク・キャッスル。しかし、その道中で出会ったコズミック・キングの傘下にあった海賊船の船員キャミと出会ったライダーは彼女を「罪無し」と断じて見逃してしまう。

船員を皆殺しにされただけでなく、宇宙船まで破壊しておきながら手前勝手な判断で殺さなかったライダーに腹を立てたキャミは自分も連れていけ、と半ば強引にライダーの旅路に同行することになった。

その一方で、ライダーの進撃に頭を悩まされていたコズミック・キングは、ライダーを無力化する術を得るべく地獄王メフィストの元を訪ねるが…。

ホテル・インフェルノに幽閉されていたメフィストにコズミック・キングが求めた術とは、即ちフランク・キャッスルの魂を「人質」に取ること。自身のコレクションを取られまいとメフィストも抵抗したようだが、某戦闘民族の王子よろしく岩盤に叩きつけられてしまったようだ(?「所詮クズはクズなのだぁ」)。奪われてしまったフランクの魂がコズミック・キングに勝機を齎すのか。

[Not Guilty]

前号にて描かれたコズミック・ゴーストライダーとキャミの出会い。2人の出会いは運命に導かれたものだったのか、それとも必然だったのか。生きるためならば己の手を血で染めることも厭わない危険人物な2人が手を組めば、宇宙に蔓延る悪党共はさぞ震えることだろう。ライダーことフランク・キャッスルは言わずもがな、キャミはあの悪名高き「アベンジャーズ・アリーナ」といった死地を潜り抜けて生き残った強者。そんな彼女が海賊船の船員として生活していたのも、全ては生き残るため。天涯孤独な身、しかも女でありながら男所帯の中で頭角を現してこれたのも彼女のバイタリティの高さ故か。

しかし、ライダーにはキャミを戦わせるつもりは毛頭なかった。彼女が銃を持ち出せばこれを取り上げ、飛び出そうとすれば鎖で縛り上げて拘束する。キャミの望みを無視し、ひたすらに押さえつけようとする姿はひどく独善的に見える。

宇宙の果てで巨大なモンスターに襲われ、迎え撃とうとするキャミを制して自分の力で打破するライダー。ゴーストライダーにワーム砲など不要。体当たりで十分だ。

 

キャミの中でどんどん溜まっていく戦えないことに対する不満とフラストレーション。だが、それを見越したかのようにフランクのメンタルケアが入るのだから、キャミとしてもフランクを嫌いにはなれずにいた。圧倒的な戦闘力を以て悪党を根絶やしにせんとしながらも善人は殺さないと豪語するお人よし、かと思えばパートナーの意志を無視しながらも気遣う姿勢は崩さない。これ程傍にいて飽きない面白い男もそういないだろう。

ライダーは兎に角強い。彼がひとたび暴れたら、その猛威を止めることは誰にもできない。その強さはコズミック・キングも認めざるを得ないだろう。それはそれとして人を小馬鹿にしたような言動は癪に障るか。

 

フランクの強さを傍で見てきたキャミもまたコズミック・キングと同様にその強さは認めている。しかし、それはそれとして戦わずにはいられないのがキャミという女だ。抑えれば抑える程に強まる戦闘欲は遂にライダーの鎖「ミスティカル・プロジェクション」の拘束を破ってしまった。このガキ、タフすぎるぞ。

コズミック・キングの配下たちを襲撃するライダーの目を盗み、単身で別の配下たちの船を強襲するキャミ。敵を前に不敵に笑う姿は似た者同士。

こんな極悪な笑みを浮かべる女が「罪無し」とはどういうことかと疑問に思う読者は多いだろう。管理人も当時は同じ疑問を抱いたし、ライダーの魔眼が耄碌したのかと冗談交じりに思ったものだ。ライダーが視たキャミの魂に刻まれていたのは、己と他者の血に塗れた凄惨で刺激的な闘争の記憶。そんな地獄のような日々の連続の中でキャミは生きてきた。己の在り方を曲げず、真っ直ぐに己の意志を貫き通してきた。

ライダーはそんなキャミの心構えを「純粋」と捉えた。フランクも生前から続けている闘争の日々がどれだけ心を病むものなのかは、フランク自身がよく知っていた。キャミはそんな生活を送りながらも無垢なままだった。その純粋さは、フランクにとってはあまりにも眩しくまた守らなければならないものだった。

「どうして放っておいてくれないの!?」と叫ぶキャミに真剣な面持ちで語るフランク。一度でも引き金を引けば折角の純粋さが失われる。だから俺が代わりに引き金を引く。そう語るフランクだが、キャミは既に何度もその引き金を引いているのだが…。

やはり耄碌したのか、それとも言葉の中に真実を隠しているのか。フランクの目に怪訝な様子を見せるキャミだったが、それでもフランクなりに自身のことを思っていることは伝わった筈。でなければ、2人を襲うコズミック・キングの脅威を退けることは叶わないから。

ライダーたちの前に姿を現したコズミック・キングは巨大化し、醜悪な戦闘形態へと姿を変えた。その力はライダーを正面から圧倒してしまう程。キングは自身のビジネスを台無しにしてきた怨敵ライダーを苦しめるために、キャミをブラックホールへと放り投げる。フランクに助けを求めるキャミだが、ライダーには手を伸ばすことはできずただ彼女の名を叫ぶことしかできなかった…。