ゾディアック再び！
街を恐怖に陥れようとする男をダニーとゴーストライダーは止めることができるか！？
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【あらすじ】
ホブゴブリンや神父との一件から暫く経った。しかし、ブルックリンにはまだまだ罪なき人々を狙う悪党たちが大勢残っている。ライダーの手で野望を挫かれたゾディアックもその1人、そのゾディアックが再びブルックリンに現れたのだ。違法の薬物をばら撒き、街を陰から蝕もうとする卑劣漢を何としてでも止めなければならない。ブローカーを中心に締め上げ、ゾディアックの居所を聞き出すゴーストライダー。だが、ライダーは知らなかった。ゾディアックとは違うもう一人の悪党が、ブルックリンに現れていたのだ…。
ゾディアックの配下であるブローカーを捕らえ、奴の居所を聞き出してやるのだ。
【THE DEAL】
人間は誘惑に弱い生き物だ。そんな誘惑に一瞬でも乗ってしまえば、時に積み上げてきた人生を台無しにして幸せも奪ってしまう。妻に息子を連れて逃げられ、生きる望みを失った男、クリストファー・ダニエルズもそんな誘惑に乗ってしまった男だ。己の至らなさか、それとも別の何かが原因なのか理由も分からずに絶望に落とされてしまった男は拳銃自殺を図ってしまう。だが、そこに地獄王メフィストが現れ、彼に契約を持ちかける。それは彼の不幸を取り除く代わりにゴーストライダーを倒せ、というものだった。最初は甘い言葉で誘い、クリストファーをその気にさせて契約に応じるように仕向け、直後に条件を突き付けてくるのがメフィストらしい悪辣さだ。
人間を越えたパワーを与えられたクリストファーだが、当初はライダーを倒すことが条件だなんて聞いてないと憤るが、残念ながら悪魔との契約にクーリングオフはできない。一度契約書に署名してしまえば、署名者が死んでもその魂は永久に囚われたままなのだ。
その幸福は嘘に塗れた偽物。与えられた仕事をこなさなければ、その幸福も取り上げられてしまうのだ。
街に再び現れたゾディアックもクリストファーと同じく、かつて悪魔と契約して呪いを受けた男だ。人間を越えたパワーを与えられはした彼だが、彼もまたこの理不尽な契約に納得をしていなかった。そこで、ゾディアックは契約元の悪魔に反抗をしようと試みた。そのためには膨大な数の人間の魂を糧とし、自らの力とする必要がある。ゾディアックが裏社会の住人と接触し、彼らを操って街に住む人々を時には攫い、あるいは殺してその生命エネルギーを取り込んできたのだ。全ては己の復讐のために、ゾディアックにとっえてはブルックリンに住む人々は善悪問わず利用するだけの存在でしかないのだ。
ビジネスを、そして復讐を邪魔した役立たずはイラナイ。
己が抱える弱さと、それを覆い隠す怒り。人間が人道から外れ、異形の力を得て変わっていってしまうのはそういった負の感情が発端なのかもしれない。地獄の悪魔は、そんな人の心の隙間に忍び寄る。“復讐の精霊”と彼を宿す男も例外ではない。だが、彼らはゾディアックたちとは違う。自分たちに起きた不幸のために自棄になって死のうとしたりしないし、他人を食い物にすることもしない。
ブローカーから得た情報を頼りにゾディアックのアジトに向かうゴーストライダーだが、そこに自らを“スーサイド”と名乗るクリストファーが襲いかかる。スーサイドも自身の契約主に反抗しようと、再び自ら命を絶とうと街中で暴れ回るが、何をやっても死ねないでいた。バスに撥ねられようが、ピザ屋に頭から突っ込んでガラス片が刺さろうが死ぬことができないクリストファーはそんな自分をスーサイドと自嘲気味に名乗るしかなかったのだ。そして、そんな自分をゴーストライダーならば殺してくれるのではないかと希望を抱いてしまうが、ライダーはスーサイドを無視してしまう。死ぬことの痛みを分かっていない男の懇願を聞く理由などライダーにはないから。
そうしてゾディアックを追い詰めたライダーは、スーサイドに見せつけるかのように“痛み”を与える。だが、その痛みを受けたのはゾディアックに変わり身に仕立て上げられた先述のブローカーだった。顔は見るも無残な有様にされ、意識を操られて超人と戦わされた哀れな男の最期に死にたがりなスーサイドも押し黙るしかない。そして復讐の炎を更に激しく燃え上がらせるゴーストライダーを嘲笑うかのように、今度は本物のゾディアックが現れる。ゴーストライダーとゾディアック、スーサイドを交えた2人の戦いの終わりは近い…。
その余裕綽々な態度もそこまでだ、ゾディアック！
