[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GHOST RIDER(2006)#35

アメリカから遠く離れた日本まで足を運んだジョニー・ブレイズ。

そこで彼を待ち受けるのは、世にも恐ろしい魑魅魍魎たちだった⁉

 

 

前回はこちらから↓

 

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[あらすじ]

日本のとある漁村。そこに立ち寄った男は、寺の住職の言いつけ通りひたすらに待ち続けていた。待ち人来たり。ジョニー・ブレイズが待つのは天界への復讐の方法を指し示す者、あるいはかの天使当人か。いずれにしても目当ても者はいっこうに現れる気配はない。

しびれを切らすジョニーだが、そこに村の住人たちが怪物へと変貌する異常事態が発生する。住職に安全な場所に隠れているよう告げたジョニーは、村の中を突っ切る。「罪なき者たち」を苦しめた者はこの先にいる。己の中の古代の悪魔が、そう教えている。

ザドキエルとの戦いに敗北しても尚、復讐の炎を滾らせるジョニー。そんな異邦人を住職は諫めることはしなかった。機会はねだるものではない。時には待つことも重要、ほうら、早速チャンスがやってきた。

[Flesh and Fire]

亡き祖父の思いと未来の自分たちからのエールを受け取って立ち上がったサラ。己の真に往くべきロードを再定義し、迷いから解放されたダニー。ザドキエル率いる「ブラックホスト」と“復讐の精霊”たちとの決戦から生き残り、散り尻となった若者たちは失意の底から這い上がってきた。だが、この男、ジョニー・ブレイズだけは天使との戦いに敗れてもその心は折れてはいなかった。ジョニーにとってザドキエルへの復讐は、復讐にまみれた己の人生を取り戻すための最終ゴール地点であったから。

養父の延命を願い、サタンに魂を売り渡した時に横槍を入れた憎き天使。あの時の礼をしてやらなければ気が済まない。サラたちを放ってでも己の手で復讐を果たすことに拘る様は、彼が“復讐の精霊”と共に駆け抜けた復讐のロードの過酷さを物語っている。自分が倒れたら、これまでに暴虐な天使のために流れた血は無駄になってしまう。それだけは絶対に阻止しなければならないのだ。そうしなければ「明日」は来ないのだから。

息巻くジョニーが件の漁村で目にしたのは、ヒトや動物たちが混ざり合い異形と化したモンスターたちに鬼のような風貌をしたゴロツキたちだった。いったい何が起こっているのか。どうしてこんなことに。ジョニーの脳裏を過った疑問は瞬時に怒りの感情に塗り潰される。疑問など些末なこと、まずは目先の「鬼」をぶちのめすのが先決だ。

テメーなんぞを倒すのに“復讐の精霊”の力を使うまでもない。こちとら本物の悪魔憑きぞ。身の程をわきまえな。

「鬼」を従え、村を阿鼻叫喚の地獄絵図へと変えた存在。首謀者は自身の配下を打ち倒すジョニーに興味を覚え、彼の前に姿を現した。「彼女」の名はスキン・ベンダー。触れた手で生きとし生けるあらゆる生物の「化けの皮を剥がして」化け物へと変える恐ろしい悪魔だ。だが、管理人的に恐ろしいのは能力ではない。その姿だ。

…ジェイソン・アーロンは美○子ちゃんに何か恨みでもあったのだろうか?

アメリカ人であるジョニーよりも高い背丈に不自然な程に大きい目、やせ細った体躯、そして嬉しくないヘソ出し。この異様な悪魔が村の住人たちを化け物へと変えさせ、操っているのか。スキン・ベンダー自身に悪事を働いている自覚はまるでなく、単純にヒトの内面を見たいという好奇心から起こした惨事だというのだから救いがない。そして、かの悪魔は自身の能力で姿を変えることができないどころか、彼女自身の手を炎で燃やしてしまうジョニーに迫る。貴方の中にある「モノ」を見せて頂戴、と。きっと手だけじゃなく全身を熱くさせる素敵なモノに違いない。

そんなに見たいというのなら見せてやる。

姿を現した「モノ」の姿に思わず息をのみ、感動に打ち震えるスキン・ベンダー。胸を熱くさせる思いを一目ぼれとのたまうヤベー奴はお引き取り願う。

 

ゴーストライダーは自分と同類の存在だと直感したスキン・ベンダーは、手を組んで地上に蔓延る人々の悪意を曝け出そうと提案する。ある意味ではライダーの姿はスキン・ベンダーの言う通り「化けの皮が剝がれた」状態だろう。見る者を威圧し、震え上がらせるその姿はジョニーの胸で燃え上がる復讐心と「罪なき者たち」の無念の大きさを表す。そして、彼の魔眼は罪人の罪を曝け出して魂を灰にしてしまう。その様は通常では決して人の目にはつかず、変身した時にしか現れない。しかし、ライダーはスキン・ベンダーとは違う。少なくとも“復讐の精霊”は「罪なき者たち」を無暗に傷つける真似はしない。怒りに燃えるライダーは懇願する悪魔に一言だけ告げる。燃えて灰になれ。

ゴーストライダーの怒りは灼熱の大雲と天から降り注ぐ炎の雨を呼び、村に蔓延る悪鬼共をまとめて焼き尽くした。スキン・ベンダーも炎に焼かれるが、むしろ快感だったようで「もう一回やってくれ!」とせがむ始末。これには騒ぎを聞きつけて駆け付けたサラは勿論、ライダーもドン引きだった模様。

こうして、小さな漁村を襲った怪異は退けられた。村の住人たちは鬼たちの除いた「罪なき者たち」は元の姿に戻り、住職も無事だった。ジョニーもまた、ケアテイカーという待ち人がやってきたことで村を後にする。彼らの姿に住職は復讐のために戦う無常さを慮りながらも、その背を見送るのだった…。

脅威は去り、ジョニーとサラは再び共に復讐のロードを駆ける。だが、悪魔はそう簡単には死なない。ジョニーたちが戦っても、また何処かで「罪なき者たち」を傷つける悪鬼が現れるだろう。