[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GHOST RIDER(2022)#14

復讐の精霊生誕50周年を祝うサバトの14幕!

ディーユゥ博士の真の企みが明らかになる。復讐のための戦いは、また新たな復讐を呼ぶのか。

 

前回はこちらから↓

 

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【あらすじ】

再び“復讐の精霊”と化したダニーが起こした惨劇。その背後には地獄の力を利用しようと企むディーユゥ博士たちインファナル・ラボが潜んでいることを知ったジョニーとタリア。準備を整え、ダニーを救出すべく動く2人だったが…。

事件が起きる4か月前。
インファナル・ラボではダニー・ケッチに“復讐の精霊”を憑依させる実験が行われていた。
デスライダーとゴーストライダー、2つの悪魔の力を持つ究極のライダーを作ろうというのか?
【DARK FREQUENCIES】

ダニー・ケッチを被検体に、数か月前から実験を繰り返してきたディーユゥ博士。彼女は科学を以て、地獄の力を操ろうとしていた。人智の及ばない異界への挑戦。彼女を突き動かすのは、幼い頃に家族を奪った悪魔への復讐だ。博士自身は直接戦う力を持たないが、元々の才能かそれとも執念のなせる業か、地獄の炎“ヘルファイア”を科学的に再現し、制御する術を編み出した。

博士はかつては“復讐の精霊”を宿し、現在は“スピリット・オブ・コラプション”の力を持つダニーを触媒にヘルファイアを浴びせて、ダニーを再びゴーストライダーにしようというのだ。“復讐の精霊”は古来から復讐を求める者たちの側について戦ってきた。ディーユゥ博士がゴーストライダーを求めるのは当然の選択だろう。復讐の精霊を味方に付ければ、求める復讐は正しいことなのだと言えるのだから。だが、彼女は単にダニーを、そして復讐の精霊を味方に付けたかった訳ではない。昔から多くの悪魔や天使たちもディーユゥ博士と同様に“復讐の精霊”の力を欲したが、それはライダーの力が利用するに値するからだ。

悪魔への復讐を望む博士だったが、彼女もかつての異形たちと同じような手段を選んでしまっているのは何とも業が深い話だと思う。

ダニーに宿るリンボの力、そしてヘルファイア
これらの魔力を自由に操ることができた時こそ、博士の望む復讐が果たせる。ダニーの力を宿したこの魔〇アーマーを使って。

この未知の領域の挑戦は、博士が満足するような成果は出せていなかった。ヘルファイアを宿し、再びゴーストライダーとなったダニーだったが強引な手段で憑依させられたことで、ダニー自身にも少なくないダメージを与えてしまっていたのだ。これでは意味がない。そう考える位には、博士は理性と良心は持っていた。

だが、時は博士の研究を待ってはくれなかった。彼女の研究を“サポート”していたFBIが博士の研究の成果をさっさと出すように言ってくるのだ。世界のあちこちに蔓延る異形たちが起こしていた事件を解決することを急ぐFBIは、博士が抱える“復讐の精霊”の力に目をつけたのだ。目には目を歯には歯を、悪魔には悪魔をぶつけるというわけだ。

こんなやり方は博士が望んでいたことではないだろう。しかし、契約には逆らえない。ならばダニーを洗脳してでも無理矢理に戦わせ、同時に戦闘データを集めて自身の魔〇アーマーの完成を急ぐしかない。アーマーが完成さえすれば、ダニーを開放できるのだ。悪魔に挑戦するなら、自分の心も鬼に変えるしかない。

お上からの命令には逆らえない研究者の哀しい性。
それでもデータを取れるのは嬉しいのか、博士の口元には笑みが。やはりマッドである。

こうしてダニー・ケッチはディーユゥ博士と彼女の裏に隠れるFBIに操られることになってしまった。人間たちの都合で振り回されてしまう“復讐の精霊”も、断ることができなかったダニーも可哀そうだが、博士もまた上の人間の都合で振り回された犠牲者だと言える。黒い感情が復讐心を求め、その感情が他人の憎悪や狂気を巻き込んでいく様は実に読み応えがある。そして、ダニーと同じく“復讐の精霊”を宿すジョニー・ブレイズもまた復讐を果たすべくタリアと共にインファナル・ラボへと足を踏み入れる。弟を取り返すために。同時にライダーが近付くのに反応したのか、ラボに封じ込められていた地獄の門が開こうとしていた...。

開いていく地獄の門を前に博士はアーマーを起動、対抗を試みる。
様々な者の思いが交錯する本シリーズは、いよいよクライマックスを迎える。