復讐の精霊生誕50周年を祝うサバトの第13幕！
地獄の力を利用しようと企む人間に魅入られてしまった弟を救うべくジョニーが走る！
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【あらすじ】
ジョニーがダニーが再びゴーストライダーと成り、悪魔たちを虐殺したことを知った日から遡ること1か月前、ダニーはステイシーたちの元には戻らず放浪の旅に出ていた。そこでダニーの前に現れたのは悪魔への強い敵愾心を抱くディーユゥ博士。彼女はある目的のためにダニーに協力を要請するために現れたのだ。彼女の申し出に得体の知れないものを感じたダニーだったが、彼は博士の研究内容に興味を抱き、彼女の申し出を受けてしまう…。
彼女はバーで酔っ払いに絡まれていたダニーに接触し、“復讐の精霊”の協力を求めたのだ。
【DARK SONG】
前号にて弟ダニーに何かよくないことが起き、暴走していることを知ったジョニー。ジョニーはタリアの協力もあって、ダニーの跡を辿っていく。そう、再び“復讐の精霊”となったダニーは地獄の悪魔たちや、悪魔を信仰する悪魔崇拝者たちの元に現れては虐殺を繰り広げていたのだ。
一切の情けもかけず、皆殺しにしていく“復讐の精霊”の姿をタリアの呪術で垣間見るジョニーの表情は険しい。ジョニーとダニーが別れてから、まだほんの数か月しか経っていないだろうに、一体ダニーはどうしてしまったのか。ジョニーには皆目見当も付かなかったから。ネクロシス、“スピリット・オブ・コラプション”のリンボ由来の強大な力にダニーの精神が負けてしまい、身も心も悪魔となってしまったのか。悪魔も人間も平等に焼き殺すダニーの姿はまさに悪鬼そのものだった。
普段なら“赤い”血に濡れたのだろうが、“赤い”炎で焼かれたこの地には灰しか残らない。
ジョニーがダニーの身を案じたが、一方のダニーはディーユゥ博士が研究しているテーマに興味を惹かれていた。彼女が研究していたのは「地獄の悪魔に対抗するために、彼らの力を利用する」というものだった。悪魔たちの死骸や生きている化け物たちを自身が所長を務める研究所に回収して、彼らの身体能力や戦闘能力を自分たちのものにしようと考えたのだ。目には目、歯には歯、銃には銃で答えたい、という某御曹司の言葉が思い起こされる研究内容だが、彼女の研究はあくまでも悪魔たちに虐げられる人間たちの無念を晴らすため、復讐のためのものだった。ディーユゥ博士がダニーを呼んだのも、彼と彼の力を求めてのことだった。
悪魔の力を人間が培ってきた科学で支配し、屈服させる。そのためには悪魔をその身に宿しながらも制御してきたゴーストライダーの協力がなければ、研究は達成できない。博士の言い分を最初は面白半分に聞いていたダニーだったが、彼女の思いと覚悟は本物であることを察し、協力することを決める。
そのためならば、どんなに非道なこともやってみせると言う。
ゴーストライダー誌は、今作をはじめ悪魔憑きであるゴーストライダーと地獄の悪魔やその力を行使する悪党たちとの戦いが中心となって描かれてきた。悪魔たちの野望のために多くの“善良な”人々が犠牲となり、そしてライダーとの戦いに巻き込まれて死んでいった。ディーユゥ博士の言い分はもっともだと言える部分はあるが、彼女が時折見せる笑みには不気味な影が見え隠れするのが気になるところ。まあ、単純に生粋のマッド・サイエンティストなだけなのかもしれないが（Dyiuて中国語で地獄て意味みたいだし。“地獄博士”て普通の神経じゃ名乗らないわな）。
ダニーは博士と共に、彼女の研究を達成するために悪魔とその崇拝者たちを狩り続けた。地獄の王子ブラックハートがジョニーに倒された今でも、地上にはブラックハートの息のかかった悪魔や化け物たちがうじゃうじゃいるのだ。だが、いくら悪魔たちが人間たちにとって危険な存在であっても、これは度が過ぎている。悪党崇拝者たちの多くはただの人間であるにも関わらずに横殺していく姿を見ると、果たしてどっちが悪魔なのか分からなくなる。レッドパラダイスで起きた事件の生き残りの遺言を受けたジョニーとタリア、そしてザラソスはダニーを止めるべく行動を起こす。
ジョニーとダニー、2人の“復讐の精霊”の戦いの開始を告げる“唄”が鳴り響く…。
「我からすれば、お前もまた復讐の罰を受けるべき化け物だ」
