復讐の精霊生誕50周年を祝うサバトの12幕!
地獄の炎を操るのはジョニーだけではない。もう一人のフレイム・スカルがジョニーとタリアを新たな戦いの“ロード”に誘う!?
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【あらすじ】
サバンナでの悪魔狩りの旅を続けるジョニーとタリア。2人は夜のサバンナを赤く照らす巨大な炎を目撃する。それは地上を焼き尽くす地獄の炎、墓地を炎に包むヘルファイアのそれだ。ジョニーの中に潜む復讐の精霊が求める罪人は、墓地に何の用があるのか。ゴーストライダーへ変身したジョニーが現場に急行する...。
【CURSED BLOOD】
前号から開始したゴーストライダーの新たな戦い、今回も来る戦いへの準備という内容だ。ジョニー・ブレイズとゴーストライダー、2人が相対するのは実の弟であるデスライダーことダニー・ケッチであることは既に明かされているのだが、そのための準備は念入りな物でなければならない。ジョニーがキング・オブ・ヘルとして活動し、暴走をしてしまった時、ジョニーを止めようと奮闘したのはダニーだった。自身に憑依したゴーストライダーの力をジョニーに奪われながらも、リンボの悪魔と契約して新たな力を得て、兄の往くロードに立ち塞がった弟。そんな弟が、今度は兄の預かり知らぬ所で暴走してしまったのだ。兄が暴走すれば弟が止め、弟が暴走すれば、これを止めるのもまた兄の務め。この無限にも続く連鎖は、2人のゴーストライダーが延々と続けてきたことだ。様式美とも言えるその連鎖は、ゴーストライダー誌において神聖なもの。レースでもそうだが、スタートの緑ランプを待ちながらも血沸き踊るこの瞬間こそがたまらないのだ。
墓地の最深部に辿り着いたライダーを待ち受けていたのは、デスライダー、ではなく傷を負った地獄の悪魔だった。ライダーを見るなり、「またライダーが現れたのか」と息も絶え絶えながらに邪悪に笑う悪魔は墓地に眠る死体を次々に甦らせ、ライダーに襲わせる。その数は広大な墓地にある墓標の数に等しい。流石のライダーもこの数には手をこまねく、と思いきや墓標を引き抜き地獄の炎を纏わせ、群がるゾンビたちを切り捨てる。墓標を剣に見立て、死人を切るという罰当たりながらもエキセントリックなアクションは流石と言える。
そうしてゾンビたちを全て土に返したライダーは、悪魔を燃え盛る剣で貫き、エネルギーを吸収する。取り込んだエネルギーには悪魔の記憶があり、それをペナンス・ステアで読み取るためだ。そこにはブライトソードを振り、悪魔を切り刻む緑色のライダーの姿があった。その暴力的なまでの姿にライダーもジョニーも戦慄するしかなかった。
変わり果てた弟の凶行。ダニーは墓地から呼び出された悪魔も、そして地獄の力を利用しようとした愚かな人間たちも皆殺しにした。
ジョニーが地獄の王の座をメフィストに明け渡してから暫く、連絡も取り合っていなかっただけにジョニー自身もダニーの変わり様には驚くしかない。そして同時にまたか、という諦めの感情もあっただろう。何はともあれ、このままダニーを放置すれば良くないことが起きるのは明らかだ。弟の身に何があったのかを知るべく、ジョニーとタリアは彼ら兄弟の呪われた血筋から事件の全容を探るが…。