パニッシャー、復活!
復活して新たに得た名は、フランケン・キャッスル!?
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【あらすじ】
パニッシャーがダケンの手で倒れたその頃、辺境の島であるモンスターアイランドにてモンスターたちが日本風の鎧を纏った集団に襲われていた。モンスターたちは同胞を、家族を護るために応戦するも力及ばず倒されてしまい、子供たちも連れ去られてしまう。モンスターたちと謎の襲撃者たち、彼らの戦いが齎す戦火はパニッシャーの死体が転がるニューヨークにも広がろうとしていた…。
【FRANKEN-CASTIE】
パニッシャーは前号にてダケンに殺され、死体は無残にもバラバラに刻まれ、打ち捨てられた。この結末は非常にインパクトが強いものだった。が、今回はそれを更に上回る衝撃を齎すものだ。
冒頭から和風の鎧を身に纏うハンターがモンスターたちを狩る描写が描かれ、更にはニューヨークの地下深くに潜伏していたモンスターたちがパニッシャーの死体を持ち出しす。パニッシャー誌らしいぶっ飛んだ展開だ。
H.A.M.M.E.Rのエージェントが奪われた死体を取り返そうとモンスターの子供たちを追うと、彼らを妨害するために立ち塞がり、始末するマンシング。モンスターたちはパニッシャーの死体を何故求めるのか。それは彼らが置かれている状況に理由があった。
ニューヨークの地下深くにある地下都市、モンスター・メトロポリス。そこには地上に居場所がない多くのモンスターたちと、戦う術を持たない者たちを守護し導くレギオン・オブ・モンスターズが独自の生活を築き、静かに暮らしていた。だが、そこに先述したハンターたちの脅威が迫ろうとしていた。多くの同胞たちが狩られ、傷つき、地下に潜ってきたがそれも限界に近かった。
そこで白羽の矢が立ったのがパニッシャーだった。レギオン・オブ・モンスターズの中心人物の1人であるモービウスの提案で、死亡したパニッシャーを生きた屍として蘇らせ、護ってもらおうとしたのだ。モービウスは過去にパニッシャーとも戦い、敵対関係にあったこともある、しかし悠長なことも言っていられない。自分たちの身を護ってくれる可能性があるのはパニッシャーしかいないのだ。ウェアウルフ・バイ・ナイトやリビングマミーはモービウスの提案に懐疑的だったが、一先ずは彼の案を吞む。
こうしてモービウスらの手でパニッシャーは蘇った、生きた屍として。
一度死んだ者が蘇る、この展開はアメコミに限らずよくある展開だ。だが、フランケンシュタインの怪物として(この場合はモービウスの怪物か)蘇るというのは中々ないだろう。フランク・キャッスルだから“フランケン・キャッスル”なのも悪い冗談にしか聞こえない。少なくとも甦らされたパニッシャーからすれば、この展開はとても許容できるものではない。自分はあの時確かに死んだのに、先に逝った愛する家族の元へ行けただろうに、怒りを爆発させるパニッシャーはモンスターたちに襲い掛かってしまう。
暴れるだけ暴れた末に結局モルテン・マンシングに捕らえられ、冷静さを取り戻したパニッシャー。モービウスはパニッシャーに自分たちがパニッシャーを甦らせた目的を語り、更にはこのメトロポリスならばパニッシャーの居場所となるかもしれないと言う。パニッシャーは地上で死に、そして今は地下で蘇った。ならば、地上に居場所がないお前が安寧を得られる場は家族となれる同胞がいる“ここ”だけだ、と。
だが、パニッシャーはモービウスの申し出を断ってしまう。自分の居場所は血と硝煙に包まれた地上だけ、お前らの望みなんか知らないし家族にもならない。施術も切り上げさせ、朦朧とした意識のままモンスター・メトロポリスを後にするパニッシャー。フランケンと化したパニッシャーは何処へ往くのか...。