地獄に囚われたジョニー・ブレイズ。
悪魔たちとの永遠に続くデスレースに勝利すべく、復讐のロードを走り続けろ!
【あらすじ】
悪魔と天使が地上で起こした騒動の暫く後、未だにジョニーは地獄に囚われて悪魔たちから逃げ続けていた。ジョニーが向かう先に待ち構えるのは現世へ続く門。だが、門に辿り着くには道を大きく切り裂き、業火の炎がうなる崖が。地獄から脱出するにはここを越えなければならない。しかし、ジョニーにこれを越える勇気はなかった。
決して悪魔たちから逃れることができないと悟ったジョニーは絶望の叫びをあげる。そんなジョニーを遠くから愉快そうに眺める影があった...。
【VICIOUS CYCLE】
悪魔の囁きも、天使の施しも信じてはいけない。地獄に囚われ、終わらない責め苦を味わってきたジョニーはようく実感したことだろう。「ロード・トゥ・ダムネーション(邦題:破滅への道)」にて地獄に現れた天使マラキが与えた任務のためにジョニーは地上へ戻ることができたが、その任務を完遂しても地獄からも、そして「復讐の精霊」の呪いからも解放されることはなかった。よくも騙しやがって、と語気を荒げて怒りを露にするジョニー。だが、いくら喚こうが結果は変わらない。悪魔も天使もみんな揃ってクソ野郎だ。地獄をひたすらに走り続けるジョニーはひとり毒づくしかできなかった。
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ところで、地獄と一言でいってもその世界は非常に広大だ。地獄に落とされたといっても何処に落とされたのか、そして“誰”が支配するエリアに落とされたのかが重要な問題だ。地獄王メフィストが治めるエリアだったなら、直接メフィストの元に出向いて地上に出せ、と要求をすればいいだけだった筈だ。しかし、ジョニーが落とされた地ではそれはできない。何故なら、ジョニーが走る地獄の支配者はメフィストと同じく地獄の王であり、サタンでもあるルシファーだったからだ。
ルシファーはメフィスト以上に残忍で狡猾、そして人間に対して容赦がない。彼の治めるエリアはメフィストたち他のサタンのものとは違って、獰猛な悪魔や化け物を多数擁している。そんな異形たちを人間に向かって放って、逃げ惑い、殺されていく罪人たちを眺めるのがルシファーの楽しみなのだ。
ここからは逃げられない。諦めの感情が芽生え始め、項垂れるジョニー。そんなジョニーの脳内に語りかけるのはかの「復讐の精霊」ザラソス。お前は逃げられない、悪魔たちが勝ったぞ、と宿主を煽るように嘯いていく。
頭の中から聞こえる悪魔の囁き。そんな囁きにはもう騙されない。そう決めていたジョニーはザラソスの言葉を否定するように地獄に拳を叩きつける。まだ終わっちゃいねえ。ジョニーの魂に再び復讐の炎が灯された時、ちょうどジョニーが拳を叩きつけた地面の下で小さな悪魔の姿が。気味が悪い姿に嫌悪感が生じるが、この小さな悪魔は地獄の底の奥深くに現世へと繋がる道を掘り出そうとしていた、つまり地獄から逃げ出そうとしていたのだ。ルシファーの配下が放った兵に連れ戻されていく悪魔グリークシクスはジョニーに助けを求める。
悪魔は信じない、そう決めたジョニーだったがあの悪魔が示した道は確かに存在するようだった。ならば脅して道案内をさせるくらいはいいだろう。ルシファーの居城で処刑されようとしていたグリークシクスを助けだしたジョニーは、小悪魔と共にルシファーの支配から逃れるべくあの崖へとバイクを走らせる。逃げられないと喚くグリークシクスだが、地上へ脱出する希望を見たジョニーに躊躇いはない。追手の悪魔たちが放つ攻撃を全て避けてみせ、アクセルを回し全開で飛び越えてみせるのだった。
ルシファーの追撃を逃れたジョニーは、グリークシクスと共に現世へと繋がる道を進む。そこで小悪魔から語られるルシファーから受けてきた散々な仕打ちに対する不満や憤り。ルシファーが治める地から逃れたい一心でひたすらに足掻いてきたという悪魔に、どこか自分と繋がるものがあると感じたジョニーはグリークシクスを助けることを約束する。それが罠であると、ザラソスは警告していたのに。
ジョニーがルシファーの居城から連れ出した小悪魔の正体はルシファーだった。いったい何時入れ替わっていたのか、ジョニーも管理人も疑問に思う暇もなく、ジョニーはルシファーの手で地上へと送り出された。それは同時にルシファーが地上へ解き放たれたことを意味していた。もう悪魔の言うことは信じないと誓った筈なのに、ジョニーは信じてしまった。同情を誘おうと、人間の優しさに付け込んだ悪魔の何と恐ろしいことか。ジョニーは結局、ザラソスが言う通り悪魔が仕掛けた罠からは逃げられなかったのだ。
かくしてジョニーは、再びゴーストライダーとして地上へ戻ってきた。復讐のターゲットはルシファーだ。