[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GHOST RIDER ANNUAL(2023)#1

ハッピーハロウィン!

「恐怖の夜」の襲来を迎え撃つためにモンスターハンター、そして“復讐の精霊”が立ち上がる!

 

【あらすじ】

マサチューセッツ州はセイレム、古風で穏やかな一方で闇の歴史を抱える街並みにある一団が現れた。一見で堅気ではないと分かる風貌をしている彼らは一件の古本屋を囲いこむ。その古本屋には彼らのボスが求める「力」が隠されていたから。

彼らの名はフッズ・ギャング。生ける屍を従えるのは魔術を行使し、悪魔をも穿つ力を持つザ・フッド。フッドはある目的を果たすために、古本屋の店主を襲うが…。

フッドの本名を知る店主は、パーカー・ロビンスにバカな真似はやめろと忠告するもののフッドは耳を貸さない。次代の「魔」の王となるべく動くフッドの暴走を店主に止められる訳もなかった。

Halloween Spirit】

さて、本作の内容を解説していく前に、まずは本作のあらましから触れていこう。本作はゴーストライダー生誕50周年を記念したアニバーサリー企画の外伝であり、同時にハロウィンに併せて発表されたワンショットだ。ハロウィンということもあって登場するキャラクターもゴーストライダーだけでなく前述のザ・フッドやエルサ・ブラッドストーンといったオカルト系のキャラクターが多く登場する。全体的にダークでオカルトな雰囲気を漂う本作だが、ぶっちゃけると本編の方が遥かに怖い演出が多い(やっぱりフッドではメフィストの代わりは務まらないか)。ワンショットなので読みやすさを重視して読んでて「ビクッと」する場面は抑え気味にしているのかもしれない。

そんな本作でメインヴィランとして登場するザ・フッドだが、彼が古本屋に手下を連れて足を運んだのは件の本屋の隠し部屋に安置されていた魔本を求めてのことだった。「ハロウ・ゴスペル」、神聖な福音のタイトルが書かれた魔本には世の理を乱す禁術が記されていた。フッドはこの魔本の存在を何処から嗅ぎ付けたのか、この魔本に記された術を行使することで自分の王国、即ち地獄を地上に築こうと画策したのだ。フッドの野心を感じ取った店主はフッドを止めようとするも力及ばず本を奪われてしまう。彼も普通の人間ではない化け物だったが、むやみやたらに混乱を招くことを良しとしない「まともな」悪魔だったと言える。

ザ・フッドが発動させた禁術、その影響はハロウィンで活気づく街並みにすぐに及んだ。元々ハロウィンはこの世とあの世の境界が不安定となるのだから、フッドもわざとこの日を計画の実行に選んだのだろう。セイレムという地は中世には魔女狩りが横行した地であることもあるし、地上には邪念と無念を抱える魂が漂っていたのもフッドには好都合だったのだ。平和な街並みは一夜にして巨大なパンプキン状のドームに覆われ、街の住人は例外なく化け物へと姿を変えられてしまった。フッド本人は小物なのに相変わらずやる事はド派手だねぇ。

そんな異常事態を察知したエルサ・ブラッドストーンはジョニー・ブレイズとタリア・ウォーロードの元を訪れ、フッドの野望を阻止するべく協力を求める。エルサはモンスターハンターであると同時に古の魔術本を管理する役目を持つ女。彼女から見ても「ハロウ・ゴスペル」は危険な代物だったのだろう。エルサと同じく異常を感じ取ったジョニーたちは、彼女と共に魑魅魍魎が跋扈するセイレムへと向かうことに。

モーテルで休息を取っていたジョニーたちの元を訪ねてきたエルサを警戒するタリアと、彼女を諫めるジョニー。出会い頭にブラッドジェムの爆発をお見舞いされれば警戒するのは当たり前。エルサも相も変わらず過激な女だ。

 

セイレムを取り囲むドームには侵入者の体を化け物へと変えてしまう一種の結界が施されていたが、タリアの魔術でこれを無効化してドーム内に足を踏み入れる3人(エルサに実験台にされたタリアは怒っていい)。静寂と暗闇に包まれた街には怪しげな霧がたちこめ、異形へと変えられてしまった住人たちがジョニーたちの前に立ちはだかる。そんな彼らをできるだけ傷つけないよう、気絶させていく3人。しかし、戦いの中でタリアが悪魔の一匹に攫われてしまった。タリアを追うジョニーたちだが、往く手を同種の悪魔が遮る。怒りに駆られたジョニーはエルサのショットガンにヘルファイアを纏わせて、射殺してしまう。

「殺すなって言ったのはアンタじゃなかった?」エルサの追求にもコイツは悪党だから問題ない、とにべもなく言い放つジョニー。果たしてジョニーが撃ち殺した悪魔は、フッドの手下が悪魔へと姿を変えられたものだった。

フッドの手下の記憶をペナンス・ステアで読み取ったジョニーは一連の事件の首謀者がザ・フッドであること、そして彼が行使する術の源には「魔」を体に宿す者の生贄が必要であることを知る。タリアにはメフィスト由来の強力な「魔」が宿っているのだから生贄にはピッタリだったと言えるだろう。彼女を取り返さなければならない。タリアを救出するために、そしてフッドの野心のために傷つけられた罪なき人々の痛みを晴らすべくジョニーに憑依する“復讐の精霊”がその姿を現す。

ジョニーはゴーストライダーへと姿を変え、愛車のバイクも主の意志に応えるようにヘルサイクルへと変身する。結界を地獄の炎で強引に突破したヘルサイクルを駆り、ライダーはタリアの救出をエルサに任せ、フッドが召喚した悪魔を撃退するべく奔る。

巨大なカボチャ頭の悪魔はセイレムに漂う魔女をはじめとした怨霊の集合体。千年分の恐怖と憎悪を凝縮させたその巨体の一撃は、ライダーのそれを上回る程だった。しかし、負ける訳にはいかない。“復讐の精霊”は「彼ら」の無念を利用するフッドを決して許さない。地獄の鎖で縛り上げ、身動きを封じるのに徹するのは「彼ら」に同情したからか。

ライダーが悪魔を抑えている間にエルサは、悪魔へと姿を変えたフッドの手下たちを片付けながら単身、フッドが儀式を執り行う祭壇と化した古本屋へと足を踏み入れる。幾つもの罠を破り、手下たちの脳天をスタイリッシュに撃ち抜く様は流石の一言(このシーンはマジでカッコいいぞ!)。そうして件の隠し部屋へと辿り着いたエルサが見たのは、魔人化したフッドとこれに魔術を以て抵抗するタリアの姿。タリアは囚われながらも持ち前の知識と洞察力で、この事件の解決策を見出していた。その解決策は至ってシンプル、「ハロウ・ゴスペル」を閉じるだけ。古典的だが実に分かりやすい王道な方法だ。

魔本を閉じさせまいと抵抗するフッドだったが、彼の放つ魔弾は悉くモンスターハンターに躱されてしまう。「ハロウ・ゴスペル」は閉じられ、巨大な悪魔もまた術者を道ずれに姿を消していった。これで一夜限りの恐怖も終わりを迎えたのだった…。

 

夜が明け、朝日に照らされるセイレム。化け物へ姿を変えられた街の住人は元の姿に戻り、件の魔本もエルサの元で管理されることになった。これでおかしな騒動も起きないだろう。消えたフッドの消息が気掛かりだが、とりあえずは事件解決ということでジョニーたちはセイレムを後にする。

しかし、タリアの目にはうっすらと残るフッドの姿が“視”えていた。気のせいとは思えないこの邪念の存在が再びジョニーの前に立ちはだかることになるのか、それとも…?

 

 

来たるゴーストライダー誌最終章「ゴーストライダー:ファイナル・ヴェンジェンス」。そこで登場する新ライダーの正体はまさかのザ・フッド!?

今回のエピソードがまさかの伏線だったとは…。読めなかった、この管理人の目をもってしても!!