[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

アメコミ:GHOST RIDER(2006)#23

“約束された地”で繰り広げられるデスレース!

勝利の女神が微笑むのはどいつだ!?

 

 

前回はこちらから↓

 

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【あらすじ】

ルート18で待ち受けていたゾンビたちを蹴散らし、追いすがる殺人ナースたちの手から逃げるライダー。もう少しでニュー・ビューラから脱出し、ザドキエルの計画を知る少年から情報を手にすることができる。しかし、この地はヒトが抱いた希望を刈り取る魔境の地だ。ジョニーたちを逃がすまいとするナースたちの生き残りと街の葬儀屋が往く手を阻む。天使たちの陳腐な策略などゴーストライダーには通じないということを、身をもって教えてやらなければならない。

十字路のど真ん中で衝突し、炎上するマシンの残骸をぶち破るライダー。
しかし、その最中ルーカスと逸れてしまうが…。
【Heart of Madness】

片田舎に訪れた骸骨頭のバイカーが一人の少年を護るために、天使を崇拝する殺人ナースや新鮮な血肉を求める食人ゾンビたちと激闘を演じる某ダイナミックなプロもびっくりな展開が続いた「Hell-Bent and Heavn Bound」編も遂に今回で完結。ザドキエルへの復讐心に取りつかれたジョニー・ブレイズは、件の天使の企みを知るルーカスを街の外へと逃がしつつ邪魔をする者たちを抹殺して回った。超常の事態が立て続けに起こり怯えるルーカスだが、彼もまたナースたちの魔手から逃れようとライダーの伸ばす手を離さないでいた。

その戦いももうじき終わる。目の前で盛大にクラッシュし、マシンから放り出されたナースたちは生きてはいるが既に虫の息。執念だけで“復讐の精霊”に向かってくるがそんなものでゴーストライダーを止められる訳がない。1人、また1人と裁きの一撃を受け絶命する部下たちを追うかのようにナース長もマシンガンの銃撃を浴びせるが、いずれもゴーストライダーにはノーダメージだ。ナース長の武器を鎖で破壊し、拘束したことで最早勝敗は決したようなものだ。あとはザドキエルの居所と目的、そしてこの「約束された地」に漂う“どす黒い悪意と死臭の正体”を聞き出すだけ。

しかし、そうは問屋が卸さない。悪魔がただでは死なないように、天使もまた計画を成就するためには容赦はしないのだ…。

鬱陶しかったナースたちもぶち殺し、残るリーダー格も捕らえた。
あとは話が聞き出せそうなのは乱入してきた葬儀屋のジジイとコワルスキー警部。
お前らみんな逃がさないぞ。
【Safer】

ジョニーがナースたちの生き残りを血祭りに上げている中、ジョニーと逸れたルーカスは1人暗闇に包まれた街の中を逃げ回っていた。戦う手段を持たない彼が取れる手段は逃げることだけだ。天使の崇拝者たちも直にゴーストライダーの手で始末されるのだから、その間に安全な場所に隠れていることがベストな選択だろう。だが、そんな逃げ惑うことしかできない哀れな存在を天使は見逃さない。ザドキエルからすれば自分の計画がジョニーに知られるリスクが最も高いのは、ルーカスが生き残ってしまうことだから。

ジョニーと逸れた今こそルーカスを消す絶好のチャンス。路地裏に身を潜めるルーカスに近付く彼の天使の“使者”。使者はルーカスにルーカス自身に訪れる未来を語ると…。

ナース長たちを締め上げるジョニーたちの前に現れたルーカスは自身に銃を向ける。
自身の未来を知った少年が、天使の魔手から逃れるために取れる手段はこれしかない。
…馬鹿野郎が。

使者から何を吹き込まれたのか、少年は天使たちから逃れるために自殺という禁忌を犯した。ルーカスは自ら地獄に堕ちることで、ザドキエルの手が届かない場所まで逃げおおせたのだ。しかし、こんな手段も結末も許さるものではない。逃げることしかできないとしても立ち向かう意思を持っていれば、自らの命を絶つなんて真似などしなかった筈だ。もう少し早くジョニーがルーカスと出会い、交流を重ね共に生き残る意思を共有していればこうはならなかったのではないか。悲しみに暮れるジョニーを嘲笑うナース長だが、彼女らの体も“神の導き”からか灰塵へと崩れていく。

結局、ジョニーがこの戦いで得られたものは何もなかった。あるとすれば尽きることのないザドキエルへの怒りの炎が、また一段と激しく燃え上がったことくらいだろう。

ザドキエル、この卑怯者め!コソコソ隠れずに出てきやがれ!」
ジョニーの悲痛な咆哮は天には届かない。だが、物陰に隠れて事の顛末を見届けていた使者にはしっかりと届いていた。

こうなってはジョニーにできるのは逃げるチャンスを伺っていた葬儀屋に怒りをぶつけることだけだ。この葬儀屋は何かを隠しているようだが、そんな隠し事はゴーストライダーの“魔眼”の前には無意味だ。葬儀屋の正体は、開拓される以前のニュー・ビューラの住人たちを殺害してきた殺人鬼。彼は殺した人々の血肉を剥ぎ、神への供物として捧げ、残った“残骸”はルート18の道端に佇む墓に埋葬してきた。ルート18に出没するゾンビたちは、彼の手で殺された者たちの怨霊だったのだ。

この男には報いを与えなければならない。ライダー自身の手ではなく、ゾンビたちの手で。復讐を果たすことで怪異も収まるだろう。鎖に縛られ、身動きを封じられた葬儀屋は過去に犯した業をその身をもって清算することになるのだった。

葬儀屋を渡すまいと、ライダーにナイフを向けるコワルスキー警部。
しかし、彼もまたライダーからすれば悪党の1人に過ぎない。彼がこの地にやってきたのは警察官としての責務からではなく、自身のちっぽけな名誉のためだったから。
ペナンス・ステアを受けて廃人にならなかっただけ有り難いと思え。

 

長くされど嵐のような一夜が過ぎ、ジョニーはニュー・ビューラを後にする。もうこの街に用はない。バイクを走らせるジョニーの目には、サングラスに隠れていても爛々と輝く地獄の炎が。必ずザドキエルを見つけ出して報いを与える。自分の復讐心のためだけでなく、ルーカスのような犠牲者の無念を晴らすためにも成し遂げなければならない。

再びあてもなく彷徨う旅を始めるジョニー・ブレイズ。そんな彼を見送る影の存在に、ジョニーは気付いていなかった…。

影、例の使者はガソリンスタンドの店主と共にジョニーが街を去ったことを確認する。
ジョニーにニュー・ビューラでの奇妙な噂を教えた店主もまた、ザドキエルの崇拝者。
そして使者もまたその1人。使者の名はダニー・ケッチ。かつてゴーストライダーとして悪と戦った男であり、ジョニー・ブレイズの弟。