[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:SUPERIOR SPIDER‐MAN:TEAM UP#11

禁断のチーム・アップ!?

暴かれたドクターオクトパスとグリーンゴブリンの確執!

 

 

前回はこちらから↓

 

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【あらすじ】

ゴブリン・ネイション。グリーンゴブリンことノーマン・オズボーンと彼が率いる軍隊の手でニューヨークが制圧された。地上は逃げ惑う人々の悲鳴であふれ、空には下卑た高笑いを上げながら飛び交うグライダーの群れが。ニューヨークはまさにゴブリンたちの理想国家と成り果てた。

オズボーンの暴挙を阻止すべく行動を起こしたスーペリア・スパイダーマンだが、ジェイムソン市長が独断で起動したロボット「スパイダー・スレイヤー」とスパイダーマンを警戒視するスパイダーマン2099の妨害に逢い、ゴブリンを見失ってしまう。しかし、オズボーンは事前に用意していたトラップでスパイダー・スレイヤーを掌握。瞬く間に2人のスパイダーマンを締め上げる。

オズボーンの高笑いが響く中、オットーの脳裏に浮かぶのは怨敵との初めての出会いだった…。

スパイダー・スレイヤーはアルケマックス製のロボット。アルケマックスに潜入していたミゲルはロボットの制御権を握っていた筈だったが、オズボーンの科学力は2099年のそれを軽々と上回る。
科学力でも戦闘でも、オットーはこの男には勝てないのか…。
【在りし日の過ち】

数年前、ヨーロッパ某所。雷が鳴り響き、雨が降りしきる闇夜の中ある男が屋敷を訪ねた。使用人が男を出迎え、薄暗い屋敷の中を案内するが廊下には不気味な仮面が無数に展示され、仮面には監視カメラが仕込まれている。この屋敷は真っ当なものではない。男はすぐさま引き返すべきだっただろうが、この男には引き返せない理由があった。男の名はオットー・オクタビアス。世間ではドクターオクトパスの名で恐れられるヴィランだ。彼は果たせなければならない重大な使命を胸に秘めてこの屋敷へやってきた。この屋敷に自分を招いた人物の正体を確かめなければならない。

警戒を強めながら廊下を歩むオットー。そして、屋敷の奥へと案内された彼を待ち受けていたのはスパイダーマンとの戦いの末に死亡した筈のノーマン・オズボーンだった。突然の事態に驚くオットーだが、死んだ人間が生き返ることなどあり得ないことであり、雷に照らされる彼はオズボーンに成りすました偽物だと断じた彼はコート内に潜ませていたメタルアームを起動して襲い掛かる。だが、オットーの考えとは異なり、眼前の男はオズボーン本人だということが本人から明かされる。彼が蘇った理由はただ1つ。憎き宿敵スパイダーマンを亡き者にすること。自分と「チーム・アップ」しスパイダーマンを倒す、そのためにオズボーンは自分と同じくスパイダーマンには煮え湯を飲まされたオットーを呼び寄せたのだ。

オットーは2つ返事でこれを了承。彼にとってもスパイダーマンは倒すべき障害であり、オズボーンの要請を蹴る理由はなかった。共にスパイダーマンを倒そう。

ドクターオクトパスとグリーンゴブリン。スパイダーマン最大の宿敵が共に戦えば、蜘蛛などに遅れは取らない。
そう上手くいくかどうか…。

こうして2人のヴィランたちによる「打倒スパイダーマン」に向けた作戦は開始された。2人は互いの科学技術を惜しみなく提供し合い、研鑽に励んだ。グリーンゴブリン専用のテンタクル・ハーネスの開発に、グライダーのパワーアップ。そして対スパイダーマンを想定した実践的なシュミレーションを繰り返す。あくどい笑みを浮かべながら実験を行う2人は実に楽しそう。

その中で2人の間には共通した宿敵の打倒という意思の他にも、友情にも似た感情が芽生えていた。オットーのことを“ゴブリン”にも並ぶ最高の友と称するオズボーン。オズボーンは妻には先立たれ、息子のハリーとは半ば絶縁状態。もう一つの顔であるゴブリンのマスクに語りかける程なのだから、オズボーンも本心では寂しかったのだろう。オットーがいるから平気だと笑顔で語るオズボーンだが、そんな彼にオットーは自分が「結婚」していた事実を明かす。

驚くオズボーンだが、同時に彼の中で黒い感情が芽生え始めた。信じていた筈の友人が自分に隠し事をしていた、自分を裏切った。オットーはそんなことは微塵も思っていなかったのだが、疑心暗鬼に捕らわれたオズボーンの暴走は止められない。

オットーの告白に盛大に噴き出すオズボーン。オットーの妻の名はアリス。
覚えたぞ、その名前…。

オズボーンからの怒り(という名の逆恨み)を買ってしまったオットーだが、暴力に訴えるグリーンゴブリンを黙らせて一度は事態は収束する。ノーマン・オズボーンが戦う目的はスパイダーマンを倒すことだが、オットー・オクタビアスにとってスパイダーマンを倒すことは“過程”に過ぎない。彼の目的は自分こそが誰よりも優れている(SUPERIOR)ことを証明することなのだ。2人の目標の到達地点が違うのだから、そもそもこのチーム・アップが破綻するのは当然の帰結だったと言える。

それでも2人は共に研究に勤しみ、当初の計画通りスパイダーマンを倒すための準備を進めてきた。怨敵がカーネイジと激闘を演じるニュースが報道される中、テンタクルハーネスを装備した「オクト・ゴブリン」スーツを共同開発させたことで、オットーの胸中にここにきて漸くオズボーンと組むことが正しいことなのではないかという希望が芽生えていた。妻との幸せな時間と友人との時間を両立させることは難しいだろうが、誰よりも優れている自分には訳ない。傲慢極まるオットーはそう考えていた。

だが、当時の彼はグリーンゴブリンの本当の恐ろしさを知らなかった。ゴブリンは一度ターゲットに定めた相手を執拗に狙い、大切なものを奪い、破滅へと追いやる。無論ゴブリンの狙いは自分から友人を奪った憎き女、そしてその友人。

オットーが彼に潜む“闇”を知ったのは、オットーの大事なものが奪われた時だった…。

オットーを病院へと呼びつけたオズボーンは計画を変更すると言い放つ。
その計画の全貌は、ドクターオクトパスを破滅させること。変わり果てた姿のアリスにオットーは…。
次回、スーペリア・スパイダーマン:チーム・アップ最終回。