“復讐の精霊”の往くロードを阻むことは何人も不可能!
骸骨頭が光り物を抜けば、後に残るのは殺人ナースの骸とゾンビの破片だけよ。
前回はこちらから↓
【あらすじ】
大天使を崇拝するナースたちとの死闘を演じながらも、ルーカスを渡すまいと荒野を駆けるゴーストライダー。しかし、彼らが往く道はニュー・ビューラでは“いわくつき”として有名なエリアであるルート18に繋がっていた。果たしてルート18に現れた死霊たちは新鮮な肉を求めて一斉にライダーたちに襲い掛かる。
ゾンビ如きがライダーの邪魔をできると思うなよ。全員ゾンビの一体から奪った出刃包丁でぶった切ってやるよ!
【DEATH RACE】
ルート18。そこでは真夜中に道行く人々をゾンビたちがバラバラに引き裂き、惨殺する事件が相次いでいた。目的も動向も何もかも不明、ただ残るのは無残な姿を曝す死体に道路脇に無数に建てられた墓標の数々だけ。地元民は誰もそのルートに近づかない。このルートを通るのは街の伝説を知らない余所者だけ。そして通った者はみんなゾンビたちに殺された。
「約束された地」にこんな物騒過ぎるエリアがあるのに驚きだが、この地は異邦者である天使を崇拝する者たちが先住民たちを迫害して成り立ってきた地だ。ヒトに対して一切の情を持たないザドキエルのこと、彼らのために多くの罪なき者たちが犠牲となったことは容易に想像がつく。ザドキエルを崇拝するナースたちも近寄りたがらないこのルート18は、かなり「闇」が深い地なのだろう。だが、そんなことはジョニーと“復讐の精霊”には関係のないこと。ジョニーたちはゾンビたちの詳細を知らない。もしかしたら彼らはザドキエルの手で殺された者たちが亡霊となって彷徨っている地縛霊なのかもしれない。元々は哀れな存在なのかもしれなかったのだろうが、今や彼らもザドキエルたちと同様に罪なき者たちを傷つける罪人と成り果てている。そんな連中をゴーストライダーが許す筈もない。
怯えるマーカスを叱咤しながらもヘルサイクルを走らせるライダー。しかし、切っても切ってもゾンビは次から次へと湧いて出てくる。やがてゾンビの1体の奇襲を受け、派手に転倒してしまう。ライダーは納屋に吹き飛ばされ、マーカスは道に投げ出される。ライダーが意識を取り戻した時には、マーカスは無数のゾンビたちに取り押さえられていた。絶対絶命の状況にジョニーに助けを求めるマーカス。そんなマーカスと“復讐の精霊”を嘲笑うゾンビたちだったが、それがジョニーたちの怒りの炎に油を注いでしまったことには気付いていなかったようだ。納屋で見つけた草刈り鎌にヘルファイアを纏わせたライダーは瞬く間にゾンビたちの首を落とす。戦いの最中で、マーカスは馬を駆るカウボーイ風のゾンビに連れ去れてしまったが問題はない。何処に逃げようが“復讐の精霊”は悪党を決して逃がしはしないのだから。
ナースたちの追撃をかわし、ゾンビたちも灰燼に帰した。あとはマーカスを連れてニュー・ビューラを脱出するだけだ。ヘルファイアは罪人のみを焼き尽す地獄の炎、その炎を受けてもマーカスには全くダメージはないので安全だ(マーカス本人は今度こそ死んだと半狂乱だったが)。
しかし、ここで諦めるナースたちではない。ここでマーカスを逃がしてしまえば、ザドキエルの計画に支障をきたす。今ここで主の計画がマーカスを通じてジョニーに知られるのはよろしくない。何としてでも阻止しなければならないのだ。逸るナース長だが、そこに1人の男から着信が入る。男はザドキエルの計画が遂行される前に障害を必ず排除せよとナース長に釘を刺す。男はゴーストライダー、そしてジョニー・ブレイズのことを知っているようだが…。
逃げるゴーストライダー、追いすがるナースたち。そしてナース長の傲慢さに嫌気が刺して離反を企てるナース。更にはコワルスキーを攫った葬儀屋。それぞれの思惑が交錯し、やがて1つに結びつく。そこが、このデスレースのゴールだ。