ルシファーとの長き戦い、終結。
地獄の王との戦いを制した時、新たな脅威との戦いの幕が上がる!
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【あらすじ】
ルシファーの正体とマラキムの計画を知ったジョニーと“復讐の精霊”。2人は超常かつ高次元の存在である彼らへの復讐を決意する。自分たちを散々に利用し、そして今もなお弄ぼうと画策する奴らの存在をゴーストライダーは許さない。
天使たちは自らの手で首を刎ねた。今度はルシファーを滅ぼす。ルシファーが憑依した死人を捕らえていたライダーは急ぎ向かうが…。
【明けの明星が堕ちる日】
地獄での脱走劇から始まった復讐の物語が終わる。己の野心と愉悦のために多くの人間たちの人生を奪い、尊厳を踏み躙ってきた地獄王は己の正体を明かし、ゴーストライダーの前に立ちはだかった。私と契約を結ぶことが、どれだけの利を齎すかを理解しない愚か者に負ける私ではない。初っ端から戦闘モードの姿を現したルシファーは剛腕でライダーを殴り飛ばし、散々に罵倒する。ルシファーは嘗ての同胞であったザドキエルによってジョニーとの契約を台無しにされた挙句、永劫の時を地獄で過ごす羽目になった。ジョニーと“復讐の精霊”を味方に付けることが出来れば、ザドキエルを倒すことなど訳はないとルシファーは考えていた。神に最も近いと嘯く天使たちを天界から地獄に引きずり落とし、苦痛と絶望に歪む彼らの顔を眺めることはルシファーが望む絶景であり、同時に人間を神の創造物の中でも“失敗作”と嘲笑う天使たちの鼻っ柱をへし折ることは人間たちにとっても悪い話ではない。
ルシファーの言い分は間違ってはいない。これまで地上に現れた天使たちの多くは人間を卑下し、利用することしか考えていなかったクソ野郎共だった。ジョニーたちも何度も彼らには煮え湯を飲まされてきた。しかし、だからといってそれがルシファーと手を結ぶ理由にはならない。奴もまた、彼が憎悪する天使には変わりはないから。それにこれまでにルシファーの手前勝手な理由で何人の罪なき者たちが死んだことか、彼らの無念を晴らすために戦い続けてきた“復讐の精霊”はルシファーへの怒りの炎を激しく燃え上がらせる。その炎はジョニーの戦意を高め、「どんな手段を使ってでも」倒す決意を漲らせる。悪魔を倒すには悪魔が仕掛けた罠を、気づかれないように利用してやるのだ。
「ワールドウォー・ハルク」での一件以降、ルシファーが憑依した死体をひたすらに狩り続けてきたジョニーたち。その中で2人は脳天を貫かれてもなお生き永らえていた死体を捕らえていた。この死体こそ、ルシファーを打倒する切り札となるとジョニーは考えた。地獄王の強大な力のいわば核の役目を担う死体を捕らえたジョニーは、ルシファーに気付かれる前に安全な場所に隠した。その場所こそがディクシーの待つペンションだ。ルシファーはジョニーを付け狙う割には、ジョニーと関係のある者たちを襲わない。故にジョニーはディクシーの元へ死体を送り付け、隠させたのだ。無論ディクシーからすれば死体が送り付けられるなんて冗談ではない話なので、ジョニーに電話をかけて説明を求めてきた。しかし、その電話をジョニーは全て無視してきたのはこれまでの話の通り。ルシファーを倒すためにジョニーは心を鬼にした。復讐を果たす。そのためにディクシーを利用したのだ。
ライダーの放った鎖の一撃がルシファーの脳天を貫き、地上で活動していたルシファーが憑依した死体も全て「駆除」された。これで長きに渡った復讐の戦いが終わった。だが、ジョニーと“復讐の精霊”にはまだ復讐を果たすべき奴がいる。ザドキエルを倒す。奴を倒さなければ復讐は完遂されない。ルシファー、そしてジョニーのために命を落とした罪なき者たちの無念を晴らすために。それが非道に手を染めたジョニーが取れる唯一の償いだろう。
ジョニー・ブレイズが往く復讐のロードはこれまで以上に過酷を極める。そこに何が待ち受けるのかはいずれ分かるだろう。