[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:PUNISHER(2009)#7

後悔と懺悔、そして確執。

怒りと悲しみの感情が、フッドが蘇らせた悪党たちとの戦いのゴングを鳴らせる!

 

 

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【あらすじ】

ザ・フッドとの戦いに明け暮れるパニッシャー。ある日、彼は1人教会を歩いていた。己の所業と後悔を懺悔する為に。家族が殺され、殺した者たちも殺して、終わらない闘争を続けることを嘆く、普段では決して見せないフランク・キャッスルの弱み。しかし、その弱みは敵にとっては無敵の処刑人に付け入る為の格好のエサだ。

何人たりとも己の心には踏み込ませない、近づけさせないパニッシャーの心の壁は少しずつ擦り減っていた。その脆くなった壁は悪魔の侵入を許してしまう。

どんな相手だろうと人殺しは大罪。
己の間違いを理解しているフランクの表情は暗い。
【無敵の男の弱点】

これまでパニッシャーは多くの悪党たちと戦い、悉くを打ち倒し、処刑して回ってきた。今回のシリーズでもノーマン・オズボーンやザ・フッドと彼らの部下たちと戦い、命を奪ってきた。あいつらは市民の生活を脅かし、食い物にする悪い奴らなのだから死んで当然。そう割り切れれば、フランクの心はどれだけ楽になったことだろうか。

パニッシャーとしてヴィランやヒーローたちから恐れられるフランク・キャッスルだが、彼とて元は人並みの正義感と溢れる義憤の感情を持つ普通の一般人。“正義”の為に、“復讐”の為にと建前を言っても殺人はやってはいけないことだと自覚しているフランクは頭の片隅ではずっと後悔の念を抱いていた。そしてその後悔は、既に信じることができなくなっていた神への懺悔に繋がっていた。いくら懺悔しても奪った命は帰ってこないし、奪われた命も自分の元に戻ってこない。

尽きることのない怒りと悲しみの感情、その負の感情は時に悪夢を見せる。

愛する妻と子供たちの成長した姿。
フッドが見せる彼らの姿は次第に血に濡れ始める。これは悪夢だ。

フランクが懺悔した相手はザ・フッド、そしてフッドはフランクが抱える血塗られた呪いをこれでもかと見せつける。お前に彼らを迎える権利なんてない、お前はお前自身が犯してきた罪の上に立つのがお似合いだとフランクを詰め寄る。

積み重ねてきた罪の上に立つフランクの顔は、自分が殺してきた有象無象の悪党たちと同じもの。パニッシャーの業の深さをまざまざと見せつけることに。

この悪夢がフランクをより追い詰めてしまったことは言うまでもない。

自分が突き進んできた血塗られていた道は夥しい死体と骨で舗装されている、この事実を改めて突き詰めらたら、フランク・キャッスルという男は意固地になってその道を突き進む。それ以外の道には進めないのだから。そして自分の業に付いてくる者を突き放してしまうのだ。

骨の山の君主、と軽口を叩くヘンリーを締め上げるフランク。
間が悪かったとしか言えないが、2人の関係に更に亀裂が入ってしまった。

 

パニッシャーが不調を抱えてしまっても、現実世界のザ・フッドらが攻撃の手を緩めることはない。初代椅子の男、マイクロと電脳空間を行き来するスーツを装備するハイジャッカーがパニッシャーがいるであろうを場所をしらみつぶしに探し、パニッシャーを殺して明日を掴む為に悪党たちが策謀を巡らせていた。

しかし、ひとりひとりが厄介な能力を持つとしても所詮は烏合の衆だ。独断行動に出る者はいるもの。ザ・フッドの元から離れたヒューマン・フライはその1人だ。

まずはこの男から始末する。戦いのゴングは鳴った。パニッシャーの往く道に死体が新たに加わわろうとしていた…。