パニッシャーとザ・フッドの戦いは次のステージへ。
狩りを続けるパニッシャーの行く道に敵はいない!
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【あらすじ】
ニューヨーク、この街の地下深くで悍ましい儀式が執り行われた。悪魔の力を操るザ・フッドが死んだ多くのヴィランたちを蘇らせ、自身の配下に加えたのだ。パニッシャーを倒す為に。最強の処刑人を始末する為には、甘言で釣った超人で行う人海戦術が最適。ザ・フッドはそう考えたのだ。
果たして彼らの目論見通りにいくか、見物だ。
【DEAD END】
ザ・フッドが蘇らせた超人たちは皆揃って、ヒーローと戦って命を落としたB級もいい所なヴィランたちばかりだ。厄介な能力を持つ者もいるにはいるが、とてもパニッシャーを倒せるようなメンバーだとは思えないのが事実だ。
彼らも自覚しているのか、フッドの考えは無謀だと非難する。フッドが語るパニッシャーの戦い様を聞けば尚更だろう。
パニッシャーはフッドに狙いを定めてから徹底的に彼のアジトを壊して回っていた。フッドに協力する者は証人となる者を除いて、全員皆殺し。今までの戦いで生き残っていた戦闘訓練を受けた特殊部隊や胡散臭い中国科学者たちの生き残りも、皆残らずパニッシャーの裁きを受けた。不意打ちに、暗殺、ヒーローの装備を使用と手段を選ばずに戦うパニッシャーに恐れるのは仕方がない。
だが、彼らはフッドの言うことを聞く以外に道はないのも事実。フッドは彼らをただで蘇らせた訳ではない。彼らの記憶や感情のコントロールがフッドには可能なのだ。せっかく蘇って正真正銘の操り人形になりたいのでないのなら、自分の目的に協力しろ。
どちらにも得があるビジネスだと言わんばかりのフッドに同調する者もいれば、フッドの手下はまっぴらごめんと逃げ出す者もいると足並みが揃わないヴィランたち。何処へ行って何をしようが、彼らもパニッシャーに倒されるだけだ。
足並みが揃わないヴィランたちだが、一方のパニッシャーと“椅子の男”ヘンリーとの間にも少しずつ軋轢が生じてきた。先述したパニッシャーが破壊して回ったアジトはヘンリーが提供した情報にはないものだったのだ。情報を提供するよりも早く行動を起こされては“椅子の男”の必要性がない。自分がパニッシャーの元にいる意味が無くなってしまったのではないか、憤るヘンリーだがパニッシャーは肯定も否定もしない。
元々は自分1人で戦ってきた、今回はその定石通りに動いただけ。
おもちゃを手に入れて上機嫌だったヘンリーだったが、彼の行く末に陰りが生じ始めてきた…。
もはや戻れないところまで行きついたパニッシャーとザ・フッドの戦い。
両陣営とも足並みが揃わずギクシャクした関係のまま、これまで以上の血が流れる凄惨な戦いが始まろうとしていた…。