[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GHOST RIDER:CAPTAIN AMERICA:FEAR

スケアクロウ復活!

蘇った狂人を止める為に復讐の精霊と自由の番人が立ち上がる!

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【あらすじ】

ブルックリン。今夜もギャングやマフィアによる犯罪が起こる街、この街では度重なる犯罪に対処すべく組織形態を強化された警察と復讐の精霊が目を光らせ、取り締まっていた。ただし、警察からは依然としてヴィラン同様にゴーストライダーは危険視されていた。

そんなある日、とある施設で検死されていたスケアクロウが突然息を吹き返して脱走。街に戻ったエベネザーは再び人々から“恐ろしいもの”を解放する為に、キャプテンアメリカへのリベンジの為に殺人を犯す。その凶行の末にダニーの恋人であるステイシーが攫われてしまう。恋人を救うべくゴーストライダーと、そしてスケアクロウと因縁を持つキャプテンアメリカスケアクロウを追跡するが…。

街中のカラスを使役し獲物を探すスケアクロウ
彼の体と精神はもはや人間のそれでは無くなってきている。
【ヒーローの在り方】

さて、今作はゴーストライダーキャプテンアメリカのバディーストーリーという世にも珍しいワンショット。2人が相対するのは因縁深いサイコキラースケアクロウという令和の現代から見るとかなり斬新な作品だと思われるかもしれない(スティーブは意外とオカルト系の作品に出てたりするんだけどね)。

そんな本作でゴーストライダーは始めてキャプテンアメリカと出会った。厳密に言えば二代目ゴーストライダーが始めて会ったのであって、初代ゴーストライダーであるジョニー・ブレイズは既に出会っている(そして火あぶりにした)わけだが、このベテランヒーローとの出会いはライダーにとって非常に大きな意味を持っているだろう。

ライダーがブルックリンを護るようになってから数か月、街では犯罪者とライダーによる戦いとそれに伴う二次被害が絶えなかった。それにより警察や街の住人からは未だにライダーはモンスターとして恐れられていた。ライダーが危害は加えないと言っても、助けてもらった人々は震えるばかり。恐ろしい容姿をしているのだから仕方ないと言えるが、この事実はゴーストライダーと、そしてダニー・ケッチを苦しめていた。何せ警察には恋人のステイシーとその父親もいて、二人共ゴーストライダーを警戒しているのから。人には決して言えない秘密、自分がゴーストライダーである秘密を抱えるダニーは益々追い詰められていたのだ。

ショッピングモールに人質を取って立て籠った犯罪者を裁きに向かうライダー。
だが、孤独に戦う彼の理解者は未だに誰もいなかった。

だれも理解者がいないゴーストライダーだが、キャプテンアメリカだけは彼の活動を正当に評価して復讐の精霊の使命を認めてくれた。犯罪が謳歌する街にはゴーストライダーが必要、彼が戦うことで救われる命があるのだ。そこに恐ろしいモンスターの容姿は関係ない。過去にもゴーストライダーとよく似た姿を持つ男とチームを組んだこともあるキャプテンアメリカゴーストライダーに協力を持ち掛け、共にスケアクロウを追いかける。彼の言葉はライダーと、ダニーにとって幾分か救いとなっただろう。

ヘルサイクルにニケツで乗り、街を駆ける。
良い子も悪い子も真似しちゃ駄目だぞ。
【PSYCHO STORM】

ゴーストライダーには救いとなったキャプテンアメリカとの出会い、では件のスケアクロウにとってはどうだろうか。スケアクロウキャプテンアメリカ固執する理由は、幼少期のエベネザーを虐げてきた父親を彷彿とさせるから。正義面をして自分を愛する母親から引き離した憎い父親、そんな男に似ているキャプテンアメリカを打ち倒すことで母親からの愛を貰おうとしたのだ。その母親はもういないのに。

実はエベネザーが愛する母親は幼いエベネザーに酷い暴行と愛情を注いだ、とんでもないモンスターペアレントだった。しかし、エベネザーはそれでも母親を愛した。自分にとっての母親はこの人しかしない、この人に喜んでもらえるなら何でもやると盲執と狂気に蝕まれたエベネザーは母親役としてステイシーを攫い、キャプテンアメリカを抹殺することで彼女に褒めて貰おうとしたのだ。…ステイシーからすれば災難以外の何者でもない。スケアクロウと化したエベネザー・ラフトンにとっては、キャプテンアメリカの存在は最早呪いとなっていたのだろう。

道行くカップルの殺害現場を見られたスケアクロウは警官を惨殺。
だが、母親の面影がある(ように見えた)ステイシーだけは殺さなかった。

復活したスケアクロウは強かった。身体的な特徴として異常に柔らかい体を持っていたスケアクロウだが、そこにキャプテンアメリカと正面から戦えるだけのパワーまで備わっていたのだ。大量のカラスが集まっている洋館をスケアクロウの居所だと見抜いたキャプテンアメリカゴーストライダーだが、さしもの二大ヒーローもスケアクロウの強大なパワーと底なしの狂気の前に仕留めることができない。

しかし、こんな殺人鬼に負けるヒーローではない。洋館内に転がる夥しい数の死体の山を目撃したライダーの怒りが爆発。彼らの無念を晴らすか為に復讐の精霊の猛攻に晒され、一転として劣勢に追いやられるスケアクロウ。だが、ライダーはスケアクロウを殺さなかった。自分はスケアクロウのようなモンスターとは違う、そう言い聞かせながら復讐の精霊の本能に抗ってみせたのだ。

 

攫われたステイシーはキャプテンアメリカと娘を救うべく単身で乗り込んだステイシー警部によって救出された。これでめでたしめでたし、とはならない。

母親を奪われた怒りに燃えるスケアクロウが襲いかかったのだ。ゴーストライダーから受けたダメージも無視して立ち上がるスケアクロウに待ったをかけたのは一発の銃弾だった。

ステイシーが震えながらも放った一発の銃弾。
その一発は、狂気に染まっていたエベネザーの心を更に狂わせた。

愛する母親が自分を傷付けるはずがない、褒められる為にずっと良いことをやってきたと喚き、現実と願望がぐちゃぐちゃになった精神状態のスケアクロウは遂に発狂。自分がやってきたことは“母親”には認められなかった。自分は“悪い子”だった。錯乱しながらも真実を悟ったエベネザーは再び自らのピッチフォークに貫かれる。悪い子にはお仕置きをしなければならない。狂気に満ちた嵐はここでお終い。

モンスターとして恐れられた男の最期を再び見届けることになったゴーストライダーの顔は暗い。しかし、彼らヒーローの活躍で恐ろしい殺人鬼はいなくなった。愛する人を救うことができたダニーは姉の墓前で今回の事件の顛末を語り、改めて復讐の精霊としての戦いに臨むのだった。例え自分の活動が他人に受け入れられなくても、自分にしかできないことをやり続ける。ダニーとゴーストライダーの孤独な戦いはまだまだ続く…。

夥しい血を流しながらも三度の復活を果たすスケアクロウ
彼を蘇らせたのはファームと名乗る謎の組織。ファームの目的は一体何なのか?