[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

アメコミ:GUARDIANS OF THE GALAXY(2020)#6

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとウェスト・スパイラル・アーム・ガーディアンズ。2つのガーディアンズの共闘の末にカスター・グノーバーグ3世は倒れた。

だが、彼らの活躍の裏で頭を垂れる者が1人…。

 

 

前回はこちらから↓

 

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[あらすじ]

ハーフワールド、ロケットの故郷である緑豊かな星。そこで1人の男がカウンセリングを受けていた。男の名はリチャード・ライダー。地球出身の彼はある日を境に超常の力である“ノヴァ・フォース”を授かり、初めてノヴァを名乗った男。

そんな彼は宇宙全体の危機に幾度となく駆け付け、仲間やライバルたちと共に乗り越えてきた。しかし、連戦に次ぐ連戦で蓄積されたダメージは無視出来ず、療養を余儀なくされたのだ。彼が負ったダメージで深刻なのは肉体ではなく、心の方だった…。

ノヴァの証であるヘルメットを見て、物思いに耽るライダー。休む暇なく宇宙を飛んできた彼にも、立ち止まる時はある。

[Same time next week]

前号にてロケット率いるガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとガモーラ率いるウェスト・スパイラル・アーム・ガーディアンズ、2つのガーディアンズが手を組んだことで私腹を肥やそうと目論んだカスター・グノーバーグ3世は倒れた。卑しいビーバーの事業の要だったDタイプ・コンバーターは持ち主諸共に破壊され、配下の兵隊たちはガーディアンズの猛攻を受けて壊滅状態に。これでロケットを追うガモーラたちの旅は終わり、後は合流するだけ。彼らの預かり知らぬ所でムーンドラゴンが合体する出来事もあったが。

こんな大イベントがあったにも関わらずライダーは戦うことができなかった。悪神と化したゼウスとの戦いにて傷を負った彼は再生カプセルに入れられ、身動きが取れない彼ができるのは精々ムーンドラゴンが繋げたテレパスを介して仲間たちの無事を確認することぐらい。自信家かつ「力」に対する責任の重さを知るライダーは歯痒い思いをしたことだろう。それでも仲間たちにそれを臆面も見せないのは彼らしいが。

いや、彼は自分の弱さを他者に見せることができないのだ。幼少期、まだ地球で暮らしていたライダーは父親に勉強を教えて欲しいと助けを求め、拒否された過去を持つ。厳格な父親は幼いライダーに弱い姿勢を見せるな、一度でも弱気になれば一生弱いままだと叱責した。ライダーにとってその言葉はショックであったのと同時に、彼の根幹を形成するのに充分なものだった。決して他人に媚びないし、いつでも自信たっぷりに振る舞う。それはノヴァとなっても変わらない。カウンセリングのドクター相手にもそれは変わらないのだ。

全部俺に任せろ。ノヴァ・フォースを授かった時も、異次元からの侵略者に立ち向かう時も、己の身を犠牲にしてでも宇宙の平和を護った時も彼は己を鼓舞するようにそう叫び続けた。

仲間たちはそんなライダーの過去を知ってか知らずか、彼の信条を察したかのように振る舞ってきた。勿論そうではない者もいた。それがスター・ロードとガモーラの2人だった。スター・ロード、ピーター・クイルはライダーと同じ地球を故郷とするが、良くも悪くも生真面目なライダーと異なりクイルはちゃらんぽらんなアウトロー。ガモーラはサノスの養娘として育てられた冷酷な暗殺者。良くも悪くも生真面目なライダーは2人と出会った時は激しくぶつかり合ってきたが、いつしか2人はライダーにとって数少ない友人となっていた。自分が隠している弱さを2人は察してくれていたから。

ドクターは2人へ複雑な思いを寄せるライダーの心情を鑑み、彼が語る過去に耳を傾ける。ガモーラを「偶然」発見したライダーが彼女に対して密かに抱いていた恋心に気付かれていたこと。ガモーラ自身もまんざらでもなかったが、それ以上にクイルへの想いが大きかったこと。彼女自身の口から語られる自分とクイルの違い。ガモーラの言葉はライダーの弱さを覆う自信という名の「壁」を刻んでいく。

クイルは家族と共にあろうと努力するが、ライダーは家族から遠ざかろうとする。父親へのコンプレックスを抱える彼にとって家族は窮屈な檻同然。だったら独り飛び回るロケットマンがいい?

 

男の子というのは大なり小なり父親へトラウマやコンプレックスを抱えるものだ。父親の方は我が子を思っての発言でも、多感な子供への影響は大きすぎるもの。ライダーにとってもそれは同じで、ドクターへ過去を打ち明ける彼の言葉には弱さを見せまいと必死に繕うとする様子が見られた。ドクターはそんな彼を否定することなく、彼に呼びかける。弱さを見せないヒーローを誰が愛するのか。ライダーが助けを求めれば皆が手を貸す。彼がノヴァとして戦ってきて得てきたのは自信だけではないのだ。

優しい言葉に涙を湛えながらも、笑顔を見せるライダー。心なしかノヴァのヘルメットの光沢がいつもより輝いて見える。ドクターとの再診の約束をし、ライダーは再び漆黒の宇宙へ飛ぶ。

 

ノヴァの快復を待っていたロケットは宇宙船で待っていた。ひねくれ者ながらも仲間を大事にするロケットらしいいじらしさだ(前号までの飲んだくれぷりは何だったのか…)。合流ポイントへ向かうノヴァだが、そこに1件の連絡が入る。題名はクリー帝国とシャール帝国の会談への出席案内。2つの帝国はノヴァにとっては色々な意味で馴染み深い連中だ。しかし、何故ノヴァにも連絡が来るのか。怪訝な様子のライダーは内容を確認するが…。

宇宙の全てが変わる程の一大事。いったい何が書かれているのか!?