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アメコミ:GHOST RIDER:DANNY KETCH(2008)#3

ミスター・イレブンの導きにより自分たち以外のライダーの存在を知ったダニー。

彼らが抱える痛みを知った時、ダニーに出来ることは…。

 

 

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[あらすじ]

レイヴンことミスター・イレブンの導きにより、雨が降りしきる夜のブルックリンを駆けるダニー。そこで2人が目にしたのはネズミのような怪物たち相手にゴーストライダーとして孤軍奮闘するショバ・ミルザの姿だった。自分とジョニーやマイケル以外のライダーを初めて目にしたダニーは、数の差から劣勢となっていたミルザを放ってはおけず加勢に出る。

5分間だけの短い時間だが、再び与えられた「祝福」を振るって怪物たちを襲うダニー。目に映る異形を残らず駆逐したことで笑顔を見せるダニーだが、そこにミルザの姿はなく…。

2人目のゴーストライダーの参戦に驚きを隠せない怪物たちだが、彼らは別に“復讐の精霊”を倒したい訳ではない。ただ「毒」を与え、弱らせ、主人の餌になってもらうだけ。ミルザは怪物たちのリーダー各の一撃を受けてしまい…。

[ADDICT]

謎のカラスやショバ・ミルザとの出会いを機に、一度は降りた筈の復讐のロードを再び奔ることになったダニー・ケッチ。絶望に沈み、焦燥に駆られていた情けないダニーはもういない。今のダニーには「力」がある。この力を以てすれば罪なき人々を傷付ける悪鬼羅刹をぶちのめすことができる。そして、運命的な出会いを果たしたミルザもまた自分と同じ“復讐の精霊”の呪いを受けた者だったという事実が、ダニーのボロボロのメンタルを癒すことになった。辛い思いをしてきたのは自分だけではないという「思い込み」があるからこそ、ダニーは心から安堵し、笑みが浮かんでいたのだろう。

悪夢のような日々に差し込んだ幸福の「炎」。ダニーにとってはまさに救いの光だったことだろう。しかし、その救いは5分間だけという一時的なのものに過ぎない。夜が明ける前に変身は解けてしまい、ミルザは姿を消してしまっていた。まるで夢を見ていたのではないか、と錯覚させる程の静けさに包まれるダニーにミスター・イレブンは「よくやった」と称えるのだった。

ダニーは“復讐の精霊”の力を扱う資格を持つと考えたミスター・イレブンは、翌日の早朝からダニーの元へ現れて“復讐の精霊”が誕生した真実を語る。

太古の時代、灼熱の如く燃え上がるような赤々とした空より降り注いだ無数の火球。「神」の御心のままに与えられた「祝福」は火球を浴びた者たち全てに分け隔てなく与えられた。その「祝福」はヒトの心のうち、1つの感情を激しく刺激するものだった。それこそが復讐の心。魂を燃やすような復讐の炎はやがて激しい怒りと憎悪を呼び寄せ、「神」が求めた最強の兵器へと姿を変えさせる。兵器の名はゴーストライダー。「神」も悪魔と同様に“復讐の精霊”の力を求め、ヒトを利用したのだ。

無数に生み出されたライダーたちは、それぞれの復讐を果たすために敵味方と分かれて殺し合った。脱落した者は資格なしの烙印を押されて地獄に堕ち、生き残った者は永遠に復讐のロードを奔ることを強要される。そして、宿主を失った“復讐の精霊”は再び体を得るために新たな宿主に憑依して宿主を戦わせる。まさに無限ループ。最強の兵士を造り出すにはうってつけの最悪な方法だ。

“復讐の精霊”ザラソスはそんな「神」が求めた最高傑作だっただろう。あれほどに強力で、しかも扱いやすいとくれば利用したくもなるだろうが、かの“復讐の精霊”はジョニー・ブレイズに憑依してしまっていた。だからジョニーに比例する素質を持つダニーに天使が接触するのは当然の帰結だ。ダニー・ケッチを最強のライダーへと目覚めさせる。そのためにミスター・イレブンは“復讐の精霊”が歩んできた歴史の負の一面を見せたのだ。

ミスター・イレブンは「神」の非道なやり方には反対していたが、この方法がヒトの潜在能力を解放させるに適していることは理解していた。だからレイヴンは“復讐の精霊”の良い一面もしっかりと示す。彼らの尽力によって救われた命が多いのも真実なのだ、と。

驚きを隠せず、思わず吐いてしまうダニーに尚も語りかけるミスター・イレブンは、そんな“復讐の精霊”の力を狙う存在がいることを伝える。その存在こそがミルザを襲った者たち、かつてダニーがゴーストライダーとして戦ったネズミの悪魔ヴァ―ミナス・レックスの一族だ。かの悪魔は地獄の王子ブラックハートが創り出した“復讐の精霊”の複製品、故に紛い物でしかない自分たちの力を完璧なものにするために本家の力を奪う計画を立てた。何百年も、何千年も前からヒトの目につかない地下で行われてきた地獄絵図。その光景にはダニーも啞然とする他なかった。

奴らはライダーを捕らえて意図的に“復讐の精霊”の呪いを暴走させることで宿主の心を壊し、発狂した所で喰らい、力を奪っていたのだ。

地下へと連れて来られたダニーが目にしたのは祭壇の奥で鎖に繋がれ、悲痛な叫びを上げることしかできないライダーの姿だった。「毒」のために暴走した力を制御出来ず、身も心も崩壊寸前となっていた彼は助けを求めていた。終わらせてくれ。涙を流す彼にダニーがしてやれることはただ1つ。彼の心を蝕む呪いを奪い、己の力とすることだけ。

 

一度は捨てたゴーストライダーの力を再び求め、醜態を晒してきたダニー。そんな彼が再びヒーローとして立ち上がろうとしていた。かつては罪なき人々のために戦っていたが、今回は「同胞」が味わってきた苦痛の報いを与えるために。これもまた、“復讐の精霊”の呪いを受けた者の征く定めか…。

ミスター・イレブンの計らいで、三度ゴーストライダーへと変身したダニーはヴァ―ミナス・レックスの一族を皆殺しにすべく地下を地獄の炎で燃え上がらせる。ここまではかの天使の筋書き通り。しかし、そんなヒトに与する天使の存在を快く思わない者が天界にはいた。「ブラックホスト」のリーダーがマリーに警告を送るが…。