[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

アメコミ:AMAZING SPIDER-MAN(2015)#1

世界中が君を待っていた!

ニューヨークに上海と世界中を駆けろ、スパイダーマン

 

 

【あらすじ】

ある日の夜、中国は上海。日が落ちても人の活気が衰えないこの街で一台の暴走車の姿があった。自分たちをゾディアックと名乗る彼らは街の中で光線銃を放ち、街を破壊しながら何処かに逃げているようだ。

そんな無法者を追跡する一台のマシン。赤と青のツートンが彩る近未来的なデザインが光るマシンを操るのは、親愛なる隣人スパイダーマン。S.H.I.E.L.D.のエージェント、モッキンバードと共にゾディアックを追うスパイダーマンだが…。

パーカー・インダストリーズ製4輪トライクを駆り、ゾディアックを追うスパイダーマンたち。ゾディアックは世界中で悪事を働くテロリスト集団。そんな彼らが、パーカー・インダストリーズのテクノロジーを悪用しようとしているのだ。絶対に逃がす訳にはいかない。

【Worldwide】

まず、本シリーズの解説をする前に今回のエピソードまでに至るまでのあらましを紹介したいと思う。本シリーズは「アメイジングスパイダーマン」誌と「スーペリア・スパイダーマン」誌を担当したダン・スロットがメインライターを務めた長期シリーズの1つ。物語としてはスーペリア・スパイダーマン最終回にて身体を取り戻したピーター・パーカーが、オットー・オクタビアスが残していった「置き土産」を清算・利用していく様を描いた3期の続編。アナ・マリアにスパイダーマンの正体とアナが愛した男は自分ではなくオットーであることを明かしたピーターは彼女とは秘密を共有する間柄となり、アベンジャーズにも復帰を果たし、パーカー・インダストリーズを成長させた。彼が社長を務める会社は今や世界中で活動する巨大企業となった。

途中、ヴィランの1人であるゴーストの襲来のお陰で本社が爆発する羽目になったり、いざこざが残ったままのMJとはギクシャクしたままの関係が続いていたり、いつの間にかモッキンバードと恋仲になっていたりとスパイダーマンらしい不運と破天荒さも見せながらも、ピーターは忙しくも充実した日々を送っていた。ヒーローと社長、二足の草鞋を履きながら世界中を飛び回るピーターの姿には、かつてのしがないカメラマンの面影はない。

マシンだけでなく、スーツもハイテク使用にカスタマイズしたピーターはいつもの軽口を混ぜながらゾディアックを捕らえることに成功。蜘蛛糸から放つ電撃で痺れさせてからの泡ボムによる目くらまし、自決も特殊スパイダーポッドで無効化。相手がヴィランであろうが、誰の命も奪わせはしない。

巨大企業という絶対的な「力」を手に入れたピーターの快進撃は止まるところを知らない。スパイダーマンの装備を強化し、障害となるヴィランたちを捕らえるだけに留めて命は決して奪わない。オットー・オクタビアスの置き土産を清算・利用したと先述したが、この成果はまさにオットーの技術を活用したものだ。今のピーターが活躍できるのはオットーのお陰だとも言える。そして社長としての姿でもこの「力」を存分に振るう。最先端のテクノロジーを誇るパーカー・インダストリーズの技術を惜しみなく投与したベンチャー事業を立ち上げ、医療や介護にも積極的に援助する方針を打ち立てる。

大いなる力には大いなる責任が伴う、はスパイダーマンを語る上では切っても切れない言葉だがピーターはオットーとは違ったやり方で力に対する責任を果たそうとしていた。

ベンおじさんの名前を事業の看板に掲げ、意欲を見せるピーター。発想がいかにもアメリカン(アメコミなんだから当たり前か)。記者会見の時は社会の窓は閉めておくようにな。

さらにピーターの勢いは止まらない。社長としてどうしても離れることができない時は、表向きはパーカー・インダストリーズの社員であり裏では「プロウラー」として活動するホビー・ブラウンにスパイダーマンの代役を任せたり、ホライゾン・ラボの上司だったマックスの結婚式に無くなったラボの名を冠した大学をプレゼントしたり。一企業の長として少々豪胆なところが見え隠れするようになったピーターだが、これもスパイダーマンの顔の1つだと言えるだろう。

ゾディアックの一派の襲撃を受けたピーターだが、そこにホビー扮するスパイダーマンが駆け付ける。ホビーの奮闘を応援する様子はちょっと微笑ましい?

 

様々な困難が立ち塞がろうとも、社員と共にそれを乗り越えてきたピーター。力に対する責任を果たすべく邁進するピーターの前に現れたテロ集団「ゾディアック」。彼らはパーカー・インダストリーズが抱えるテクノロジーを狙っている。そんなものを手に入れて何を成そうというのか。スパイダーマンの新たな戦いが始まろうとしていた。

世界中に支社を置くパーカー・インダストリーズ。そのうちのロンドン支部にアナ・マリアは勤めていた。社内の中でも中心人物である彼女は「スーペリア・スパイダーマン」の助手であるリビング・ブレインと共にピーターを支えていた。しかし、そんな彼女も勿論ピーターも、ロボットに潜む「意思」の存在に気付いていなかった…。