[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

キャラクター:サタンと呼ばれる地獄の悪魔たち

ALL HAIL SATAN!!

というわけで、今回はマーベルユニバースに登場するサタンと呼ばれる地獄の悪魔たち、併せて地獄の君主「ヘルロード」についても解説していこうと思う。

このブログではお馴染みの存在であるゴーストライダー誌で敵役として登場するサタン。地獄王とも呼称される彼らだが、ここで1つ疑問に思った者はいないだろうか。「サタン」がどうして何人も存在するのか、と。サタンはキリスト教悪魔学でも登場する名前だが、ここではサタンはサタンと呼ばれる悪魔或いはルシファーやベルゼブブの別名として名前が記されているそうだ。だが、マーベルユニバースではこの名前の意味は少々異なる。

端的に言ってしまえば「サタン」とは広大な地獄を収める領主だ。強大な力を持つ彼らは各々の収める領地で配下を従え、力の源である“契約者”の魂を集めて力を増していく。そうして自分の領域を広げていくことで、ゆくゆくは他のサタンの領域を、更には地上を侵略することで絶対的な権力を得ることを目的にしているのだ(全員が全員そうではないが)。彼らは常に他のサタンを出し抜くために策謀を巡らせ、知略を以て蹴落とそうとその機会を虎視眈々と狙っているのだ。人間側からすれば悪魔たちの“ゲーム”で巻き込まれるなどたまった話ではないが。

前置きが長くなったが、次に各サタンを簡単に紹介していく。

メフィスト

先ずはメフィスト

メフィストはマーベルユニバースにおいて地獄の悪魔の代名詞的存在であり、サタンたちの中でも最も広大な領地を持つ大君主だ。その力は凄まじく、彼が1つ悪だくみをすれば地上の人間たちだけでなくマルチバースにも影響を及ぼしかねない程の被害を与えかねない程。時にはヒーローやヴィランにボッコボコにされて情けない醜態を曝すこともあるメフィストだが、それすらも計略の一部に利用するなどその恐ろしさは計り知れない。

彼の恐ろしさが特に発揮されたのがアーロンが描いたアベンジャーズ誌だろう。
ここに描かれている全員が、マルチバースで暗躍するメフィストたち本人だ。
ブラックハート

2人目は地獄の王子、ブラックハートメフィストによって生み出された存在である彼は、当初はメフィストの操り人形であり“父親”の命令通りに人間の魂を集めていた。しかし、何時しかメフィストへの反抗心を覚えた彼は苦心の末に父親を打倒。メフィストの領地と配下をそっくりそのまま頂くことに成功した。以降はブラックハートがサタンとして領地を治めるが、メフィストの復活を機に玉座を追われてしまった。

以降はメフィストの義息子として大人しくなるが、平の悪魔たちからすれば彼が強大な力を持つ大悪魔であることに変わりない。故に彼もまた畏怖を込めてサタンと呼ばれているのだ。

超大物ヴィランからは舐められがちなドラ息子だが、その実力は本物。
彼がその気になれば都市1つ壊滅させることなど造作もない。人間に対する直接的な被害で言えば父親を超えているかも?
ルシファー

3人目はルシファー。主にダニウェル・ウェイが描いたゴーストライダー誌でのメインヴィランとして登場した彼は、上記の2人と比べて目立った配下は持たず、本人の戦闘力も決して高くはない。彼の恐ろしさはメフィストたちを上回る悪辣さと忍耐力、そして人間たちへの容赦のなさだ。ルシファーの正体を考慮すればその執念深さも頷ける。

まあ、最後の最後で自分の計画を見下していた人間にご破算にされて激高するなど、憎めない一面もあるにはあるが。堕天したことで神性はだいぶ落ちたようだ。

散々バカにしたライダーに自分の計画を逆手に取られたことを知って狼狽。
考えていることがすーぐに顔に出るのは天使の癖なのか?
サタニッシュ

4人目はサタニッシュ。主に70年代のドクターストレンジ誌においてメインヴィランとして登場した彼は魔術に長け、人の心を操る術を得意とする。その正体はドーマムゥの創造物であり、魔術の教え子的存在。言わば地獄の悪魔とは異なる存在である彼は、師と共に他のサタンの支配する領地を攻め入ったが、メフィストに倒された経緯を持つ。

緑色で腹にも顔がある悪鬼然とした姿から連想されるように、体格を活かした力押しも心得ているがどうもメフィストの相手は苦手な模様。

メフィストへのリベンジに燃えるサタニッシュ。
だが、背後を厳かにしていてはメフィストを超えることはできないな。グロロー。
マルドゥク

5人目はマルドゥク。本名はマルドゥク=キュリオス。ダイモン、サターナたちヘルストーム兄妹の父親であり、ダイモンを主役に描いたサン・オブ・サタン誌のメインヴィランとして登場した。その出自は複雑を極めており、神話の時代から生き続けている古代の悪魔だ。その正体は地上から追放された神々が残していった残留エネルギーが集まったもの。

悪魔でありながら神性を保つ彼は、人間への干渉と同時に人間の在り方に興味を抱いていた。そのために人間の女にヘルストーム兄妹を身籠らせ(!?)、兄妹の動向を追っていた。結構危ない真似をしているが、息子たちへの情はそれなり以上にはあるのが特徴だ。

登場する度に姿がころころ変わるマルドゥクだが、一番インパクトが大きかったのはこの姿だろう。
その姿は神話上に語られる邪悪なドラゴンのそれだ。

5人それぞれに特性があり、それぞれが収める領地で力を蓄え、他のサタンを牽制しつつ目的のために暗躍する。しかし、地獄の存在を脅かされる事態に直面するとそれまでの禍根を置いて結託することもある(カオス・ウォーで登場したアマツミカボシの侵攻を迎撃する、など)。地上を支配するにも自分たちの地盤が失われたらそれどころではない。時には大嫌いな奴にも協力を求め、表面上では手を結ぶ様は社会人のそれを見ているよう?

次は「ヘルロード」。ヘルロードは地獄の領主を意味し、マーベルユニバースにおけるサタンと同じ意味を持つ。ではヘルロードは誰のことを指しているのかというとサタンたちを含む数名の地獄の悪魔たちと、「地獄と極めて近く同時に異なる世界」の支配者たちを指す言葉なのだ。

マーベルユニバースに存在する地獄の一覧。
リンボやニブルヘイム、ダークディメンションは地獄と近い世界なのだ。

リンボの支配者べラスコ、ニブルヘイム(ヴァルハラ)を治めるヘラ、ダークディメンションを統括するドーマムゥ。他にもメフィストの元配下であるアスモデウスや、マルドゥクの娘のサターナもヘルロードの一員。…何だか地獄にばかりメンバーが偏っている気がしなくもないが、最大規模の勢力を誇る(=メフィストの出番が多い)地なのだから仕方がないのかも。彼らの役割もサタンと同じ、それぞれの領地の統治と自分たちの権力の増大だ。

時には争い、共謀する彼らの戦いはしばしば地上のヒーローたちを巻き込む。超人たちとは全く異なる次元に潜む彼らにはおいそれとは手出しできない。悪魔たちは今も地上を支配する機会を狙っているのだ。

足並みが揃わないサタンと違い、ヘルロードは顔を合わせて協議することもある。
リンボの支配者がべラスコからリリアナに代わったことを危惧するヘルロードたち。ブラックハートがサタンの時より仕事してる…。