[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:GHOST RIDER(2006)#11

地獄の悪魔が憑依したカボチャ頭の野望を阻止せよ!

伝説の幕を下ろすのは髑髏頭の精霊だ!

 

前回はこちらから↓

 

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【あらすじ】

墓所から蘇らせた死人たちを従えて、ジョニーの元へと向かったルシファー。だがルシファーを出迎えたのはコナー刑事のショットガンが放った一撃。人間のか弱い抵抗など何の意味もないと嘲笑うルシファーだが、その背後には件のゴーストライダーの姿が。コナー刑事が引き付ける間にジョニーは背後に忍び寄り、挟み撃ちを仕掛けたのだ。

ゴーストライダーとジャックオーランタン、悪魔に魅入られた男たちの最後の戦いが始まる…。

復讐を果たす、只々そのためだけに戦い続けてきた。
そんなライダーに向けて不敵な笑みを浮かべる地獄王だが...。
【伝説の終わり】

死人を蘇らせて夜の街を歩く化け物と変え、多くの人々の命を奪い、人間の尊厳を徹底的に踏みにじるルシファー。そんな地獄王に怒りの感情を爆発させる“復讐の精霊”。お前の下らない野望のために何人の人間が死んだと思っているのだ、とその怒りの炎は極限まで燃え上がる。その炎はジョニー・ブレイズの怒りをも高める。2人の怒りを内に秘めたゴーストライダーはルシファーの野望を阻止すべく戦ってきた。

ジャックオーランタンが放ったパンプキンボムを鎖で相殺し、その爆発と衝撃波でゾンビたちを一掃する姿は正に怒り狂う鬼そのものだ。その姿に流石のルシファーも驚きを隠せない。いくらゾンビとは言え、相手は悪魔に操られた哀れな者たちだ。そんな者たちを躊躇うことなく皆殺しにするとは血も涙もない、と糾弾するルシファーだがライダーは耳を貸さない。本日のお前が言うな案件はここです。

ライダーのあまりの容赦の無さに戦慄を覚えるルシファー。だが、ここで直ぐに頭を切り替えることができるのが地獄王だ。ライダーの戦い方は一般人への被害を考慮しない暴力的なものだということに、ルシファーは気付いた。現にコナー刑事は咄嗟にモーテルの玄関にバリケードを作ったから軽傷で済んだものの、危うく爆発に巻き込まれて最悪死んでしまうところだっただろう。その在り方はヒーローのものではない、悪魔のそれだ。

ジャックオーランタンの体では直接対決をしても勝ち目はない。ならば揺さぶりをかけ、苦しめることだ。ルシファーの目的はゴーストライダーを倒すことではない。苦しむジョニーを眺め悦に浸ることなのだから、恐ろしい“復讐の精霊”と正面から戦う理由はないのだ。モーテルに潜ませていたゾンビの生き残りをコナー刑事に襲わせ、更にライダーに向けて自分たちは大差ない存在だと嘯くルシファー。そんなルシファーに増々怒りを超えて憎悪の感情をライダーは抱く。

生き残ったゾンビは刑事の同僚の息子。ゾンビに襲われ悲鳴を上げる刑事を指して、人間に何処までも非情になれる自分たちは同じ存在なのだとルシファーは言う。
確かにかつての“復讐の精霊”は邪悪な存在だったが、お前とは違う!

悪魔の囁きに激高し、鎖を投げつけるライダー。しかしその鎖はルシファーには届かない。放たれた鎖はジャックオーランタンのグライダーに巻き取られ、鎖を離さないライダーごと空へ飛んでいってしまったのだ。ライダーを足止めしている間にルシファーはモーテルへと足を踏み入れる。コナー刑事を殺せば、ジョニーを無力感と怒りの感情で苦しめることができる。きっとルシファーはそう考えていただろう。

しかし、そんな非道を許す“復讐の精霊”ではない。「刑事を殺させるわけにはいかない」と脳内で逸るジョニーを黙らせてグライダーに乗り、巻き取られた鎖を引っ張り、真っ二つに引き裂く。これで邪魔だったグライダーは消えた。しかし、その結果ライダーの体は空に投げ出されてしまう。重力に従って落ちていくライダー。このままではライダーは地面に激突してしまう。だが、“復讐の精霊”は焦る様子を見せない。暗闇の向こうから爆音と共にやってきたヘルサイクルが、上空へ飛んで主の元へとやってきたのだ。空中でヘルサイクルに跨り、アクセルを開ける。さあ、奴を追うぞ!

「我の“スキル”も中々だろう」
月夜に映えるゴーストライダーの姿が眩し過ぎる。

一方で、ゾンビに襲われていたコナー刑事は苦戦を強いられていた。刑事は頭が固く、強情な男だがその実は誠実で優しい男だ。ゾンビとして蘇った男は刑事の同僚の息子であり、同時に名づけ子。この「スリーピー・ホロウの伝説」の冒頭で首を落とされた男だ。理性もなく襲い掛かるゾンビに「やめてくれ!」と叫ぶ刑事だが、その願いは届かない。自衛のためにやむを得ず凶器を振るうが、それでも悪魔に操られた男は止まらない。戦いはモーテルのキッチンにまでなだれ込み、そして…。

乱闘の末に男は倒れた冷蔵庫の下敷きに。
うなだれる刑事だが、そこにショットガンを手にしたルシファーが現れる。

2人の戦いを愉快そうに眺め、堪能したルシファーは刑事を殺そうとショットガンの銃口を向ける。子供を殺してしまった自責の念と救えなかった悔しさから涙を流す刑事に向けて「死にたいんだろう?手伝ってやるよ」と宣うルシファー。だが、刑事は地獄の悪魔には屈さない。まず死ぬのはお前だ、と。

モーテルまで戻ってきたゴーストライダーに捕まり、引きずられていくルシファー。モーテル内には予めジョニーと刑事が仕掛けた大量の爆弾が仕掛けられていたのだ。ルシファーがそれに気付いた時は既に遅い。モーテルの外まで脱出したライダーが見たのは起爆した爆弾で吹き飛ぶモーテルだ。爆炎に包まれるモーテルとルシファー。辛うじて息が残っていたルシファーだが、最早戦うことも逃げることもできない有様だ。ゆっくりとルシファーに歩み寄るライダーは拳を振り上げ、ジャックオーランタンの胸を貫き、心臓を抉り出す。鼓動がならない、冷たい心臓を地獄の炎で燃やして再び体に戻す。身体の内側から燃えていく苦痛に呻くルシファー。多少やり過ぎな気もしなくもないが、相手は地獄の悪魔だ。慈悲はない。

身体の内部から燃え上がる復讐の炎に焼かれ、苦しむルシファーは火を吐き爆発。
胴体から零れ落ちたカボチャ頭を踏み砕き、完全に息の根を止めたのだった。

 

こうして伝説が息づく街で起こった惨劇は幕を閉じた。ゴーストライダーは伝説を体現するかのように、罪人であるルシファーの首を落としたのだ。しかし怒りに駆られたが故の暴力的な有様を指摘されてしまったことは、“復讐の精霊”ではなくジョニーを苦しめる格好の材料となってしまう。この時のジョニーはまだ知らないことだったが。

コナー刑事は爆発する直前に地下室に隠れ、爆発をやり過ごした。
刑事はジョニーに「二度とこの町に来るな」と釘を刺すのだった。