イリノイ州に伝わるある伝説。
首無し騎士が罪人の首を刎ねる伝説を体現するのはゴーストライダーか、それとも…。
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【あらすじ】
イリノイ州、その地にある片田舎ではとある伝説が語り継がれていた。スリーピー・ホロウの伝説。首無し騎士が罪人の首を求めて夜の闇を駆け、獲物を見つけた時は瞬時に狩るという伝説だ。果たして言い伝えられてきた伝説の通りに、ある男の首を落とされる事件が起きた。首が分かれた胴体からは夥しい血が流れ、静寂に包まれた町には悲鳴が木霊する。
伝説を一蹴し、物騒な怪事件を調査する警察だったがこの事件は人智の及ばないものだったことを彼らはまだ知らなかったのだ…。
【The Legend of Sleepy Hollow】
地獄王ルシファーとゴーストライダーの戦い。666体もの人間の死体に乗り移ったルシファーはジョニーの精神を攻め、弱みを握り、追い詰めてきたがジョニー自身の怒りと“復讐の精霊”の助けもあって辛くも打ち破ってきた。
今号は先述のスリーピー・ホロウの伝説に則った怪事件を、伝説を信じない刑事が調査していく内容となっている。カバーにもある通り、今号は超人たちの抗争「シビルウォー」のタイイン誌なのだがシビルウォーとは全く無関係にストーリーは進行していく。
件の事件を調査していくハリー・コナー刑事だったが、この事件は伝説やオカルト系といった胡散臭い話を信じない彼にとっては頭の痛い内容だった。真っ暗の夜にいきなり炎が上がって次の瞬間には首無しの死体が転がっているなんて話を鵜呑みにすることなど、到底できない。管理人だったら頭の心配をする。
しかし現に首を落とされた死体はあり、事件現場にいた女性はその光景がトラウマとなり錯乱してしまっていた。伝説は信じられないが、殺人を犯したクズ野郎がいることだけは明らかだった。犯人は必ず捕まえる、そして報いは受けさせる。石頭で強面なコナー刑事だが、内面には熱い正義の炎を燃え上がらせていた。
しかし、そんな彼の決意を嘲笑うかのように被害者は増えていた。被害者は全員、首を落とされていた。
怒りに燃えるコナー刑事だったが、そこに部下から報告が入る。
首元に血を流した跡を持つ身元不明の男が倒れている、と。
警察に拘留された男はすぐさま署に戻ったコナー刑事から尋問を受ける。この異様な風体の身なりで、他所から来たであろう怪しい男は事件に関与しているであろう疑惑を持つのは当然だろう。しかし、男は事件に関わっていることを否定し、そんなことは知らないと言い張る。そんな男に激高したコナー刑事は、男をクラブで殴りつける。ナイフを見せ、これで殺したのかと問うものの男は知らないと言い張る。男の目は地獄の炎のように赤々と照らされていた。苦しむ男に違和感を覚えたコナー刑事は、我を忘れたお前がやったのか、と質問を変える。その男、ジョニー・ブレイズは答えた。イエス、と。
ゴーストライダーへ変身したジョニーは警察を脱出し、ルシファーを追う。かの地獄王が憑依した人間は、まだこの地にいるのを感じ取っていたのだ(ジョニーとしても警察のお世話になるのはもう沢山だろうしな)。だが、ジョニーの事情を知らないコナー刑事はゴーストライダーをこの殺人事件の容疑者と認識し、ライダーを追う。超常の存在を目の当たりにしたことで気を失っていた間に、今度は2人の子供が犠牲となっていたのだ。事件現場には頭部が燃えている怪人が目撃されていたという。ルシファーは子供にも憑依していたのか、そしてその炎を纏う怪人とはゴーストライダーのことなのか。
再び訪れた夜、暗闇に包まれた地にまた悲鳴が上がることになる。伝説のもとに、罪人は首を狩られるのだ。