[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

アメコミ:SUPERIOR SPIDER‐MAN TEAM‐UP(2013)#7

スーペリア・シックス、反逆!

憎悪に燃えるヴィラン連合をオットーに打ち倒すことができるのか!?

 

前回はこちらから↓

 

lagia.hatenablog.com

【あらすじ】

ライトマスター率いるマスターズ・オブ・イーヴィルとの戦闘の最中、サンガールの放った一撃が量子エンジンを穿ち、辺りは眩い光に包まれた。その光はライトマスターを除くマスターズ・オブ・イーヴィルを吹き飛ばした。しかし同時にスーペリア・シックスのメンバーを操っていた装置をも破壊してしまった。

スパイダーマンの支配から脱することができたサンドマンたちは、憎きスパイダーマンに復讐すべく襲い掛かる。その怒りの矛先はスパイダーマンだけでなく、スパイダーマンが護るニューヨークにも向けられる…。

拘束されたスパイダーマンを罵倒するヴィランたち。
スパイダーマンの手で倒されてきた彼らは、一様にスパイダーマンをモンスターと蔑む。

【過ち】

スーペリア・スパイダーマン率いるスーペリア・シックスとライトマスター率いるマスターズ・オブ・イーヴィルの戦いの結末は、思ってもいなかった形で決着が着いた。スパイダーマンに加勢したサンガールの助力もあり、辛くも強敵たちを退けることに成功したスーペリア・スパイダーマンことオットー・オクタビアス。だが、息をつく間も暇もなく次の敵がオットーに襲い掛かる。スパイダーマンに無理矢理に従わされていたサンドマン、ミステリオ、ヴァルチャー、カメレオンそしてエレクトロの5人が一斉に襲い掛かってきたのだ。

彼らにはオットーの精神とリンクする洗脳装置が仕掛けられていたのだが、オットーと繋いでいたリンクが量子エンジンの爆発の余波で途切れてしまった。

ライトマスター一味との戦闘に加えてスーペリア・シックスのメンバーの“操作”も相まって疲労困憊のスパイダーマンに、5人の超人たちを迎え撃つことはできる筈もなかった。散々に打ちのめされたスパイダーマンサンドマンの体内に捕らわれ、カメレオンが変身したヴィランに罵倒されてしまう。グリーンゴブリン、クレイヴンそしてドクターオクトパスとかつてスパイダーマンとの戦いの末に命を落としてきた彼らの幻影は口々にスパイダーマンを人殺しの怪物、ヴィランにも劣るクズ野郎と蔑む。

彼らの罵倒はこの場合はある程度は正当性があるだろう。いくら相手が悪党とはいえ、洗脳して従うことを強要し、歯向かう姿勢を見せれば愉快そうに眺めてきたのだからサンドマンたちがスパイダーマンを憎むのも無理はない。まあ、そのために死亡したヴィランたちの幻影を使うところは頂けないが、そこは彼らがヴィラン故か。

しかし彼らの恨みつらみを聞かされてもスパイダーマンは屈する様子は見せない。スパイダーマンの正体がピーター・パーカーであったなら精神的に大きなダメージを与えただろうが、スーペリア・スパイダーマンの正体はオットー・オクタビアスだ。肉体のダメージはあっても、彼らの罵倒など気にも留めることはない。今オットーがすべきことは、状況を打開する手段を打ち立てること。冷静に状況を打開する手段を模索するオットーだが、現時点で彼にできることは何もないこと、そしてこの事態を引き起こしたのは自分自身であることはオットー自身も分かっていた。

スパイダーマンの目の前で、彼が護る街を破壊しようとするスーペリア・シックス。
怒りに燃えるヴィランたちを止める手段はない。

巨大化してニューヨークを覆いつくすサンドマン、虫の息のライトマスターを嬲るヴァルチャーとエレクトロ、そしてスパイダーマンを殺そうとガラスの破片を突きつけるカメレオン。凶悪な様を見せるヴィランたちを見て、オットーは自分の考えが過ちであったことを察する。

仲間を自分の思い通りに動く“駒”としか考えられず、自分に従う者以外は全て切り捨てたオットー。そんな傲慢で苛烈なやり方がこの事態を招いた。後悔先に立たず。最早打つ手は残されていない、諦めの考えが芽生えたオットーだがそこに再びサンガールが現れる。

彼女はスーペリア・シックスに襲われながらも、オットーに逃がされた。しかし、最後まで戦うことを望む彼女は戦地に舞い戻ってきたのだ。ヒーローは最後の最後まで諦めない。例え相手がどれだけ強大でも決して膝を付いてはいけない。たった1人でスーペリア・シックスを相手取る彼女の姿にオットーも戦意を高ぶらせる。

ライトマスターを救い出し、スーペリア・シックスに戦いを挑むサンガール。
しぶとい彼女に業を煮やしたエレクトロは量子エンジンを使ってパワーアップを図る。街中に迸る電撃を搔い潜り、サンガールは今度はスパイダーマンを救うために飛ぶ。

エレクトロが放つ電撃の嵐を搔い潜ったサンガールが放った一撃は、スパイダーマンを拘束していたサンドマンの砂の体を貫いた。苦しむサンドマンだが、その隙をついてスパイダーマンは脱出に成功。今度はこっちの番だと言わんばかりにスーペリア・シックスに逆襲を始めるものの、オットーのダメージは決して無視できるものではない。格闘で圧倒するが、いつもより動きは鈍く感じる。

オットーにダメージを与えているのは、「最も優れている」と自負する自分が過ちを犯してしまったという事実。サンガールの奮闘に充てられ、サンドマンたちに向かうものの彼の脳内には後悔の念が渦巻いていた。それでも、この事態を引き起こした落とし前は付けなければならない。エネルギーを増幅させていくエレクトロに向けて、再びビームを放つようサンガールに指示するオットーだが、その表情は暗い。

再び閃光に包まれるニューヨーク。光は後悔に沈むオットーを包み込む。

 

人は誰でも間違いを犯す。例えどんなに優れた思考と技術を持つ超人であっても、それは変わらない。オットー・オクタビアスは誤った。彼の過ちがニューヨークに危機を齎したのだ。だが、それでもヒーローとして、そしてスパイダーマンとして行動を起こしたオットーの考えに過ちはないだろう。彼と共闘したサンガールは最後までヒーローとして戦ったが、彼女がヒーローの模範としているのは他でもないスーペリア・スパイダーマンなのだ。

スーペリア・スパイダーマンとしての戦いは間違っていたのか。オットーが求める理想は間違っているのか。

ヴィランたちが消え、曇天に包まれるニューヨークに1人佇むスパイダーマンを取り囲む市民やヒーローの姿が、それを証明しているようだった。

飛び立ったサンガールを見送るスーペリア・スパイダーマンを取り囲む者たち。
スパイダーマンは、ニューヨークにとって脅威なのか。