[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

アメコミ:GHOST RIDER(2006)#5

ルシファーを追うジョニーは、彼の悪魔の導きにより懐かしき故郷へ導かれた。

ジョニーの原点、そして原罪が暴かれる…。

 

前回はこちらから↓

 

lagia.hatenablog.com

【あらすじ】

地獄王ルシファーを追い、独り荒野の中バイクを走り続けるジョニー・ブレイズ。そんな彼の前に再びルシファーが現れる。彼の悪魔は今度はバイクを駆り、警察車の前を集団で走っていた。

無法の悪魔たちを1人ずつ血祭りに上げていくゴーストライダー。だが、ライダーの攻撃を躱し、ジョニーをある場へとおびき出す1人のルシファー。サタンが導いた先に広がる光景はジョニーにとって懐かしく、そして忌々しいものだった…。

ジョニーが辿り着いたのは、父や養父そして恋人と過ごしたスタントショーの会場。
ジョニーが悪魔に魂を売った運命の地だ。
[ORIGINAL SIN]

ゴーストライダーは人間が望みを叶えるために悪魔と契約を交わし、その望みの代償として魂を明け渡すことで誕生する。彼らが叶えたい望みは十人十色。誰かに復讐したいとか、力なき人々を守りたいと様々だ。だが、その望みが良きにしろ悪しきにしろ、地獄の悪魔と契約を交わすという行為は人の道から逸脱したものだ。

地獄の悪魔たちと一度でも契約を交わせば、魂は永久に囚われたままであり、そして大切な者をも地獄に引きずり込んでしまうのだから。

ジョニー・ブレイズも己の欲望のために地獄の悪魔と契約をしたために、人々を巻き込み、人生を台無しにしてしまった男だ。スタントショーでの事故で父バートン・ブレイズを亡くし、母ナオミ・ケイルも失踪したことで孤独の身となった少年時代のジョニー。そんなジョニーを幼馴染であり恋人でもあったロクサーヌの勧めで、クラッシュ・シンプソンが引き取り、一人前のバイカーとして育て上げてくれた。

己の過去を振り返りながらスタントショーの会場に足を踏み入れるジョニーの脳裏に浮かぶのは、ロクサーヌと過ごした幸せな日々。しかし、ジョニーは彼女との時間を手に入れるために父を犠牲にしたのではないかと考えていた。

家族を失った悲しみから立ち直れず、シンプソン家を離れようとしたこともあった。
あの時ロクサーヌの手を振りほどいていたら…。

過去を思い返し、今は亡き妻への贖罪の言葉を呟くジョニーを嘲笑うようにルシファーが現れる。「彼女が死んでいなかったら、こうはならなかったのではないかな?」どこまでもジョニーをコケにするルシファーが案内するのは、ジョニーとロクサーヌ、そして二人の子供たちが過ごしたキャンピングトレーラー。ある事件を経て、復讐の精霊ザラソスとの分離を果たしたジョニーは、ロクサーヌとめでたくゴールインを果たしたのだが、そこには養父クラッシュが被っていたヘルメットが保管されていた。亡き養父の形見。

クラッシュは末期癌を患い、死の淵に立っていた。しかし、その現実をジョニーは受け入れることはできなかった。父に続いて養父まで失いたくない、その一心からジョニーは禁断の力に手を出す。悪友たちが執り行っていた降霊術に参加したことを機に学んだオカルトの知識でサタンを呼び出し、契約を結んだのだ。

しかし、その結果は知っての通りだろう。サタンはジョニーの望みを聞き入れた上でクラッシュを死に追いやり、ジョニーの魂を手に入れようとしたがロクサーヌの介入により失敗。儀式を中断されたことでジョニーはサタンに意識まで奪われることはなかったのだった。

ロクサーヌが持ち出した魔本の効果により撤退していくサタン。
ロクサーヌGJである。

父や養父が死んだのはサタンの姦計によるものだったのか。そしてロクサーヌと子供たちが殺されたのも、悪魔がジョニーを追い詰めるためだけに仕組んだ罠だったのか。それとも己の罪を語れない自分がすべての悲劇を招いたのか。今となっては真相は分からない。しかし、これだけは分かっている。こんな薄汚い真似をする悪魔は、すぐにでもぶち殺してやらなければならないことを。

ジョニーのこれまでの行動を全て見てきたルシファーはジョニーを嘘つきだと言う。
何も見えない愚か者だと嘲笑う地獄王に、ジョニーの怒りが爆発する。

ジョニーの原点と言えるエピソードが、月日を重ねて新たな視点から描かれた本作。復讐の精霊として、そして生身の人間の姿で復讐のための戦い続けてきたジョニーの傍にはロクサーヌの姿があった。しかし、彼女はもういない。孤独な戦いを続けるジョニーはサタンの野望を阻止すべくバイクを走らせるのだ。