フライトフル・フォーVSスーペリア・スパイダーマン!
猛攻を掛けるヴィラン軍団を打ち砕け!
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【あらすじ】
市庁舎に乗り込み、ジェイムソンの暗殺を目論むフライトフル・フォー。だが、彼らが庁舎の最深部に辿り着いた時には既にジェイムソンの姿はなく、スーペリア・スパイダーマンと彼の私兵部隊スパイダー・リングスがウィザードたちを待ち構えていた。不測の事態ではあるが、焦ることはない。むしろ邪魔者を始末するいい機会だとウィザードはカーネイジを差し向ける。私兵をあっさりとやられたスパイダーマンだが、果敢に悪党に立ち向かう。
【フラッシュバック】
ジェイムソン市長を市長室の隠し扉に押し込み、フライトフル・フォーが来るのを待っていたスーペリア・スパイダーマンことオットー・オクタビアス。オットーは騒動を起こした一味がフライトフル・フォーであることと、ウィザードの手でカーネイジが操作されていること、そして彼らの目的も既に把握していた。オットーはヴィラン時代から戦う前に予め敵の情報を入手し、罠を張ってきた。敵の目的が分かっているなら対象は容易だ。今回はジェイムソンになり替わってウィザードたちがのこのことやって来るのを待つだけ。狭い密室での戦いならば身体能力に優れる“スパイダーマン”の身体を持つ自分が有利だとオットーは考えていたのだろう。そのために庁舎の職員たちを見殺しにしてしまったが、そこまでは手が回らなかったということにしておこう。決して見捨てた訳ではない、多分。
しかし、事はそう上手くはいかないものだ。カーネイジとウィザードの注意を引き付けることには成功したが、スパイダーマンの考えを読んでいたクロウが立ちはだかる。クロウの放つ音波と衝撃波がスパイダーセンスを惑わせ、三半規管を狂わせるなど地味ながらも強力な妨害を仕掛けてきた。これではいくらスパイダーマンでも満足には戦えない。
戦況はこちらが不利だと判断したオットーは第2の計画に移行。フライトフル・フォーのリーダーであるウィザードを連れて場所を移動し、彼の脳波を操る装置を無効化しようとするが…。
ウィザードが抱える症状は、既に彼の脳内に深刻なダメージを与えていた。まともな判断もできない程に追い詰められていたウィザードが、スーペリア・スパイダーマンがオットー・オクタビアスであると気付ける筈がない。オットー自身も予測していなかった事態にうっかりウィザードの拘束を解いてしまうハプニングはあったが、結果的にウィザードは戦闘不能に。脳内だけでなく身体にもダメージを負ったウィザードを見たオットーは生死を彷徨っていた頃の自分を思い起こし、自分の正体を明かした上で助けてやると叫ぶ。瀕死のウィザードの姿はかつてのオットーとよく似ていたと言わざるを得ないだろうから、オットーが咄嗟に助けようとするのも当然だろう。だが、そこにウィザードが倒れたことで制御から解放されたカーネイジが襲い掛かる。カーネイジにとってはスパイダーマンだけでなく自分を操ろうとしたウィザードも倒すべき敵なのだ。
ウィザードにとっては自業自得と言えることだが、オットーはウィザードを助けるべくカーネイジに立ち向かう。だが怒り狂うカーネイジをオットーだけでは止められない。更に友を護るべく追いすがってきたクロウまでもがオットーに攻撃を仕掛ける。
もはやスパイダーマンに打つ手はない。ここまでか。
ウィザードとカーネイジ、そしてクロウの三人が中心となって始まった今シリーズ。悪党同士の騙し騙されての裏切りに友情と、意外な一面を見せてきたクロウが脱落してしまったことに当時の管理人は驚きの余り呆然としてしまったことを覚えている。今際の言葉が、ウィザードを護ることができなかったことへの詫びだったのも印象深い。
機械の身体の内部に閉じ込めていたエネルギーの奔流がクロウの身体を突き破り、大爆発を起こした。衝撃波に吹き飛ばされたオットーは意識がおぼつかないながらも状況を整理しようと身体を起こす。クロウは死に、カーネイジも衝撃波で消し飛ばされたようだ。これで後はウィザードをどうにかするだけだと考えたオットーだが、カーネイジはしぶといことをオットーは失念していた。宿主が使い物にならなくなったカーネイジは新たな宿主を求めていたのだ。