カーネイジを越えたカーネイジ、スーペリア・カーネイジ登場!
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【あらすじ】
ウィザードが企み、実行したカーネイジの隷従化。同志であるクロウと(モルモットの)カール・マルス博士の協力の元、その計画も遂に実りを迎える。マルス博士と結合し、肉体を奪ったカーネイジをマルス博士の脳神経を通して操ることに成功したのだ。恐るべき虐殺者は新たな姿を与えられて主の前に跪く。その様はまさに“優秀な”下僕。だが、ウィザードの計画はまだ始まったばかり。真の目的を果たすために動き出す…。
【ジェイムソン、暗殺】
クロウの協力もあってようやくカーネイジの制御に成功したウィザードは有頂天だった。この強力な手駒がいれば、自らの本懐を果たすことも訳ないと高らかに叫ぶ。だが、ここに至るまでにマルス博士を犠牲にし、クロウの右腕のソニックキャノンも損傷するなど決して無視できないダメージを追ってしまった。自らの野望のためなら、協力者も平気で使い潰す。それはヴィランのやり方としては正しい。目的を果たすためには他人は二の次、その考えはクロウにもあるのでウィザードに文句は言わない。だが、武器の修理が終わるまで少し、話をしようと持ち掛ける。
クロウはウィザードのことが心配だった。かつてのチームメイトは記憶障害と鬱症状を患い、かつての冷静さは持ち合わせていない。ブレーキの利かなくなった野心は暴走し、このまま行けば他人だけでなく自分すらも破滅に追いやってしまう、クロウにはそう見えて仕方がない。しかし、クロウの心配を他所にウィザードの自信が揺らぐことはない。あのカーネイジを制御することができるのだから、今の自分には何でもできる筈だ。自分の元を去った息子も、こんなに凄い父親を見直して帰ってきてくれるかもしれない。そう、ウィザードがクロウと共にカーネイジを味方に付けたのは、全て息子のためだった。自らのクローンである息子に立派なところを見せたい、かつてウィザードと化す以前のベントリーが夢見たニューヨークの“市長”の座を手に入れることこそが息子にできる孝行だと、ウィザードは信じていた。お前の息子はそんなことは望んでいない、とバッサリ切り捨てるクロウだが、それでも彼は同志の野望についていくことを決める。ここまで来てしまったのだ、地獄の果てまでついていくのがヴィランの友情というものだろう。武器の修復を途中で切り上げてまで向かうクロウの隠れた男気が光るが、この判断が彼の命運を決めることになる…。
地下鉄を走る電車を乗っ取り、音波を纏いながら市庁舎に乗り込んだフライトフル・フォーはジェイムソンを目指しながら破壊活動及び殺戮を開始。クロウのソニックキャノンが役所の壁を破壊し、スーペリア・カーネイジが役人たちを次々に殺していく。元来のカーネイジの狂暴性にプラスしてエージェント・ヴェノムを真似て銃を武器にして暴れ回る虐殺者を止めることは、誰にもできない。
道中、ウィザードが鬱障害から発生した自我の混濁によってカーネイジが制御から逃れそうになるアクシデントがありはしたが、クロウの呼びかけでウィザードが意識を取り戻したことで事なきを得た。勢いに乗ったフライトフル・フォーは市庁舎の奥深くへと進み、ジェイムソンを守ろうとするSPも全員血祭りに上げた。後は、ジェイムソンだけだ。しかし、そんな彼らの前に立ちはだかる者がいる。この街の真の支配者が、狼藉を働く無法者共を始末するべく動いたのだ。