[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

アメコミ:インフィニティ・ウォーズ

宇宙にかつてない危機が迫る…

 

 

ということで、今回は新「インフィニティ・サーガ」の第2弾であるインフィニティ・ウォーズの解説だ。

インフィニティ・サーガ、それはかつて描かれた名作「インフィニティ・ガントレット」を下地にしつつ全く新しい、よりスケールアップした展開が話題を呼んだクロスオーバーイベント。全3部作+αという大長編で構成されており、インフィニティ・ガントレット同様に宇宙に散らばり持ち主に絶大な力を与え、願いを叶える力を持つ六つの石を巡るストーリーとなっている。だが、インフィニティ・ガントレットと違う点はマルチバースが主軸となっていることだろう。

第1部である「インフィニティ・カウントダウン」では幾つものマルチバースの崩壊の危機を解決するためにとうの昔に失われていたインフィニティ・ジェム改めインフィニティ・ストーンを求め、多くのヒーローやヴィランの間で激しい争奪戦が繰り広げられ、無事にそれぞれの石の持ち主が決まりマルチバースの崩壊は防ぐことに成功した。

しかし、その結果に不満を持つのは“レクエイム”と名乗るガモーラだ。「サノス・ライジング」終盤にて養父サノスを殺害した彼女はあろうことか、かつての父と同じくインフィニティ・ストーンを求め、ヒーローたちに襲い掛かる。己の血塗られた運命、未来を呪い、全ての世界のやり直しを求めるレクエイム。彼女の決意は固く、アベンジャーズやかつて自分も所属していたガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの静止を聞かず、彼らを力尽くで排除してでも全てのインフィニティ・ストーンを回収しようとする。自分の野望の為にひたすら前進する様はレクエイム自身が最も忌み嫌うサノスのようだ。

恋人の懇願も聞き入れず、大剣で刺し貫くレクエイム。
やっちまった...とはならなかったが。

レクエイムが求めた世界のやり直し。それはマルチバースとそこに住まう住人たちをインフィニティ・ストーンの力を使って一か所に集め、合体・結合、世界を半分に纏めること。何ともたいそれた話だが、ヒーローたちを打ち倒したレクエイムはそれをやってのけてしまった。

キャプテンアメリカとドクターストレンジが合体した超人“ソルジャースプリーム”、アイアンマンとソーが合体した超人“アイアンハンマー”と続々と合体させられた超人たちが生み出される。レクエイムのエゴの為に世界は混沌と化していく世界には、やがて宇宙全体を揺るがす異形の神を目覚めさせようとしていた。

だが、この非情事態を黙って見過ごす者がいる。それは悪戯の神ロキ。彼もレクエイム同様に己が辿る未来を呪い、改変しようと足掻く者だ。ただし、その野望の根本にある思いはレクエイムとは少々違う。やがてロキは今回の事件の裏で糸を引く者たちの存在を知り、己の存在を確立するために新たな6人の「インフィニティ・ウォッチ」を探すべく奔走する。今作での実質的な主役はロキといっていいだろう。

いつもの情けないムーブは健在な悪戯の神。
フローワとの軽快なやり取りもあり、本作での清涼剤の役目も果たしていると思う。

そしてロキだけでなく、レクエイムと化したガモーラの元チームメイトであるガーディアンズ・オブ・ギャラクシーもレクエイムを止めるために、メンバーそれぞれのやり方で動く。スターロード、グルート、ロケット、ドラックス。4者4様の想いを受けてレクエイムがどう動くか。ロキの手で選出された新たなインフィニティ・ウォッチたち、そして合体させられたヒーローたちがマルチバースの終わりを齎す危機にどう立ち向かうのか。その顛末も合わせて傑作と評価できる作品だったと思う。セリフはないけどゴーストライダーがしっかりと登場してるしな!

レクエイムが事件を起こす数日前。
チームを去ったガモーラに複雑な感情を向けるクイルたち。“家族”が犯した罪の清算を果たすのはもう少し後になる。