上海の空を舞い、風を操り、嵐を呼ぶ女ヒーロー登場!その名はエアロ!
【あらすじ】
中国、上海。この地である戦いが起きていた。暗く淀んだ空と瓦礫の山と化した街に聳える巨人に変貌したビルと、青い髪をなびかせて戦う女エアロ。
超常の力がぶつかり合う戦場。いったいどうしてこんなことに…。
【異色のヒーロー】
さて、このアートを初めて見た人はたいそう驚いたことだろう。これは本当にアメコミなのか?と。これもアメコミだ。
このいい意味でアメコミらしくない、強いて言えばマンガ風なアートで発表当時に大きな反響を与えたのがエアロだ。エアロと同時期に発表され、同様にマンガ風なアートであるソードマスター誌が濃い少年マンガ風なアートであるのと対象的に、エアロ誌はクールな印象を与える画風なのが特徴だ。エアロ誌は“魔”と戦う現在のパートと、エアロことレイ・リンの普段の生活を描く過去のパートが交互に描かれる構成となっている。
マーベルは過去にもマンガ風なアートの作品を発表、世に送り出してきた(マンガバースなんてまんまな名前で)。エアロとソードマスターはその流れを汲み、受け継いだシリーズなのだと言えるだろう。
エアロは先述した通り風を操り、嵐を起こし、空を飛ぶ。この能力を以て彼女は生まれ育った上海を守っている。普段は建築家として生活し、恋人とディナーを楽しみ、街に非常事態が起きれば直ぐに駆け付ける。遠く離れたアメリカのヒーローたちにも負けず劣らずの活躍を見せてくれるし、本業とヒーロー業の板挟みで苦難を感じながらも充実した日々を過ごしているのを見せてくれる。
そんな彼女が暮らす街に突然起こった謎の現象。上海に乱立する幾つものビルが巨人に変貌し、巨大化するわ、空は怪しげな曇天に覆われて不気味な“街”が迫る、と不可思議で非科学的な事態が次々と起こる。
美しく平和な街に迫る“魔”。自分の能力に絶対の自信を持つエアロ、彼女はこの未曾有の危機にたった一人で立ち向かう…。