2022/6/8から現在ディズニープラスにて配信されているMCUドラマ作品「ミズ・マーベル」を一気見してきました!
筆者はドラマ作品は1話ずつ観るのではなく、一気見するのが好きなのだ。1週間も待てるほど我慢強くないし、映像作品は短い時間で堪能したいのだロコ
今作「ミズ・マーベル」は公開前から波乱に満ちていた印象がある。
理由としてはミズ・マーベルことカマラ・カーンはパキスタン系のアメリカ人、つまり移民の子でイスラムやヒンドゥー教といった宗教や、かつてのイギリスからの統治からのインドの独立といった歴史的な背景を持って生まれたキャラクターだからだ。
宗教問題や移民問題は令和の世になってもいまだに根強く残った問題なだけに、今作でどれだけこの問題が取り入れられるのか注目されていた。黒人と白人の差別問題をテーマとした「ファルコン&ウィンターソルジャー」という前例もあっただけに期待されていたのだ。
加えてもう一つの理由にして最大の理由はカマラのオリジンがコミックのものから変更されたことが挙げられるだろう。
カマラはコミックでは「インヒューマンズ」という超人であり、腕や脚、体を伸ばしたり膨らませたり大きくすることができる能力を持っている。
だが、今作ではその能力を変更、腕や脚から結晶状の光体を作り放つ能力になった。結晶を足場にして空中を駆けたり、疑似的に腕を伸ばすなど応用が利くものだ。
この設定変更が多くのファンを驚かせ、論議を呼んだのはよく覚えている。筆者的には割とどうでもよかったのだが。
さて、そんな中で公開された「ミズ・マーベル」だが、筆者の中では「全体的に粗い面はあれどよくできた作品」という評価だ。
1話でカマラは祖母から送られてきた兄の結婚を祝うプレゼントに入っていた不思議なバングルを見つけ、それを腕に嵌めたことで超人となった。
元々スーパーヒーロー、特にキャプテンマーベルの大ファンだったカマラは戸惑いつつも大喜び。友人のブルーノと能力を磨き、ヒーローになろうとする。
ここまではよくある展開だと思うが、ここから展開は二転三転する。
学校にやってきたイケメン転校生に夢中になって特訓を疎かにしたり、異次元からやってきたという人物たちに助けを請われたと思ったら命を狙われる。更にカマラたち超人の身柄を抑えようとする「ダメージ・コントロール局」まで現れる。加えて友人たちと宗教の改正にも乗り出すし、母親に自分のあり方を認めてもらおうと悪戦苦闘する。
戦いの舞台もアメリカからパキスタン、かつてのインド、再びアメリカと移りに移り、カマラのメインストーリーもヒーローとなるべく奮闘することから途中で自分のルーツ探しに変わっていく。やがて自分が目指す将来、ヒーローとしての生き様を見出していく。
列挙するだけで頭が痛くなりそうなくらい混沌とした展開だ。話に纏まりがない、という感想を観る前から既に見ていたが、そう言いたくなるのも分かる。
だが、「ミズ・マーベル」はこれで良かったと筆者は思う。この迷走ぷりは、作品全体で悩める10代の女子高生であるカマラの葛藤と決意を描いたものなのだと感じた。
進路や将来に悩み、親からの愛情という名の束縛で苦しむ。
カマラは何処にでもいるちょっと空想癖が強すぎる普通の少女だ。そんな彼女が突然得たスーパーパワーに翻弄され、命を狙われ、祖母を始めとしたたくさんの先人たちと交流することで、やがて自己を確立する。
1話と最終話を比較するとカマラも眼も違うものに見えてくる。自信に満ちた眼には迷いはない。父から新たに”2つ目の名前”を貰ったカマラ。
ミズ・マーベルとなった彼女が、今後どういった成長を見せてくれるのかが楽しみだ。
カマラのオリジンが変わりMCUではインヒューマンズではないわけだが、彼女は実は「ミュータント」だったことが示唆された(名言はされていない)。
”MCU世界においてのアース616において初めてのミュータントとなったカマラだが、今後もミュータントが登場する時はコミックのヒーローやヴィランの設定をミュータントに変えて登場する方針なのだろうか?
MCUでのミュータントの扱いは正直不満だ。