パニッシャーとヘンリー、2人の元に危機が迫る！
逃走する2人が行きつく先に待ち受けるものは！？
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【あらすじ】
それは夢か幻か。暗い一室で、少年は自分を見向きもしない母親と、戯れに殺しを教える父親の元で育った。そこで親というもの、とりわけ父親に深い憎悪を抱くようになった。いつかこの男に思い知らせてやる、例え自分の手で倒せなくても。父親の自慢だった美貌を台無しにした男の力を利用してでも。
マイクロとメガタクに襲撃され意識を失っていたヘンリーは、少年時代の記憶を思い出し奮起。メガタクの一瞬の油断を付いてその場からの脱出を図る。だがそれを見逃すはずもなく、すぐさま追ってを仕向ける。
一方でハイジャッカーが駆る巨大マシンから逃げの一手を打つパニッシャーだが、ヘンリーと連絡が付かない。代わりにマイクロから「お前の新しい相棒はくたばったぞ」と挑発の通信を受ける。ヘンリーの安否を気に掛けるパニッシャー。だが、敵はパニッシャーの思考を奪うかのように猛追を振るう。果たして2人はこの窮地を脱せるのか…。
逃げ惑う2人の姿は、マイクロにとっては愉快この上ないことだろう。
【ルート：666】
今回の冒頭で、これまでの戦いで新しい椅子の男“マイクロチップ”としてパニッシャーをアシストしてきたヘンリーの正体が遂に明かされた。ヘンリーのフルネームはヘンリー・ルッソ。パニッシャーに対して憎悪を抱き、幾度も戦った凶悪なマフィアであるジグソーことビリー・ルッソの息子、それがヘンリーの正体だった。
どこまでもイカれた男だ。
ヘンリーは父親と違って人並みの良心と理性を持って生まれた。それ故に、幼い頃の自分に虐待同然の教育を施したジグソーを激しく恨み、いつの日か復讐をしてやろうと画策してきた。その復讐の手段がパニッシャーを利用し、彼を味方につけてジグソーを倒すことだった。自身の復讐のために町中の監視カメラをジャックする技術を学び、パニッシャーに近付いたというわけだ。
だが、その計画も初代マイクロチップ、デイヴィッド・リーバーマンに阻まれてしまった。リーバーマンからすればヘンリーなど青二才同然。若造1人追い詰めることなど造作もない、と言わんばかりだ。メガタクやブルーストリークを使役し、ジェットボードで逃亡するヘンリーを追い回させる。ヘンリーも殺されまいと懸命に逃げ回るが、遂に追い詰められてしまう。だが、機転を利かせてジェットボードを遠隔操作してブルーストリークを突き飛ばす。この隙に逃げよう、そう考えていたヘンリーだが人間という生き物は案外脆いもので、打ち所が悪いとサクッとくたばるものだ。
初めて人間を殺した。例え相手が悪党で今さっきまで自分を殺そうとした男だったとしても、こんなことは許されない。呆然とするヘンリーだが、パニッシャーの仲間になった時点でこうなるのは分かっていたはずだろう。
やっちまったなぁ！
一方、ヘンリーの状況を知らないパニッシャーは状況を打開する案を考えるまで、兎に角逃げ回る。ハイジャッカーの操縦する巨大マシンを打破できる装備は今はない、口惜しいが今は逃げの一手だ。勿論、そんな中でもパニッシャーはハイジャッカーやヒューマンフライたち、そしてリーバーマンとフッドへの怒りの炎を燃え上がらせ続ける。悪党であるこいつらに負けるわけにはいかない、ヘンリーが殺されたのならあいつの仇も俺が取る。悪に成り下がったかつての友を“マイクロ”ではなくリーバーマンと呼ぶことで決別と殺意を突きつけるパニッシャー。だが、そんなパニッシャーをハイジャッカーのマシンが押し潰す…。
それぞれの場で2人が窮地に追いやられている中、もう一人ピンチに追い込まれている男たちがいる。元S.H.I.E.L.Dのエージェントのブリッジとその息子だ。彼らはパニッシャーを誘き出す餌としてバジリスクたちに襲撃され、命の危機にあった。自宅で拘束され、死を待つだけにあった2人だが何とか拘束を解いたブリッジは息子を逃がし、1人でヴィランたちに立ち向かう。父親の鏡というべき勇敢な姿だが、状況は劣勢。だが、そこにハイジャッカーのマシンを奪い取ったパニッシャーが乱入。やはりパニッシャーは不死身だ。
一転攻勢となったがバジリスクたちはあくまでも余裕な姿勢を崩さない。ブリッジはパニッシャーを誘き出す餌、これは罠だ！
マシンの終点は地獄、否、フランクにとっての本当の地獄はこんなものではない…。
