[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

アメコミ:ADAM:LEGEND OF THE BLUE MARVEL#3

裏切られた想い、戻らぬ束の間の幸せな時間。

絶望を乗り越えて立ち上がれ、ブルーマーベル!

前回はこちらから↓

 

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【あらすじ】

アダムの所在地をトニーが、白人が治める国家に知られてしまった。同時にアダムの妻もまた、国家から送られてきたエージェントだということをアダムは知ってしまう。

またもや国に裏切られ、失意に暮れるアダムは1人月へ逃避行。

自分は何者なのか、どうすればいいのか。果たしてアダムが求める答えは何処にある?

単身、月で黄昏るアダム。
青く輝く地球はアダムに何も言ってくれない。
【確執、伝わらない想い】

アダムの妻、キャンデス・ブラッシャーの正体は政府の諜報員マリーン・フラジール、彼女はアダムの力を恐れた国家が派遣した女で、アダムに近づくことで彼を監視してアダムが国家に反逆する意思があるかないかを逐一上司に報告していたのだ。

これだけ見ればとんでもないクソ女だろう。迷わず別れろ、と言いたくなる。

しかし、彼女はアダムと親密な仲になるに連れて、アダムの誠実な為人と彼の境遇を知ってしまう。それは書類が与える情報には書かれていないこと。アダム・ブラッシャーが黒人だから、というそれだけの理由で白人たちから不当に扱われてきたか、そしてアダムがどれだけ悔しい思いをしながら耐えてきたかは薄っぺらい紙には書かれない。

黒人だから、満足にショッピングも外食もできない。
それでもアダムは耐える。そんな彼にフラジールは惹かれていく。

やがて彼女は任務を放棄し、アダムと寄り添い、彼を支えようとも考えていた。それだけアダムのことを想ってしまったのだろう。

しかし、不幸は突然やってくるものだ。

アンチマンの復活という未曾有の危機、アベンジャーズにブルーマーベルの存在を知られてしまったことで彼女が思い描いてきた未来は脆くも崩れ去ってしまった。

そして、アダムにも自身の正体を感づかれてしまい、図らずも愛する夫を傷つけてしまうことに。いくら涙を流しても、これらは無かったことにはできない。

そんな彼女にアダムがとる行動は、怒りの感情をぶつけることでも侮蔑の言葉を浴びせることでもない。ただ、彼女の元を去ること。

フラジールがアダムを想うように、アダムもまたフラジールを愛していたのだろう。やりきれない思いを抱えてアダムは地球を離れてしまう。

あまりもの仕打ちに耐えることができず、遂に逃げ出してしまうアダム。
辛すぎて草も生えん…。
【耐えるのを止める時】

アダムは生まれた時から耐えることを強いられてきた。それは軍人となっても、学者になっても、ヒーローと担ぎ上げられても変わることはない。

彼は時代が求めて切り捨てた男、時代が求めないのなら口を出さず、耐えなければならない。何時しかアダムは自分自身にそう言い聞かせるようになってしまった。

しかし、そうやって数十年生きてきて得られたモノは何だった?移り行く時代の中、何か世界は変っただろうか?

かつて地球を侵略しようとし、自身が壊滅させた宇宙戦艦の艦隊の夥しい残骸が転がる月面で1人自問自答を繰り返すアダムにウォッチャーが声をかける。

悠久の時を生き、ありとあらゆる時代を観測するウォッチャー、ウアトゥは60年代の地球も当然観測しており、そこでブルーマーベルを知った。望まぬことを押し付けられながらも、時代に切り捨てられることを恐れるヒーローに興味を持ったウアトゥはそれ以降、ずっと彼を気にかけていたのだ。

ウォッチャーの使命の関係上、直接的な干渉ができないウアトゥは思い悩むアダムに遠回しに助言を与える。

「キミには力ある、超人としての力だけでなく心の強さを持つ者が耐えることはない。自分の思うことをやってみろ。後悔先に立たずというだろ」

そう解釈できる蘊蓄をかつてのブルーマーベルの活躍を引き合いに出しながら語るウォッチャーに礼を伝え、アダムは地球に帰還する。

たまには、自分が望むことをやってみる。

アダムが耐えることを止め、行動に移した瞬間だった。耐えていても時代も、世界も変わらない。それなら自分から動かなければ。

ブルーマーベルが望むこと、それはアンチマンを止めること。

かつての宿敵が自分をご指名なら受けて立ってやる。再起したヒーローは一路、SHIELDのヘリキャリアへ。ブルーマーベルvsアンチマンの第2ラウンドが始まろうとしていた…。

ブルーマーベルが再起を果たすのと同時期に、アンチマンも復活。
決着を付ける日はそう遠くない。