[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

キャラクター:第4の壁を超える者たち

人よりちょっとだけ型破りなだけ。

さて、ドラマ作品「シーハルク ザ・アトーニー」で衝撃的な形で第4の壁を超え、制作サイドに文句を付けて最終話を書き換えさせるという前代未聞の偉業(?)をやってのけたシーハルク。

こんなことが許されるのか、という声もあるがドラマ版シーハルクは先日上げた通りギャグ作品だ。笑いが取れればそれでよし、笑えないやつぁ修行が足りねぇ、などと片付けるわけにはいかない。そこで、シーハルクと同じく第4の壁を超えることができる者たちを何人か紹介する。これを読めば、この能力はそんなに珍しいものではないし、無敵の能力というわけでもないことが分かる、かもしれない。

先ずは「第4の壁」について軽く触れる。

第4の壁とは元々は劇場での舞台用語として使われていたといたワードであり、「役者と観客を分ける」境界という意味を持つ。役者が自分の演技に集中するには演じるキャラクターになりきらなければならない。しかし、演技を見る観客の視線というものはどうしても気になるもので、演技に集中できなくなってしまう。そんなことが起きないように考えられたのが第4の壁だ。役者と観客との間に壁と作り、役者が観客を意識できないようにすることで最高の演技をすることができるのだ。

そんな第4の壁を意図的に破壊し、観客あるいは舞台裏にまで干渉して物語のシナリオを書き換える。普通のキャラクターは絶対にやらない(できない)ことができるのがこれから紹介する4人の特権だ。

「シーハルク ザ・アトーニー」の感想はこちらから↓

 

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【シーハルク】

先ずは今一番話題でホットな女、シーハルクことジェニファー・ウォルターズだ。

彼女がこの能力を得たのは彼女が初登場したシリーズ「センセーショナル・シーハルク」、超人の能力を得たのと同時にこの摩訶不思議な力を得てしまったのだ。

散々やりたい放題やってきた彼女だが、第4の壁を超えることができたのは意外にもこのシリーズのみ。以降のジェニファーは女性としての自分、シーハルクとしての自分とアイデンティティーに思い悩む戦う弁護士という比較的真面目なキャラクター像にシフトしていく。

…、こちら側(編集部や読者)が認識できなくなったわけではないようだが。

デッドプール

2人目は実写作品にゲームに大忙しな狂人デッドプール(BANG!)

第4の壁を超えることができる奴ていったら、俺ちゃんのことに決まってんだろーが!上の全身緑のクビレと尻がヤバいセクシー女のことじゃないぞ!

俺ちゃんが愛おしいお前らを見ることができるのは、ひとえにこの能力のお陰!嬉しいねぇ~、まあ、俺はジェニファーほどやりたい放題はできないんだけどな。俺ちゃんは節度を守ってこの力を使ってるのさ!

え?ゲーム版のアンタは何だったの、てあれはハイムーン・スタジオの連中が頑張っただけだぞ!完成度高いからこのブログ読んでるお前!今すぐ画面を閉じてプレイするんだな!ウェイドおじさんとの約束だぞ!

スラップスティック

危なかった、A○otherだったら死んでた。

3人目はスラップスティック

先述した2人とは少々異なり、スラップスティックことスティーブン・ハーマンはコミックの世界にいながらカートゥーンのような姿をしているのが特徴。

普通だったら死ぬような大怪我を負っても体がぺちゃんこになるだけでノーダメージ、バラバラにされても即座に復活する、ポケットから質量を無視した巨大な武器を取り出すなど、正にカートゥーンアニメの登場人物のそれ。

こちら側(読者)を認識しており、全力で笑いを取りに行く姿はピエロのそれに相応しい。

【グウェンプール】

4人目はグウェンプール。

彼女はコミックの登場人物ながらも、その世界にあるコミック(アース616)に入り込み時には傭兵として、時にはヒーローとして縦横無尽にコミック内を駆け回る掟破りなキャラクターだ。

そんな彼女だが、当初は本当の意味での第4の壁を超えることができなかったが、物語の終盤に自身も彼女が出会ってきたキャラクターたちと同様に、自分もまたコミックの登場人物だということを理解、かつ自分の個人誌の最終話が近いことを知る、というスラップスティックとは違った意味で特殊なタイプの人物だ。

 

ここまで4人のヒーローたちを上げてきたが、彼らのこの強力な能力でもどうにもできないことがある。それは「最終話」だ。

自分の思った通りの筋書きにストーリーを変えることも、コマとコマの間に敵対するヴィランを落として勝つなど、型破りな方法はいくらでも取れる。しかし、最終話だけはどうにもできない。ここで終わり、と既に決められたゴールは変えられないのだ。

しかし、最終話を迎えても、また別のヒーローのタイトルにお邪魔したり、続編で変わらない破天荒な姿を見せることができる。最終話=ヒーローの終わりではないからだ。

型破りな能力で時にライターや読者を驚かせたり、呆れさせたりとコミックに映画にゲームと活躍を続ける第4の壁を超える者たち。

次はどんな偉業を見せてくれるのか楽しみだ。

 

 

 

こいつらが見ている「別の次元」とは、知ってはいけない次元でシュ。
カオスというよりタブーでシュ。